テラーノベル
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夜の会議室は、空気が重かった。 机の上に並ぶ資料と、上司の目。
上司
道枝駿佑
上司
道枝は、拳をぎゅっと握った
上司
上司
道枝駿佑
上司
低い声で、はっきりと言われる
上司
上司
道枝駿佑
上司
道枝は、視線を落とした。
帰り道。 夜風が冷たい。
道枝駿佑
頭の中に浮かぶのは、笑顔の長尾ばかりだった。
「無理してない?」 「俺が守るから」 「疑われても、離れへん」
道枝駿佑
警察官である前に、 一人の人間で。 恋人だった。
一方その頃。
みっちー遅いな
スマホを握ったまま、長尾は部屋のソファに座っていた。 理由は、わかっている。
長尾謙杜
視線が変わったのも、空気が重くなったのも。 全部、分かっていた。
長尾謙杜
みっちーを守るには 自分が距離を取るしかない
それでも―― 胸が、痛い。
玄関の鍵が開く。
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾謙杜
道枝駿佑
言葉が続かない。 その沈黙が、答えだった。
長尾は、そっと近づく
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾謙杜
道枝は否定できなかった
沈黙の中、長尾が口を開く。
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾謙杜
道枝駿佑
一瞬、時間が止まったように感じた
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾は、すぐに道枝の言葉を遮った。
長尾謙杜
その声は、優しすぎた
頭が真っ白になる
道枝駿佑
長尾は、少しだけ手を伏せた
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾謙杜
胸が、締め付けられる。
道枝駿佑
でもそれは、 自分が一番欲しくなかった形の優しさだった
道枝駿佑
言葉を探す。 警察官としての自分。 恋人としての自分。
道枝駿佑
長尾が、顔をあげる
道枝駿佑
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾の目が、揺れた
ずるいな。 そんな顔で言われたら。
長尾謙杜
長尾は、一歩踏み出して、道枝の手を取った。
長尾謙杜
道枝駿佑
長尾謙杜
手を、離す。
長尾謙杜
その距離が近い。
その夜。 ふたりは同じ部屋にいながら、 どこか遠かった。
距離は、まだ散歩。 でも、心は少しだけ離れ始めている。
別れの予感は、 ずてに静かに忍び寄っていた。
#4 終