バチンッ!!!
シャオロン
ショッピ
破裂音が玄関に響き渡る
ジンジンと痛み始める頬は、徐々に熱を出し帯びていった
熱い、痛い
だけどそんな痛みより、重要なことがある
彼女の母親が俺の頬を引っぱたいたのだ
陽菜乃母
陽菜乃母
陽菜乃母
陽菜乃母
頭おかしい、か
俺だって頭おかしいなって思ってたよ
これは長い長い夢なんだろうなって思ってたよ
…でも信じたいやんか
彼女がいるって事実はちゃんとあるんだから
シャオロン
陽菜乃母
陽菜乃母
陽菜乃母
シャオロン
ショッピ
シャオロン
陽菜乃母
陽菜乃母
シャオロン
ショッピ
陽菜乃母
俺の声に驚いた彼女の母親は、1歩、2歩と下がった
それと同時に…
彼女の気配がして、俺は後ろを向いた
陽菜乃
シャオロン
ショッピ
ショッピ
シャオロン
陽菜乃母
陽菜乃母
陽菜乃母
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
彼女は俺の横に立って、涙声でそう言った
陽菜乃
陽菜乃母
陽菜乃母
ショッピ
彼女の母親は涙を浮かべながら、弟くんの手を引っ張って家を出ていこうとした
ショッピ
ショッピ
別れ際に弟くんはそう言ってくれた
だけど玄関の扉は虚しく閉まる
しーんと静まり返る玄関に、俺は座り込んだ
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
彼女は何も答えてくれなかった
そんなの分かりきっていたのに
……
このままじゃ、ダメだろ
俺も、彼女も
シャオロン
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
彼女は困ったように笑ってくれた
次の日から、俺は毎日彼女の家に行った
ピーンポーン……
陽菜乃母
いつものようにインターフォン越しに応答してくれた
シャオロン
シャオロン
陽菜乃母
そう言うと、彼女の母親はインターフォンの応答を切った
こんな状況が続いて1週間が経つ
奇跡的に彼女はあれから、姿が消えるような現象は起こっていない
ただ彼女は……
俺が彼女の家に行くたびに姿を消して、どこかに行っていた
シャオロン
シャオロン
夕暮れのカラスが鳴く時間
自分の影を見つめながら、俺はいつも行く公園に向かった
シャオロン
杏奈
この子は妹の茜の友達だ
父親と衝突したときに、この公園に行ったらこの子が泣いていたのがきっかけで
それからここで会うようになった子だ
杏奈
杏奈
シャオロン
杏奈
杏奈
この子は勘が良い
笑顔の裏をよく知っている
シャオロン
杏奈
杏奈
杏奈
杏奈
シャオロン
杏奈
杏奈
シャオロン
杏奈
杏奈
シャオロン
シャオロン
ひとしきり今日の出来事を聞いたあと…
元気に手を振りながら帰って行った
2人目の妹って感じで、癒しをもらった
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
「好き」という言葉に一瞬、ドキッとしたが
俺はすぐに我に返った
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
彼女は急に上機嫌になり、俺の数歩先を早足で歩き始めた
チラチラッと後ろの方を見ながら
俺が遅く歩いていると、「は〜や〜く!」と急かす彼女がまぶしく見えた
彼女は海辺につくやいなや、しゃがみ込み何かをしていた
シャオロン
シャオロン
陽菜乃
そう言う彼女を時々横目で見ながら、波の音を聞いていた
陽菜乃
2、3分が経って、ようやく目を移すと……
シャオロン
と、ヨレヨレの字が書かれていた
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
陽菜乃
シャオロン
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
シャオロン
シャオロン
俺はなぜか涙を流していた
きっと潮風に当てられたんだ
それか風と一緒にゴミが目の中に入ったんだ
シャオロン
だけど
泣かずにはいられなかった
夕暮れの日の光が彼女の体をはっきりと映して
波が光を反射して
彼女を照らしている
生前よりずっとずっと綺麗だ
本当に綺麗だったんだ……
そんな姿を見ていたら、涙を流していた
陽菜乃
シャオロン
シャオロン
これなら、彼女は自分の言葉で想いを伝えられるかもしれない
俺はそう信じながら
前川家に電話をかけた
コメント
3件
前川ちゃん大進化したね。 もはや大神化だよw
シャオちゃん...頑張れ