白紙に声を響かせて

1人、部屋でブツブツ呟く

時間がないと思うと落ち着けなかった

だって

kr がじさつしようととするから…

余計なことしないでくれたら 少しは楽だったのに

手間が増えたよ

まぁ

何もかもknのせいだけど

knがみんなを 死 に追いやるから

生きてここを出て

"今" を知る

それが過去を無駄にしてしまった俺に できること

広い世界を見たいんだ

もう一度幸せを思い出したいんだ

忘れてしまった温かな幸せを

先程から何故か怯えているkrに尋ねてみる

nk は昔から物事に没頭しすぎる癖がある

考え込んで

自分だけの世界に入って

声が届かなくなる

引きつった笑顔

口元と目元がぴくぴくしている

大きく開かれた瞳から涙が溢れ出す

krが口を開けて通常より速く呼吸をする

反応してくれない

俺は立ち上がってkrの耳を強く掴む

弱々しい声

くだらない言い訳でもするのかと思った

だけど

krは信じられないことを言い放った

予想外なことに困惑しているkn

初めて本音を伝えられた気がする

少し

すっきりした

滑稽に見えた

いつも自分を苦しめていた相手が

悲しそうにしている

…悲しそうに？

なんで？

いつもみたいに怒鳴らないの？

knからすれば仲良しだったのだろうが

俺は人生を縛られてるとしか 考えていなかった

あぁ

これ

知ってる

何度も見てきた光景

ころさないの？

今更

彼の心の底に秘められた優しさを知っても

情を感じてしまっても

『嫌い』をどうしようもできない

長い月日を経て

嫌悪感に満ちてしまった

もっと早く真実に辿り着けていたら

仲間を救えて

俺自身を救えて

knを救えたのだろう

不可能な話だけど。

さよなら

醜い世界