その日は鍵を持たずに出たから
ホームチャイムを押して兄に扉を開けてもらった
扉を開けた兄の第一声は
「なんで」
そんな怒ったような、悲しそうな声だった
その場に兄は蹲(うずくま)った
tg.
tg.
体調が悪いのかな、と思い
tg.
と、急かすように言った
兄がそういう言葉を発したので
tg.
と、俺は怒った
すると兄は
そう言って、悲しそうに微笑んだから
tg.
俺は兄を撫でてあげた
その日の家族は何故か暗くて
俺の高校や塾にいっぱい電話してた
tg.
成る可く明るい声で言った
その暗い声は
俺に向けられてると思ったけど
“此処”にいる俺ではないと思った
脳裏に嫌な言葉が浮かぶ
それを肯定したくなくて
手で頭上を振り払う
tg.
tg.
tg.
tg.
tg.
tg.
そう口から言葉が溢れ落ちて
居た堪れず家から出た
コメント
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ちぐちゃんがタヒんじゃったような事実がどんどん伝わってきて…、感動ですし、号泣です…!