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ふたつの主役第2章～裏と表が交わる場～

第14話 - 神を嫌う者

2024年02月22日

#我々だ

#ファンタジー

#オリキャラ注意

#ご本人様には関係ありません

#ゲーム実況者

＊本性の間＊

エメラルド

へぇ〜出来るようになったんだ。玄武

エメラルドがいる本性の間

常に人の精神と行動は同様に動く

それらを掌握しているエメラルドは掌握アビリティーでも最強格だろう

そのエメラルドの横を陣取り、水晶を一緒に眺めている鬼神の姿もあった

鬼神

旧式の最高火力だった奴だよな？これ

エメラルド

そうそう！えっと......なんだっけ？

鬼神

「ホーエバーレイングングニル」だろ？

鬼神

櫻の国の言葉で「永遠に降り注ぐ運命の槍」

鬼神

奏者の武器【ワージング・タクストップ】を介して出来るように改良したんだな

エメラルド

この技、閻魔を相手に初めて使った技だったんだよねぇ〜

エメラルド

ま、防がれたけどさ

鬼神

俺、チートだと思うんだ。閻魔のアビリティー

エメラルド

それでも、鬼神と同じ司るアビリティーだよ

鬼神

そうだな.......なぁ

エメラルド

うん？どうしたの？

鬼神

なんで、エメラルドはこの組織に入ったんだ？

エメラルド

いきなり何？知らないのは無理ないけどさ

鬼神

この機会だと思ってな

鬼神

三強がこの国に、幹部に執着する理由を知る権利は俺たちにもあると思っている

エメラルド

.....まだ、ダメかな

エメラルドはそう言って、視線を水晶に向けてしまった

鬼神

そうか

鬼神

なら、エメラルドはいつから「神様」をなんで信じなくなったんだ？

鬼神が尋ねると、エメラルドは水晶に映っていた映像を止め、目を見開き鬼神を見た

普段、少ししか見えない深緑の瞳が鬼神を貫く

鬼神

エメラルド

1つ聞くけど、鬼神は神を信じるの？

エメラルド

名に入っているからとかは無しね？

そう問うエメラルドの声は、優しくてそれでも何処か圧のある声だった

鬼神

えっと.....

エメラルド

弱い人間は存在しない空想の生物に救いを求める。バカだと思わない？存在しないのに

ハイライトのない瞳を鬼神に向ける

口は笑っているのに、瞳は笑っていない

少しの奇跡も諦めた死んだ目をしていた

エメラルド

神は無慈悲だ

エメラルド

願っても、願っても、救いもないし、救われもしない

エメラルド

所詮、実力と外見そして権力なんだよ。世の中

鬼神

そんな事！

エメラルド

ないって言いきれるの？鬼神だって、散々言われてここに来たんじゃん

エメラルド

鬼神のアビリティーは神に願って得た力だったの？違うでしょう？

エメラルド

女だって、カッコよくて力の強い男を狙う。それと同じだよ

エメラルド

鬼神の【師範】だって、願った事が叶っていたらあんな事にはなってない

エメラルドは自身の椅子に身を預ける

無気力のはずなのに.....より強い圧が鬼神に襲いかかる

鬼神

そ、それは

エメラルド

僕は何回も願ったさ

エメラルド

嫌な事があっても、良いことがあっても祈りを神に捧げてた

エメラルド

それでも、無駄だった

エメラルド

祈りを続けて努力しても、高い壁は一生越えられない

エメラルド

そう、思わされたんだ

エメラルド

その頃だ。僕は神を信じるのを辞めた

エメラルド

父さんや母さんに散々怒られたよw

エメラルド

『神様は神秘的な存在だから、信じて損は無い』とか『この家に生まれて、そんな事が許されるか！』とか

エメラルド

他は......【お前は神の子なんだから】とかね

エメラルド

僕の家、聖職者の家系でね？信者もいっぱい居たんだ。まぁ、偶像崇拝してるクズ共ばかりなんだけどw

死んだように、乾いた笑みを零すエメラルド

やはり、【禁句】を簡単に出すものでは無い

鬼神

聖職者って、国から補助金が出るよな？特に、フェニジオル国だと、神の代弁者として逮捕されないとか、何かあったら国民より優先的に助けてくれるとかの..........制度がある

鬼神

その神の代弁者に子供が生まれて、『特別な力』があるのなら.....

エメラルド

一生涯、国が神の子に尽くす

エメラルド

そんな、馬鹿らしい制度だよ

エメラルド

なんで、空想でしかない生物に、国や親の判断で子供が怪しい存在に従わないとイケナイんだよ

エメラルド

【あの時】も、願っても意味はなかった

エメラルド

神なんか.......大嫌いだ

鬼神

スマン.....無神経過ぎた

エメラルド

いいよ、別に

エメラルド

僕もごめんね？信仰なんか、人それぞれなのに

鬼神

良い、俺が悪いから

鬼神

俺、自分の間に帰るわ

エメラルド

うん。今回もよろしくね【後輩】君

鬼神

はは、懐かしいな、その言い方

鬼神

急にどうした？【先輩】？

エメラルド

言いたくなっただけw。それじゃ

鬼神

おう

鬼神は本性の間を出て行った

本性の間に残ったエメラルドは、自身の部屋はにある古そうな木製の十字架を手に持った

エメラルド

本当に......馬鹿だな

エメラルド

未だに忌み嫌う神に縋っているなんて.....

エメラルド

でも、僕はこれ以上神を信じない

エメラルド

だって、今は【兄さん】より上なんだから

そう言ったエメラルドは手で木製の十字架を破壊した

彼の顔は狂気に染まっていたと言う

彼をここまで狂わせるきっかけはいつ何処だったかは、彼しか分からない

しかし、彼らはこの国に執着するのだろうか

ふたつの主役第2章～裏と表が交わる場～

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