チャイムが鳴った
皆が下校する
友達と帰る子
彼女と帰る子
色々いるけど
僕は
毎回一人で帰る
宮脇 泉
夏
セミの音がうるさい
宮脇 泉
たまに
考え事をしてると
こんなところまで来てしまう
宮脇 泉
腰をあげると
同時に
目の前には
紫陽花のような
少女がいた
僕は
一瞬
自分の目を疑った
きれいな少女が
僕を見てるんだから
間には
数秒の沈黙が流れた
宮脇 泉
ーーー
宮脇 泉
宮脇 泉
宮脇 泉
ーーー
少女は
うつむいた
ーーー
宮脇 泉
僕は
その言葉が発せられた時
僕の思考はぐるぐると
メリーゴーランドのように
回った
親がいないのかな?
いや
でも
どうして
制服着てるじゃないか
もしかして
―幽霊―
なわけないか
だってこの子は
手足透けてないよね…
ポケットの携帯が震えた
母だろうか
心配してるのかもしれない
早く帰らないと
でも
ここに少女を
置いていくなんて
声も、僕から掛けたし
宮脇 泉
宮脇 泉
宮脇 泉
僕は手を差し伸べる
ーーー
少女は少しためらいながら
僕の手をとる
ーーーーーーー
これが
僕達の
最初の物語
コメント
5件
良いですね!!