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恋愛のすゝめ

15 - 恋愛のすゝめ 外伝 まふまふ編 中編

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205

2020年03月11日

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まふまふside

忍び

さあ、今日から忍びになる為の修行をするぞ!!

まふまふ

はい!

よし、頑張ろう…!

忍び

いいか?今日から俺はお前の師匠になるんだ。

忍び

俺のことは師匠って呼べよ!

まふまふ

はい、師匠!

僕は声を張り上げて、返事をする。

師匠

それじゃあ……

師匠

今日の夕方までに、俺を探し出せ。

まふまふ

え、それが修行?

師匠

じゃあな!

まふまふ

え?!ちょっと待って……

慌てて師匠に手を伸ばした。

なのに

まふまふ

あれ……?

瞬きをした瞬間に、 いなくなってしまった。

こういう素早いところは、 やっぱり忍びなんだなって思う。

まふまふ

はあぁ…探すか…

もっと体力をつけたり、 足を速くするとかだと 思ったんだけどな……?

これじゃあ、ただの遊びでしょ…?

まふまふside

まふまふ

はぁ……はぁ…

もう何時間も歩いてるのに、 見つからない。

足が痺れて、汗が滴り落ちる。

というか、もう夜だよ?!

夕方までじゃ無かったの?!

まふまふ

はぁ……疲れた…

まふまふ

ちょっと、休憩……

僕は、木の幹にもたれ掛かる。

師匠

なかなかやるじゃねぇか。

まふまふ

うっわああああ!!!

視界いっぱいに、逆さまの師匠の顔。

上を見ると 僕がもたれ掛かった木の枝に、 師匠がぶら下がっている。

まふまふ

な、なんで?!

師匠

ああ、ずっとまふまふの後ろを歩いてたんだよ。

まふまふ

はぁ…?

まふまふ

な、なんの為に探してたの……

道理で見つからないわけだ………

一気に脱力して、 その場にへたり込む。

師匠

はははっ、いい運動だろー?

師匠

お前が休憩するの待ってたんだよ!

まふまふ

な、何それ〜…

師匠

まあ、油断は禁物ってことよ〜

師匠は満足気に鼻歌を歌う。

こ、この人、 僕が困ってるの見て 楽しんでるんだ…!!

思わず、ぎりぎりと歯ぎしりをする。

うう、悔しい…!

僕は、厄介な人を 師匠にしてしまったみたいだ。

まふまふside

………朝です。

僕は今、目を覚ました所です。

昨日の夜から、 師匠の家で居候を始めたんです。

僕は、久しぶりのお布団で、 ぐっすり寝たんです。

何故………

まふまふ

何故……

まふまふ

僕は縛られているんでしょうか?!
師匠!!?

目が覚めたら、 麻縄でぐるぐる巻きで 身動きが取れなくなっていた。

師匠

はははっ、油断は禁物って言っただろ?

師匠は、からからとした 笑い声をあげる。

まふまふ

解いてくださいよ!!

師匠

まぁそう焦んなって〜

師匠は台所へ行き、 何やら料理を始めた。

いくらもがいても 体にくい込むだけで、 麻縄は解けない。

師匠

ふんふんふ〜ん

師匠はご機嫌で、 台所からは美味しそうな匂いが 運ばれてくる。

師匠

さあ……

師匠は出来上がった朝食を 僕の前に置く。

師匠

飯が食いたきゃ縄から脱出するんだな。

まふまふ

べ、別に食べなくたって……

ぐぅ〜っ

まふまふ

………

僕のお腹の虫は 空気が読めないみたいだ。

師匠

ふふっ、痩せ我慢するなよ!

師匠

さあ、よく考えるんだ。

師匠

方法は、ひとつじゃない。

まふまふ

方法……

僕は、周りを見渡す。

周りにあるのは、調理器具。

この中に縄を解くもの……

方法は、ひとつじゃない……

まふまふ

……そっか。

まふまふ

解かなくていいんだ。

師匠は、 ゆっくりと目を細める。

僕は床を這って、包丁の元に向かう。

まふまふ

これで……

包丁を後ろ手に持ち、縄を切る。

ぶつっ

その音とともに、 身体の拘束が緩まる。

師匠

よくやったな。大正解だよ!

師匠

発想の転換。
これは忍びにとってかなり重要だ。

師匠は頭を人差し指でつつく。

師匠

例えば、敵に見つかった時

師匠

お前が思いつく選択肢はなんだ?

まふまふ

逃げる、とか攻撃する、とか?

師匠

甘いな。

師匠

俺だったらこうするね。

そういうや否や、 師匠は上着を脱ぎ、頭に被る。

そして……

師匠

ごめんなさい、道に迷ってしまったのです……

師匠

どうか私を、城下町まで案内していただけますか?

聞こえてきた声は、 女性そのものだった。

師匠

どうだ?これで立派な道に迷った女性だろ?

いつも通りの師匠の声に戻る。

師匠

逃げる、攻撃する、以外の選択肢。

師匠

''なりきる''ってことも出来るんだ。

師匠

そうすれば、''敵''としても認識されないだろ?

師匠は目を細めて笑う。

まふまふ

なるほど……

師匠

まずだな、敵が自分の陣地に入ってきたら、警戒するだろ?

師匠

そうすると、城の警備が厳しくなり、侵入しにくくなる。

師匠

それは避けなきゃならないだろ?

まふまふ

……うん

師匠

まあ、お前にはそんなの諸共せずに侵入する技術を身につけてもらうけどな!

まふまふ

……出来たらね。

僕はため息をつく。

今までのやつが修行になるとは 思えないし……

師匠

はははっ、できる出来る!

師匠は僕の背中をばんばんと叩いた。

まふまふ

いたたっ、わかったわかった!!

師匠が''出来る''って言うと、 本当に出来る気がするから不思議だ。

背中を叩く黒い手甲に覆われた手は、大きくて、少し固くて…

師匠の独特の笑い声は、 かさかさしてて、優しくて……

どちらも、とても温かかった。

──五年後──

まふまふside

武士

忍びだ!!捕らえろ!!

遠くから武士の怒号が聞こえる。

僕の前を行く師匠は、 振り返って目を細めて笑う。

師匠

まふまふ、着いてこれるな?

僕は、口角の上がった口元を 隠すように 布を引っ張りあげる。

まふまふ

……勿論。

二人で全速力で駆ける。

武士

あっ!!待て!!!

武士

殺せ!!あいつらを絶対に逃がすなあぁぁ!!!

怒りに満ちた声が響き渡る。

師匠

ふははっ、面白いい〜!

師匠

来れるもんなら来いよ〜!!

まふまふ

ちょっと、何煽ってるんですか…

師匠

はははっ!大丈夫大丈夫!

最近の修行は、 城に忍び込んでわざと見つかるという実践修行に取り組んでいる。

実践修行で気づいたけど、 僕は意外と身体能力が高いようだ。

師匠の身体能力が高すぎて、 全然気づいていなかった。

師匠の今まででの修行 (又は修行という名の師匠のいたずら) によって、僕は着々と 体力と思考力をつけていたみたいだ。

僕が日本一の忍びになるために 超えなきゃいけないのは、 あとは師匠だけだ。

武士の声が遠のく。

どうやら諦めたみたいだ。

僕達は立ち止まって、汗を拭う。

僕は師匠に目を向ける。

師匠

ん?なんだ?

まふまふ

……いや、別に?

まふまふ

いつになったら
師匠を超えられるかなーって

師匠

俺かぁ……

師匠は僕に顔を近づけ、 まじまじと見る。

まふまふ

な、何……?

顔を背けようとすると、 師匠はこちらに手を伸ばす。

まふまふ

痛てっ!

額に痛みが走った。

どうも師匠に 額を指で弾かれたようだ。

師匠

技術的には、あと五年程。

師匠

見た目は……

師匠

俺がいる限り、日本で三番目だな!

師匠はからからと笑い声をあげる。

まふまふ

三番目…?

まふまふ

なんだよ、二番目じゃないの?

師匠

いや、お前といい勝負なんだけどよ。

師匠

この前城下町で見かけたやつが、えらい美人だったんだよな。

師匠

まあ……

師匠

女か男かよく分かんなかったけどな!

師匠がからからと笑う。

まふまふ

な、なんだよそれ…

まふまふ

全然見えてないじゃん!

思わず僕も笑ってしまった。

この人といると、すごく楽しい。

ちょっとおかしくて、 いたずら好きで、 それでも僕に居場所と力をくれる。

……この人が師匠でよかった。

僕は、考えていることを 悟られぬように、へへへっと 子供らしい笑みを浮かべた。

ノンカフェイン

どうもノンカフェインです!

ノンカフェイン

後編の予定でしたが収まらなかったので、中編です!

ノンカフェイン

次はちゃんと後編にします!!

ノンカフェイン

今回は長すぎてしまったので、早めに切り上げましょう!

ノンカフェイン

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!

この作品はいかがでしたか?

205

コメント

15

ユーザー

話を考えられるのマジで尊敬✨

ユーザー

凄い発想力…なんか勉強してる感覚…笑 続き楽しみれ

ユーザー

うっわ好き…。 後編楽しみにしてる!

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