直和
直和
久しぶり。
母さん
あら、
母さん
珍しい。
母さん
何かあったの?
直和
直和
いや、母の日だなって
直和
思って。
母さん
いや、
母さん
アンタが母の日を祝ってくれたことないじゃない。
母さん
何を改まって。
直和
母さん
無理に祝おうとしなくていいのよ。
母さん
アンタが無事に日々過ごしてるなら。
母さん
それだけで満足なんだから。
母さん
アンタ、小学校の母の日のプレゼントにさえ
母さん
私の愚痴を書いてたのに、
母さん
今更何かしてもらおうなんて思うわけないでしょ?
直和
あぁ、
直和
読めない名前を付けたママなんてって奴?
母さん
そうそう!
母さん
実際に名前を付けたのはお義母さんだけどね!
直和
そんなこと知らなかったし。
母さん
良いのよ。
母さん
アレはアレで面白い思い出だから。
直和
今でもばあちゃんを恨みたくなるときあるもん笑
母さん
どうして?
直和
誰も読めないからだよ。
直和
直和って書いて、すなおって笑
母さん
あら、
母さん
私は素敵な名前だと思ったけど。
直和
直和
今は、俺も思ってる。
母さん
そう。
母さん
なら良かったじゃない。
母さん
まぁ、元気そうで安心したわ。
直和
直和
母さん。
母さん
何?
直和
産んでくれて、
直和
育ててくれてありがとう。
母さん
直和
俺、
直和
子育てがこんなに大変だなんて思わなかったから
直和
今になって、凄い母さんに迷惑かけてきたんだなーって痛感した。
直和
だから、
直和
こんな歳になって遅いかも知れないけど、
直和
ありがとうって言いたかったんだ。
直和
ましてや、
直和
俺が産まれる前に父さんが死んで、
直和
ばあちゃんと2人でではあっただろうけど、
直和
俺みたいな奴を育てるのは大変だったと思う。
直和
だから、俺の嫁さんには、なるべく協力してあげようと思って。
直和
母さんに恩返しが出来なかった分、罪滅ぼし的な?
母さん
母さん
正直、良い子に育ってるのか分からなかったけど、
母さん
私の子育ては間違ってなかったみたいね。
直和
うん。
母さん
しっかり、育ててあげなさいよ。
直和
頑張るよ。
母さん
今日はなんだか良い日になりそうだわ。
母さん
連絡ありがとうね。
直和
俺の方こそ。
直和
また、お盆になったらそっちに帰るよ。
母さん
はいはい。
母さん
楽しみにしてるわね。