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付けたての、重い彼の香水の香り
今は誰が感じているんだろう。
複雑な気持ちにはまってしまった私は眠れない。
かといって、下手に動く勇気だってない。
最後に彼に会いに行った時に来ていたコートにうっすらと残った彼の香り
コートを抱きしめながら、彼との色々な思い出と温もりが蘇った。
「起きてる?やっぱり会いたい。」
彼からそう連絡があったのは、朝の五時。
いつも通りに、私は駅へと走る。
こんな時間に呼び出されてまで会いに行こうとする、他人から見ると随分醜い恋愛
夜明けと共に消えていった街灯でさえ私を笑っていったように見えた。
私だってこんな恋愛は嫌だよ
朝に感じるトップノートだって
「好きだよ」のミドルも
全部欲しいのに
私だけのものにしたかったのに
君はまだ別の誰かのことが好きなんだよね⋯
いつ消えてもおかしくない最後のラストノートの香りのような
いついつ消えてもおかしくない危険な恋