ラストゲーム

ーーー解せないわ

どうして20歳の貴重な週末の夜、私は柳と2人でこんな所にいるんだろう

思えば初対面の時から柳は変な奴だった

転入して、いきなり因縁をつけられたのは驚いた。

私が何か気に障ることをしたのかもしれないが(対人関係が不得手な自覚はある)、それにしても初めての経験だった

その後も卒業までなんだかんだとケンカを売られ続けた。 余程、私の事が嫌いなんだろうと思ったが、正直ちょっと、うっとうしかった

中学時代は平和だった。

女の子にやたら騒がれていた生徒がどうやら柳だったそうだが(そういえば同じ中学だった)、ちょっと理解しがたかった( ˙-˙ )

そういえば原因不明のたんこぶができていたことがあったけど、あれは何だったんだろう。謎だ [真相:図書館での頭突き]

それにしても、高校・大学まで一緒になるとは思わなかった。 偶然というのはすごい

そしてなぜか、ちょくちょく呼び出されては、食事に付き合わされたりしている現状も謎だ

でも、何だかんだ母さんが入院した時、面倒みてくれたり… いい奴ではあるんだろうな、と思う

ーーー相変わらず、変な奴

そう、私の目標はただ1つ

お母さんに楽させてあげることなのだ

ーーー同じゼミの藤本さん

最近まで、あんまり話したことはなかったのだが

先日…

ーーー以来、何かと声をかけてくれる、かわいくて明るくて、いい人なのだ

タタッ…

ぶにっ(頬つねり)

タタッ…

ガシッ

そういえば、お世話になったお礼に伺った柳の家は確かにすごかった

そして…

…謎の歓迎をうけた

そうかあ、何ていうか 柳は柳だとしか思ったことがなかったなぁ

ーーーあの日以来、それまでは時折送られてきていたよく分からないメールも、意味不明な理由による呼び出しもぱったり無くなった

元々、授業はほとんどかぶっていないので、大学で接する機会も無いようなものだ

小学校時代から続いてきた、柳とのよく分からない腐れ縁は

こんなにも簡単に終わってしまうものだったのだ

そうだよ、柳がいないから何だっていうの。 今まで一人でやってきたんだもの。

そんなことより、もっと勉強して働いて

私はお母さんの力になるんだから

ーーーなのにどうして

こんな気持ちになるんだろう

ボキッ(シャーペン)

ーーーどうして

どうして そんなことを 今 言うの

ーーー考えてみたら、私には何にもなかったんだなあ

子供の頃からずっと、お母さんに楽させてあげることしか考えてこなくて、昔からの友達って言えるのも柳くらいで

その柳とも、向こうから声をかけてきてくれたから、成り立っていた関係だったんだ

私はいつの間に それを当たり前だと思うようになってたんだろう

ーーー私はいつだって

柳に助けられて いたのに

ーーーそうだよ、本当はずっと分かってた。 柳が優しいことなんて、私が一番

タタッ…

ーーー連絡がとれないからって何なの、これで終わりにしていいの

ーーー違うでしょ。 私が 会いに行かなきゃ

ーーー私が、柳に会いたいの

ーーーああ、私

柳のことが……

先日…

↑ 身悶えするほど 恥ずかしい思い出。

…そういえば柳の会社について熱く語っていたような…

ーーーラストゲームの勝敗は どちらに軍配があがるでしょう？

続く…