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目が覚めたら犬になっていた

第8話 - 目が覚めたら犬になっていた（終）

2021年04月13日

#柴犬

#記憶喪失

#ファンタジー

#もう一つの物語

#一次創作

マカロン

俺

（…で、目が覚めたら犬になっていたってことか…。）

俺

（つまり、俺と夜桜が入れ替わったってことだよな。）

俺

（ミユキは…山田だよな。）

俺

（そういえば名前変えたって言ってたもんな。）

俺

（…ん？じゃあ、美雪が今日来ないって事は、美雪に何かあったって事か…？）

俺

（…！昨日、夏なのに長袖を着ていたのも…！）

俺

（早く行かなくちゃ！！）

俺

（でも、犬のままじゃまともに戦えないしな…。）

俺

（…ん？）

男（夜桜）が俺に気づいたらしく、こちらへ走り寄って来た。

俺

（お、おい！そのスピードでいくと…）

俺

（うわあ！！）

ドンッ！！

俺と男（夜桜）は勢いよくぶつかった…。

俺

いてて…

俺

あれ？声が出る！

俺

ってことはもしや…

夜桜

ワンッ！

俺

戻ったー！！

俺はあまりの嬉しさに、手を握ったり、声を出したりした。

俺

やったー！！

俺

イェーイ！！

夜桜

…

俺

って、こんな事してる場合じゃないんだった！

俺

行くぞ夜桜！！

夜桜

ワン！

俺

美雪！大丈夫か！！

俺が勢いよく扉を開けるとそこには、青ざめた美雪と、包丁を持った男がいた。

美雪

あ…犬峰、君…。

美雪の彼氏

あ！お前この前の！

美雪の彼氏

まだ生きてたのかよ！！

俺

おい、美雪に何をするつもりだ…？

美雪の彼氏

へ、へへ…。美雪が他の男と話すからよ…

美雪の彼氏

美雪を取られるくらいなら一緒に死んで、天国で結ばれようと思ったんだ…。

俺

…美雪は賛成しているのか？

美雪の彼氏

ああ。もちろんだ。

美雪の彼氏

なあ？美雪？

美雪

…

美雪は怯えた表情のまま固まっている。

美雪の彼氏

…何で返事しねぇんだよ！

美雪の彼氏

くそ、くそぉ！！

美雪の彼氏は叫びながら美雪に包丁を振り下ろした。

美雪

いやあああ！！

俺

おりゃあああ！！！

俺は咄嗟に男にタックルをした。

美雪の彼氏

ぐわあああ！！

俺

夜桜！今だ！

夜桜

ワンッ！！

ガブッ！！

夜桜は今までで一番強く（たぶん）男の腕に噛み付いた。

美雪の彼氏

いてーー！！！！

美雪の彼氏

うう、何で…

美雪の彼氏

俺は美雪を愛しているだけなのに…

俺

…

俺

（歪んだ愛…）

男はその後、俺たちが呼んだ警察によって捕まった。

美雪

ありがとう、犬峰君。

美雪

…また、助けてもらっちゃったね。

俺

気にすんな。

俺

言ったろ？

俺

俺はお前の味方だって！

美雪

ふふ、そうね。

俺

あ！それより！

俺

お前、腕見せてみろ。

美雪

え？ちょっ…

俺は美雪の服の袖をまくった。

俺

やっぱり…

美雪の腕には大量のあざがあった。

俺

…これ、袖で隠してたんだろ。

美雪

うん…。

美雪

あの人、怒るとすぐ手を上げてしまうの…

俺

何でそんな奴と…

美雪

私のことを愛してくれていたから…

美雪

私を傷つけた後は、すごく優しいのよ。

美雪

他の男と話すなっていうのも、

美雪

人よりちょっと捕縛意識が強いだけかなって…。

美雪

でも、こんな事になるのなら、もっと早く別れておくべきだったわね…。

俺

そうだな…

美雪

私、何も変わってなかったのかもしれない。

美雪

家族とは離れられたけど、

美雪

結局、私は縛られることを望んでいたのかもしれない。

俺

…

美雪

でも、これで懲りたわ。

美雪

私、今度こそ変わる！

美雪はそう言って、弾けるような笑みを見せた。

俺

美雪…！

美雪

あと、一個気になることがあるんだけど…

俺

ん？なんだ？

美雪

犬峰君、私のこと名前で…

俺

あっ…！

俺

（しまった！犬になってた時の癖で…）

俺

い、嫌か？

俺

嫌だったらまた…

美雪

ううん、嫌じゃないわ。

美雪

むしろ…

美雪

…やっぱやめた！

俺

な、なんだよっ！

俺

ちゃんと言えよ！

美雪

ふふっ。

美雪

ひーみーつ！

俺

(´･ε･｀)ﾑｰ

俺

…でも良かった。

美雪

え？

俺

また笑ってくれて。

美雪

…！

美雪

…ねえ、犬峰君。

美雪

私も…名前で呼んで良い？

俺

…！！

俺

お、おお前が良ければ…。

美雪

うん。じゃあ、涼太。

俺

おう…

美雪

これから、思い出話でもしない？

俺

ははっ。いいぜ！しようしよう！

晴れ渡った空の下、笑い合う2人。

俺

…で、あれは凄かったよな！

俺

ほら、お前が親父さんの股間蹴り上げた時！

俺

お前、どんだけストレス溜まってたんだよw

美雪

もう、いいってその話は！

これからも何が起こるか分からない。

だが…

俺

美雪。

俺

俺は何があってもお前を…

美雪

待った！！

俺

！？

美雪

もうそのセリフ何回も聞いたし、

美雪

私も守られっぱなしは嫌。

美雪

変わるって決めたもの。

俺

え、じゃあ…

美雪

うん。何かあったらお互い助け合うって事で。

美雪

私に何かがあったら、そりゃあ助けてもらうかもしれないけど…

美雪

涼太が困った時は、私が助けてあげる！あの時みたいに！

美雪はイタズラっぽく笑った。

俺

美雪…！

俺

あの時って、お前が親父さんの…

美雪

言わなくていいから！！！

オレンジ色に染まる景色に伸びる、3つの影。

夜桜がその影を嬉しそうに踏みながら、元気に鳴いた。

夜桜

ワンッ！

〜完〜

Thank you for reading!!!

この作品はいかがでしたか？

1件

凄くいい作品でした...！感動です🥺

マカロン

プロフィール

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