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カチッ…カチッ…カチッ…
るぅとくんはあのまま搬送され手術室へ連れていかれた
僕は時計の音だけが鳴り響く待機室にてるぅとくんの治療が終わるのを待った
ドラマだと手術室の前でランプを見つめ待っているのが定番だが あれはドラマ上の演出だったらしい
僕は無機質な真っ白い部屋で何を考える訳でもなくただ座っていた
自分が外へ出てしまった事への後悔
るぅとくんの病気に対する配慮の無さへの怒り
るぅとくんの容体への心配
様々な感情が入り乱れたせいで もう涙も出なくなっていた
2時間…いや3時間以上の治療の末 るぅとくんはいつもの病室ではなく
ICUへ移された
ICUとは 集中治療室のこと
極めて危険な状態であること
意識が戻るのには時間がかかること
この2つを告げられた
ベッドに横たわる君には 今までとは比にならないくらいの 大量のチューブが繋がっていた
休む間もなく看護師が薬を投与したり、様子を見にきたりしていた
この時僕は人の死に対する強い恐怖を覚えた
何度声をかけても
手を握っても
目を覚ましてはくれなかった
いっそこのまま死んでしまうのではないかと思った
こんなにもるぅとくんを心配しているのに…
意識不明の状態は変わらない
当たり前ではあるが人の気持ちだけで命は救えないのだと思い知らされた
気づけば朝になっていた
とても学校へ行く気も起きなかったので今日は学校を休んだ
朝食の時間になって莉犬くんが来た
莉犬
莉犬
ころん
気を遣ってくれているのだろう とても明るく話しかけてくれた
けれど期待通りの返事が出来る余裕は無かった
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
思わず笑みが溢れる
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
必死に元気づけようとしてくれる莉犬くんに愛想笑いすら出来なかった
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
すべてお見通しだったようだ
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
暗い顔しか出来ない僕に沢山莉犬くんは話しかけてくれ 僕にも笑顔が戻ってきた
莉犬
ころん
ころん
莉犬
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
震える声と手
莉犬くんも辛かったのだろう…
医者は人の命を救う仕事だけど
時には命を奪ってしまう事もある
正直言って怖いだろう
家族となれば恐怖は増す
僕は黙って話を聞き続けた
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
少しうつろな目で頭を掻く
何かを思い出したかのようにハッとしてまた喋り始めた
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
まるで僕の心を読んでいるかのような発言をして動揺してしまう
莉犬
莉犬
莉犬
ころん
莉犬
莉犬
莉犬くんが帰ってるぅとくんと2人きりになった
返事は返ってこないけど
僕に出来る精一杯の言葉を投げかけた
僕の声は君に聞こえてるかな?