リア side
in 自室
リア
リア
リア
10秒数えられ始めた時 何故かあそこにいたら見ちゃいけない ものが見えそうな予感がして 帰ってきてしまったのだ
リア
リア
息などを整え直すために自室を出て 庭に向かって歩き出す
リア
夜風を浴びていると 近くでブォンッと風を切る音がする
...なんかデジャブを感じる
音を頼りに近づいてみると ───ハナマルがいた
ハナマル
どうやら素振りをしているらしい
私はいつもは見ない 真剣なハナマルの顔が好きだった
というか 優しいとこ 悪戯好きなとこ 面倒見がいいとこ でも面倒くさがり屋なとこ かっこいいとこ
全てひっくるめて、彼が好きだった
すっかり見とれていると 下から声がした
猫
リア
いつの間にか足元に グルルルと喉を鳴らす黒猫がいた
ムーは黒猫だけど言葉を発することができるから普通の黒猫は見てて新鮮な気持ちだった
リア
猫
手を差し伸べてみると手の甲に 頭をグリグリと押し付け「撫でろ」と言わんばかりに見つめてきた
どうやらとても人懐っこい猫らしい
リア
ハナマルがいつも撫でてくれる みたいに撫でてみるとゴロゴロと すごく喉を鳴らしていた
そういえば...最近 撫でてもらってないな...
リア
...頭がムズムズする
そう考えていると 不意にポンっと頭に何かが乗せられた
リア
ハナマル
リア
顔を上げるとニヤニヤとした顔の ハナマルが私の顔を覗き込んでいた
久しぶりに感じる人の温かさ
まぁ...久しぶりなのかも 分からないけど...
どうやら黒猫を撫でている手の もう片方を自分の頭の上に無意識に 置いていたらしい
そのせいで私の手と ハナマルの手が重なっている
重なっているというか...握られている
リア
ハナマル
リア
ハナマル
さっきのニヤニヤとした顔とは違い 少し悲しそうな顔でそう言われた
そんな顔で言われたら... 嘘でも「いや」って言えないよ...
リア
そう言うとハナマルは 安心したように笑う
ハナマル
...めっちゃ気まずい
どうしよ...これ...
ハナマル
リア
ハナマル
リア
ハナマル
あ...やっぱり、意味知ってたんだ
リア
ハナマル
あれ...なんか思ってた反応と違う?
リア
こくりと思わず頷いてしまった
ハナマル
沈黙が続く...そして
ハナマル
大きく、大きくハナマルが息を吐いた
その吐かれた息の音で 私の肩がビクッと反応する
やっぱり...聞きたくないよ...
そう思って震えていると
ハナマル
リア
突然腕を引かれ ハナマルに抱きとめられた
リア
ハナマル
ハナマル
リア
さすがに予想外過ぎた言葉だった
ハナマル
あぁ...もぉ...顔が熱い...
ハナマル
リア
1つ深呼吸をすると 真っ赤な目で私を見つめてくる
その視線は真っ直ぐで 目が逸らせないほどだった
ハナマル
ハナマル
リア
彼は...ハナマルは... お付き合いから始めるどころか そんなもん吹っ飛ばして プロポーズをしてきたのだ
ずーっと恋心を隠してきて 今やっと付き合うことができると 思ったら...まさかの...だ
でも、私の選択肢に 「いいえ」などは無い
───はい
そして今宵満月の下で 男は女にキスをした
コメント
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語彙力なんて物はないので分かりやすく一言で感想言いますね? 神