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テラーノベル(Teller Novel)

【倉庫】

トウヤ

これだけ広いと、目的の物を探すのも大変そうだな…

広いってことにしてください()

コハネ

あ、大丈夫だよ。
カメラと防犯センサーの場所はわかってるからね。

コハネ

私が取ってくるから、青柳くんはここで待ってていいよ!

トウヤ

あぁ。わかった。

そう言って、小豆沢は倉庫の奥の方へと歩いていった。

トウヤ

少し見て回るか…

トウヤ

ラジコンヘリ…なぜ学校にこんな物が…

この木箱に入っているのは…

トウヤ

これは…鉄球か?
砲丸投げなどに使う物みたいだが…

試しに1つ手に取ってみると、ずっしりと、かなりの重さがあった。

こんな重いものを投げるなんて…砲丸投げの選手は凄いな…

コハネ

…青柳くん?何してるの?

トウヤ

あ、小豆沢。もう終わったのか?

コハネ

うん。これがカメラだよ。
3台もあれば十分かな。

トウヤ

使い捨てカメラ…。これで大丈夫なのか?

コハネ

倉庫にあるカメラがこれだけだったんだ。でも、ちゃんと使えるから大丈夫だよ。

コハネ

それに、フィルムの現像液もこの倉庫にあったから、現像の心配もないよ。

トウヤ

問題ないのならいいんだが…

コハネ

それと、これが防犯センサーだよ。

コハネ

こっちのセンサーが”動き”を感知すると…

コハネ

こっちの受信機が”音”を立てる仕組みになってるんだ。

コハネ

これも、カメラと一緒で3台持っていこう。

トウヤ

だが、防犯センサーまであるとはな。この広さ相応の品揃えだな。

トウヤ

…あ、カメラは俺が鞄に入れておくぞ?

トウヤ

入っているのは…譜面、とタオルだけだからまだスペースはある。

コハネ

じゃあ…お願いしようかな。

俺は、小豆沢から3台の使い捨てカメラを受け取ると──

…そこで、ふと止まってしまった。

トウヤ

………………

本当に…こんなカメラで大丈夫なのか?

そもそも、このカメラで首謀者を捉えて、みんなを納得したとしても…

その後は、どうするのだろうか。

もし、首謀者に開き直られたら、問答無用でエグイサルに襲われてしまうし…

本当に、この計画でみんなを守れるのか?みんなと一緒に、ここから出られるのか?

コハネ

…青柳くん、どうしたの?
神代さんを待たせちゃうよ。

気が付くと、小豆沢はすでに倉庫の扉から出ようとしているところだった。

トウヤ

…す、すまない。

俺は手にした物をまとめて鞄に詰め込むと、慌てて小豆沢の後を追った。

コハネ

じゃあ、神代さんの研究教室に行こっか。中庭にあるプレハブがそうだと思うんだけど…

トウヤ

あぁ…中庭の階段を下りた先にある建物か。あんなに大きいんだな…

トウヤ

俺の研究教室は、普通の教室と同じように並んでいただけなのにな…

コハネ

まぁ…それは今はいいんじゃない?

コンコン…

俺がノックすると、ゆっくりと扉が開いた。

ルイ

あぁ、やっと来たね。
いらっしゃい。

ルイ

じゃあ、さっそくだけどカメラとセンサーをくれるかい?

トウヤ

はい。えっと…これです。

俺は鞄から3台のカメラを取り出すと、それを神代さんに手渡した。

ルイ

使い捨てカメラか…

トウヤ

…神代さんでも、使い捨てカメラの改造は難しいですかね?

ルイ

いや、全然大丈夫だよ。
使い捨てじゃないカメラより、性能は少し劣るかもしれないけど…

コハネ

じゃあ…こっちの防犯センサーも渡しておきますね…!

ルイ

それで、このカメラと防犯センサーを組み合わせて、”自動で撮影するカメラ”を作ればいいんだよね?

コハネ

そうです!でも…1台だけ”防犯センサーの機能を残したまま、それと連動して撮影するカメラ”を作ってほしいんです。

コハネ

つまり、センサーの動きを感知したら、受信機のブザーも鳴って、同時にカメラも撮影される…

コハネ

そういう仕掛けが欲しいんです。

そんな話を聞いた俺は、そっと小豆沢の耳元で小声で尋ねた。

トウヤ

それは…何に使うんだ?

コハネ

あの動く本棚に取り付けておくんだよ。

コハネ

そうすれば、僕らが離れた場所で見張っていても、受信機さえ手元に持っておけば…

コハネ

誰かが本棚を動かした時に受信機のブザーが鳴って、それを教えてくれるでしょ?

コハネ

しかも、そのセンサーと連動したカメラが、本棚を動かした”誰か”を撮影してくれるんだ。

トウヤ

なるほどな。

ルイ

…コソコソしてどうしたんだい?

トウヤ

いや…なんでもないです。

コハネ

今お願いした事も含めて、細かい注文はここに書いておきました。

ルイ

センサーが感知して自動で撮影するカメラが2台と…

ルイ

センサーが感知すると、受信機のブザーが鳴るのと同時にカメラの撮影が行われる仕掛けだね。

ルイ

…それで、いつまでに作ればいいんだい?

コハネ

明日の朝までに…できます…かね?

ルイ

明日の朝だね。わかったよ。

コハネ

ありがとうございます!

ルイ

さっそく、取り掛からせて貰うよ。

トウヤ

お願いします。

そうすると、神代さんはゆっくりとドアを閉めた。

コハネ

これでなんとかなりそうだね。
後は、カメラの改造を待つだけだよ。

トウヤ

………………

コハネ

…青柳くん、どうしたの?

トウヤ

いや…こんな計画が思い付くなんて、小豆沢は本当に凄い探偵だなと思っただけだ。

コハネ

…え?

トウヤ

最初に会った時は…正直、あまり期待していなかった自分がいたのだが…

トウヤ

今は頼りにしているぞ。探偵さん。

コハネ

…う、うん…!

そこで、俺達はいったん別れ、それぞれの個室へと戻る事にした。

キーンコーンカーンコーン

モノカイト

才囚学園放送部からのお知らせだよー。

モノメイコ

午後10時になったわ!
あなた達の最後の”夜時間”かもしれないわよ?

モノメグ

コロシアイなんて残酷だからダメよ〜。最後の夜も頑張ってガマンしてほしいわ〜。

モノレン

うぅぅ…

モノレン

…あっ、いきなり全部わかった!なんかもう全部すごいわかった!

モノレン

あぁ、わかったわかった!
もういいからもう何もかもわかったから!

モノリン

ねぇ…あの、あたしとモノレンが取り合ってたハチミツ…変な物でも入ってたの?…

モノメイコ

多分大丈夫よ。多分。

モノクマーズ

くますみー。

最後の…夜時間…

だが、最後の1日なんかではない。 単にここでの生活が終わるだけだ。

明日の夜…俺はみんなと一緒にここから出る。

トウヤ

そう…約束したからな。
みんなでここから出て友達になる。

トウヤ

………………

キーンコーンカーンコーン

モノクマーズ

おはっくまー。

モノメイコ

才囚学園放送部からのお知らせよ!
朝8時になったわ!

モノカイト

遂にタイムリミットの日だね。
どうなるかドキドキするよ!

モノメグ

大丈夫!コロシアイなんてしない方が地獄でも幸せになれるはずよ〜

モノメイコ

地獄に行く前提なのね。

モノレン

こ■校が■るは▲●で君たちは▲ば●し20人と●て地▲●ら■の▲にやっ●きた人最■の生●りだせ!

モノリン

モノレンがバグってる…☆

モノクマーズ

ばーいくまー。

遂に…タイムリミットの朝を迎えた。

わかってはいたが…やはり一睡もできなかった。

俺は重い体を無理矢理起こして、洗面所へ行った。

顔を洗って…よし、少し目が覚めたぞ。

トウヤ

よし、まずは小豆沢の部屋へ行こう。一緒に首謀者を突き止めるんだ。

濡れた顔を袖で拭いながら、俺は支度をした。

ピンポーン

…………………

…………………

トウヤ

反応がない…どうしたのだろうか。

ピンポーン

…………………

トウヤ

……………

コハネ

…あ、青柳くん。おはよう!

トウヤ

…ふぅ…よかった…。
少し心配してしまった…。

コハネ

あっ…ごめんね…
ちょうど…ちょっとトイレに行ってて。

トウヤ

なるほどな…。
よし、それなら準備はいいな?神代さんに頼んだカメラを受け取りに行かないとな。

コハネ

うん、そうだね。

ホナミ

…あ!2人とも、おはよう。

ホナミ

今日…もうタイムリミットの日だね…。

トウヤ

そうだな…。だが、大丈夫だ。必ずみんなで出てみせるからな。

ホナミ

なんか心強いな…!
私もみんなで生きて帰りたいから頑張るよ!

ホナミ

それにしても…2人とも仲がいいよね。その仲の良さを食堂のみんなにも分けてあげたいな…

トウヤ

…え?何かあったのか?

ホナミ

その…喧嘩してるみたい…。

トウヤ

け、喧嘩?

ホナミ

うん。ちょっと私達じゃどうしようも無くて…外に来てみたんだけど…。

トウヤ

…小豆沢、悪いんだが、神代さんの方は任せてもいいだろうか。
さすがに放っておけない。

コハネ

…わかったよ。
じゃあ、カメラは私が受け取っておくから…

コハネ

後で”地下への階段の横にある教室(教室A)”で合流しようか。

トウヤ

あぁ。わかった。

トウヤ

望月さん、食堂だったよな?
一緒に来てくれるか?

ホナミ

一緒に止めに来てくれるんだね…!ありがとう。

だが…喧嘩か…誰と誰が? どうしてしているのだろうか。

【食堂】

アイリ

あ!冬弥くん…!
ちょうどいいところに来てくれたわ!

アイリ

宵崎さんが急におかしな事を言い出しちゃって…

カナデ

おかしいかな?
提案をしてるだけだよ。

カナデ

…少しでも多くの人に生き残ってもらうために。

トウヤ

それは…どういう意味だ?

カナデ

このままタイムリミットになったら、わたし達は全滅なんだよ?

カナデ

それを避けるためには、もうコロシアイをするしかないはずだよ。

トウヤ

…え?…ちょ、ちょっと待て。

カナデ

…わたしを殺せばいい。

トウヤ

は?…よ、宵崎さん?
何を言っているんだ?

カナデ

わたしの命を譲ってあげるよ。

カナデ

わたしは…生きて帰る必要なんてないから。

カナデ

だから、みんなが生きて帰りたいなら、わたしが犠牲になるよ。

トウヤ

そ、そんな事をしてはいけないぞ。みんなでここから出ると約束しただろう?

カナデ

わたしもそうなればいいと思ってたよ。だから、今までずっと待ってたんだ。

カナデ

けど、状況は変わってない。
こうやって、タイムリミットを迎えようとしてる。

カナデ

もう…理想論を振りかざしてる余裕は…無いんじゃないかな。

トウヤ

ち、違う…理想論とかそういう事ではなくて───

カナデ

…これが現状ベストの選択なんだよ。

カナデ

わたしを殺した人は初回特典で無条件に外に出られる。それ以外の人もタイムリミットを乗り切れる…

カナデ

後は、初回特典で外に出た人が助けを呼んで、残った人達はその助けを待てばいい。

カナデ

どう?他に何かある?

トウヤ

あ、いや…それは…

トウヤ

………………

宵崎さんを止めるには、小豆沢の計画を言うしかない…どうすればいいんだ?…

と、言葉に詰まっていたその時。

ルイ

おや、なんだか空気がよくないみたいだね。

トウヤ

か、神代さん?

ルイ

あぁ。あの件なら早々と済ませてきたよ。小豆沢くんが待っているだろうから、早めに行った方がいいよ。

マフユ

…あの件?

トウヤ

あっ、いや…それは気にしないでください…。

ルイ

それより、どうしたんだい?
何かあったのかい?

トウヤ

あ、えっとですね…

神代さんにさっきあった事を全て話した。

カナデ

だって、そうするしかないし…。

ルイ

……その必要は無いよ。

カナデ

…えっ?

ルイ

宵崎くんがそんな事をしなくても、僕がこのゲームを終わらせるからね。

ルイ

もう…覚悟を決めたよ。

トウヤ

このゲームを…終わらせる?急に…どうしたんですか?…

ルイ

このゲームにおける本当の勝利は、コロシアイで他のみんなを出し抜く事ではなく…

ルイ

このゲーム自体を終わらせる事だよ。

マフユ

それが…あなたにできるの?

ルイ

できなきゃ言わないさ。

エナ

けど、どうやって終わらせるって言うの?タイムリミットは今晩だっていうのに。

ルイ

それは言えないね。
というか、言えたら苦労しないよ。

カナデ

…どういう意味?

ルイ

今言った通りだよ。
僕がこのゲームを終わらせるんだよ。

ルイ

…余計な真似はしないでほしいね。

カナデ

余計な真似って言った?

カナデ

そこまで言われるなんて…
正直びっくりだよ。

カナデ

でも…わかった。
だったら、わたしからの提案は引き下げるよ。

カナデ

生きるのも死ぬのも…あなた達次第だよ。

そう言い残して、宵崎さんは食堂から出ていった。

ルイ

まったく…困ったものだね。
宵崎さんにはこれで落ち着いてもらえるといいんだけどね。

トウヤ

あ、あの…神代さん。
さっきの話は本当なんですか?このゲームを終わらせる方法があるなんて…

ルイ

あぁ、どうだろうね。

トウヤ

…え?

ルイ

まぁ、方法があったとしても今はまだ言えないよ。邪魔をされたらいけないからね。

ホナミ

嘘、ではない…ように感じるけど…

ルイ

おっと、心理カウンセラー相手じゃ見抜かれそうだね。まぁ、期待に応えられるように頑張るよ。

ルイ

というか…頑張るしかないんだけどね。

そんな意味深な言葉を残して、神代さんも俺達の前から去っていった。

ホナミ

このゲームを終わらせるなんて…本当にそんな事ができるのかな?

マフユ

その場しのぎの言葉だと思うよ。宵崎さんを止める為に言っただけだよ。

マフユ

だって、このゲームを終わらせるなんて…ね?

アイリ

ま、まだわからないわよ…!
もしかしたら、神代くんの案がものすごくいい案かもしれないじゃない!

神代さんの計画…気になるが、残り時間も少ないし、振り回されてても仕方がない。

…俺にはやることがあるしな。

そうだ…わからない事を気にしている場合ではなく、俺には俺のできることをやるべきだ。

そうしないと…みんなを守れないしな。

そうと決まれば…小豆沢と合流しよう。地下への階段近くの教室だよな。

ダンガンロンパV3×プロセカ【CHAPTER 1】

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コメント

1

ユーザー

お待ちしてました!次も楽しみです!

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