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小噺

2 - 0.5、台本の定め

♥

30

2023年05月28日

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管理人

黒髪の女性が睨む先には1人のヒト。

所有者

睨まれているヒトは特に気にも止めずに笑うばかり。

────そんなヒトに痺れを切らしたのか、彼女は手を振り上げる。

パァン

乾いた音が鳴り響き、茶髪のヒトの頬が赤くなる。

所有者

…痛いじゃないか。

少し、驚いたような声色でヒトは喋る。

管理人

痛い、どころの話じゃないでしょ!!!

怒りを露にした声で彼女は叫ぶ。

管理人

■■様がお作りになられた台本に逆らうだなんて!!!
何様のつもり!?

管理人

あんた、何したか分かっているの!?

管理人

なんであのお方の作品を汚すようなことをするん!?

管理人

台本は守れ、とあれほど言ったやろが!?

彼女は口調がどんどん崩れ、取り乱していく。

管理人

あたしが消えたらどうするの!!!
あたしじゃないならあの子達が1人減るかもしれないでしょうが!!!!

管理人

なんとか言いなさい、■■■!

その言葉にぴくり、と反応する。

所有者

…僕を、■■■と呼ぶな!!!

こちらも怒りを露にした声で叫ぶ。

所有者

この…

所有者

──■■■が!!!

その言葉を聞き、明らかに動揺する彼女。

管理人

…やめなさい。
違う、違うから、そうじゃないの。

混乱が全面に押し出された声色で、たどたどしく言う。

管理人

─あたし、は■■■として生きるの、辞めたの。

管理人

もう、やめた。
昔の、あたしはどこにも…いないから。

そこで言葉を切り、彼女は迷うような素振りを見せる。

管理人

管理人

昔の、馬鹿なあたしは、死んだはずなの。

そう言い、顔を伏せる。

それを聞いたヒトも静かに言葉を溢す。

所有者

…僕だってそうだ。
僕だって、辞めた。

所有者

それに、あの方もお辞めになられた。

所有者

─だから、僕も■■■じゃない。

所有者

だけど、あのときの馬鹿な僕はまだ、生きてる。
…縋るしか、なかった。

ヒトは目を伏せ、自らを嘲笑している。

そのまま、それに、とつけたした。

所有者

…それに、あの方も■■であることはお辞めになられたんだ。

所有者

あの方は確かに■■としての…

そこでヒトは言い淀む。

所有者

──神としての、力があった。

そこまで言うと彼女はびくり、と体を震わせ、顔をあげる。

所有者

故に、あの方は自分を捨てれない。
髪型も変え、性も騙るのをお辞めになられたが…捨てきることができておりませぬ。

所有者

…ただ、そのお陰で僕らはこの世界で息をできるのです。

管理人

…えぇ、そうでしたね。

管理人

…申し訳ありません。

はっとしたように彼女は言う。

そこからはただ、気まずい沈黙がその場を支配した。

その沈黙に耐えられなくなったのか、黒髪の方が動いた。

管理人

…あたしは、■■■様に赦しを乞いに行きます。

目を伏せつつ、彼女は言った。

管理人

あなたは■■■様の瞳に映らないから、あたしが代わりに行きます。

所有者

…感謝します。

その言葉を聞ききり、彼女は赦しを乞うためにゆっくりと歩き始めた。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

6

ユーザー

こういう小噺大好きやぁ... 下のコメがお手本のようなものだから私の幼稚なコメントがさらに幼稚に見えますねぇ...

ユーザー

5/28現在 一部に修正を加えました。

ユーザー

あぁら…僕の世界で台本に逆らったら即処刑だよ危なかったねぇ〜(??) 台本に逆らう…いつどこでどんな理由で逆らったんだ…? ■様の瞳に映らない…しかも■■■を辞めた…うーんまだ分かんない事だらけだな復習してきます()

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