俺は一足先に体育館へ向かった。
今は丁度お昼時なので ここには他に誰もいない。
しんとした体育館。 午前中のお祭り騒ぎのような喧騒 はなく履いている靴と床が 擦れる音だけが響く。
お昼時間が終わるまであと30分ほど。 それまで練習しよう。
ゆあん
手に馴染んだバスケットボールを 持ちながらそう考える。 俺も昔中学高校とバスケ部だった時に 部活がない日や放課後などにはよく 1人で残って練習していた。
今も顧問としてバスケ部自体に 関わってはいるがやっぱり昔に戻って 選手としてやってみると 懐かしく感じるものがある。
久しぶりの本気のバスケ やるからには全力で。 ということで 俺も中々に気合いが入っている。 …頑張ろう。
軽くアップをしてから、練習を始めた。
ゆあん
なおきり
ゆあん
練習を開始してから 15分ほどたったくらいの頃。
なお兄が体育館へと来た。 今日の試合にはなお兄も出場する。 こう見えてなお兄もバスケ部だったし めちゃめちゃ上手いからね。
今日は同じチームとして 戦うことになっている。
なおきり
ゆあん
なおきり
なお兄とバスケを一緒にするのは いつぶりだろう。 中学時代必死で一緒にやっていた仲間と やるとなるとやっぱ懐かしいものが 込み上げてくる。 いいなぁ、この部活みたいな雰囲気。
なお兄と練習しているうちに気付けば もう30分が経とうとしていた。 もう少しでぞろぞろと生徒たちが 体育館とやってくるだろう。
ゆあん
ゆあん
なおきり
俺達の出番は最後の方なので 誓くは審判として参加する。
一旦気持ちを切り替えて大きく 盛り上がるであろう球技大会に 胸を馳せながら試合などの 準備を進めていった。
生徒
生徒
球技大会が開催され体育館は再び 賑やかさを取り戻したようだ。 球技を使う様々な競技が 行われる予定で この場は既に大盛り上がり。
本気のバレー対決だったり 男女で差が出るドッジボールなど。 見ているだけでも凄く興味を引かれる。 なんだろうつい応援をしたく なってしまうような感じ。
みんな全力で楽しんで 取り組んでいてなによりだ。
そんな感じで順調に進んで、 いよいよ俺たちが出る枠となった。
ゆあん
なおきり
なお兄と一緒に試合に出る用意を し終えたところで。
じゃぱぱ
ゆあん
縁龍がきた。 よく来るな、こいつ笑
体育祭同様ちょこちょこ助っ人で 試合に出されていた縁龍。 そんな縁龍が俺を見つけて 笑顔でよってきた。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
忘れかけていたが今回は縁龍の入部も かかった大事な試合。 変にプレッシャーがかかって 大きな大会に出ているかのような 気分になっている。
バスケチームのユニフォームを 来たところで先生チーム参加の 特別試合が始まる。
試合は10分間。 本来の大会ではもっと多いのだろうが 球技大会なのでこのくらいの 時間で回していくことになっている。
相手チームと挨拶を交わし、 審判によりボールが上げられた所で 開始のブザーが鳴った。
試合前半戦。 今は13対7で優勢だ。
開始早々からスリーポイントシュートが 光って流れを掴んだ。 そこからもチーム同士の華麗な連携で 得点を増やしていく。
チームで1番信頼出来るのがなお兄。 なお兄とは学生時代に練習や試合を 多く共にしてきたので 連携が取りやすい。 ボールを受け取って欲しい位置に 瞬時に動いてくれる。流石なお兄だ。
ゆあん
なお兄にボールをパスしなお兄が そのままシュートを決めたところで 前半戦が終了した。
ここで3分間の休憩が入る。
なおきり
ゆあん
なおきり
ゆあん
ゆあん
なおきり
後半までは気は抜けない。 水分補給をして気合いを入れ直した。
そんな一方観客席。
生徒
1年生
1年生
1年生
2年3組クラスメイト
クラスメイト
どぬく
とまあこんな感じで 大盛り上がりでした。
休憩を終え、迎えた後半戦。
相手チームのボールで始まり、 そのまま激戦が始まった。
ここから相手チームの追い上げが凄く 連続して得点を奪われる。
今は17対18だ。 とてもいい試合。
だがここで負ける訳にはいかないし、 俺も全力で戦わなければ。
相手に掴まれているペースを 奪還すべくここから逆襲が始まる。
なお兄からのパスを受けて そのままディフェンスの2人を抜いて シュートを決める。
なお兄が相手のシュートの リバウンドをとってそのまま回ってきた ボールでスリーポイント。
ゴール下での攻防ではフェイントを 駆使してなお兄にパス、 そのままシュート。
確実に流れを掴みそこからは 怒涛の追い上げだった。 やはりなお兄との連携が光る。
観客席は大盛り上がり。 やっぱりいいなぁ、この感じ。
先生
終了を知らせるブザーが鳴り響き そこで試合終了。
最終的に大きく差をつけて 見事勝利した。
久しぶりのここまでの運動のせいで 息切れがすごい。 やっぱ定期的に運動はしないとだな。 そんなことを思いながらも 試合を終え休憩席に入った。
ゆあん
なおきり
ゆあん
なおきり
ゆあん
なんて傍から見たから気持ち悪い であろう褒め合いを していたところに試合を見ていた 多くの生徒がやってきた。
るな
2年3組クラスメイト
なおきり
クラスメイト
ゆあん
たっつん
ヒロ
ゆあん
周りの人が多くて気付かなかったが 縁龍がいない。どこ行ったんだ?
たっつん
ゆあん
ゆあん
たっつんが指さした観客席の方へ 見てみると縁龍が席に座ったまま 固まっていた。
ゆあん
たっつん
たっつん
ゆあん
そんなこんなで無事全種目が終わり 大きく盛り上がった一日を終えた。
ゆあん
家に帰り脱力してソファに もたれ掛かりながらも一日を振り返る。
体育祭は無事に終了し 2年3組は総合優勝も果たした。 バスケも勝てたし… 活躍出来て良かった。 …てか普通に明日筋肉痛なりそう笑
だけど最高な一日だった、 青春ってまさに こういうことだろうなー 大人になっても青春を味わえる …教師っていい仕事だな。
ゆあん
そんなことを思いながらも 俺はもうひとつの重要なことを 考えていた。
それは縁龍についてだ。
縁龍は今まででちょくちょく不自然な 行動があった気もする。 今まではそこまで気にしてなかった んだけど体育祭のあの感じをみて 確信に思った。
これは明日先生として 縁龍に相談すべきかなぁ。
とりあえず今日はもう寝よう。 話は明日。
そう思いながらも、眠りについた。
コメント
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まじでヤバすぎゆあじゃぱ尊いナ?!この人はほんとに期待を裏切らない