テラーノベル
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楽しかった一泊二日の旅行が終わり、俺たちを乗せた大きな車は、夜の高速道路を静かに走っていた
行きの賑やかさが嘘みたいに、現在の車内はとても静かだ
後ろの席を振り返ると、ゆあんくんも、たっつんも、じゃっぴも、みんな旅行で遊び疲れて気持ちよさそうに眠っている
スースーと規則正しい寝息だけが、暗い車内に優しく響いていた
俺は助手席の後ろの席で、車の窓に頭を預けながら、流れていく街灯の光をじっと見つめていた
どぬく
温泉街でみんなと食べたクレープの味
脱衣所でなお兄と冷や汗をかいたピンチ
そして夜、大部屋でカードゲームをしているのを見てお腹が痛くなるほど笑ったこと
どれも、これまでの人生で一番の、最高の思い出だ
胸の奥がじんわりと温かくなると同時に、少しだけチクッと痛む
あと数ヶ月という俺の未来
だけど、この11人と過ごした最高の思い出があれば、俺は最後まで笑顔のままで頑張れる
そんな気がした
なおきり
不意に隣から、消え入るような小さな声で名前を呼ばれた
見ると、起きていたなお兄が、自分の上着をそっと俺の肩に掛けてくれたところだった
どぬく
なおきり
なお兄はそう言って、いつもの優しい笑顔を浮かべた
でも、その目元が少しだけ赤いことに、俺は気づいていた
昨日の夜、俺が零した小さな呟きのこと
なお兄はまだずっと引きずって、悔やんでくれているんだ
どぬく
どぬく
俺が小声でそう伝えると、なお兄は一瞬だけ驚いたように目を見開いた
それから、涙を堪えるように何度も深く頷いて、俺の冷たくなった手を、大きな両手でぎゅっと包み込んでくれた
なおきり
なおきり
なおきり
なおきり
なお兄の手の温もりがあまりにも心地よくて、俺は安心してゆっくりと目を閉じた
数時間後、車はシェアハウスに到着した
眠い目を擦りながらみんなでリビングに集まり、買ってきたお土産を並べる
「これ、明日みんなで食べようね」なんて言いながら自分の部屋に戻ったあと、俺は机の上に、あるものをそっと飾った
それは、旅行の途中で、なお兄と二人でこっそりお揃いで買った『花形のキーホルダー』だった
どぬく
窓の外の夜空を見上げながら、俺は小さく呟いて微笑んだ
なお兄が隣にいてくれた安心感を胸に、俺たちの隠された日常が、再び静かに始まっていく
#感動
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