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星雷高校怪奇譚

第8話 - #8　2人の共通点

501

2025年09月14日

#折伽羅

#一次創作

#ホラーファンタジー

#(初の試みなので大目に見てください…)

葉曖麗奈　不定期

次の日

華希の家の中

今日は珍しく休校日だ

それは何故か、聞くと校舎内のシステム整備だそうで、暫く休みらしい

……と、言っても…今日は金曜な為、月曜にはまた行く事になるだろうが……

喜奏　華希

……………………暇だ……

喜奏　華希

(課題は既に終わらせてしまっているし………これと言ってやる事も無い……)

喜奏　華希

(あるとしても、零界について理解を深める事だが………)

喜奏　華希

………1番詳しい奴が、寮生活なせいで聞けないのがなんともな……

喜奏　華希

システム整備なせいで、彼方に連絡はつかないし………

星雷高校はフリーWiFiが飛んでいて基本不自由はしないのだが……

システム整備となると、そのフリーWiFi自体も飛ばなくなる……

それに加え、律歌の携帯はWiFiでしか動かない様にされている為、連絡のしようがない

喜奏　華希

……(…不自由だな、ほんとに……)

喜奏　華希

……………………〔何かを考え込み〕

喜奏　華希

…………よし、結論は出た

喜奏　華希

だがこれは次学校に行った時に相談だ……

喜奏　華希

今は…………気分転換に、あの喫茶店にでも行くか〔と椅子から立ち上がり、支度しに自分の部屋に戻って〕

喫茶店

喜奏　華希

…………〔ひとつの席を見て嫌そうにしており〕

蒼琉　律歌

おや、喜奏君じゃないか、偶然だな〔と手を振って〕

喜奏　華希

………学校外だぞ、此処…

蒼琉　律歌

学校側が｢不便だろう｣って外出許可が降りたんだ

蒼琉　律歌

もっとも、此処ら周辺のみだがな〔おいで、と言わんばかりに手招きをして〕

喜奏　華希

……随分とあれだな、自分で軟禁とか言ってた癖に緩くないか？〔その席に行き、律歌と対面の席に座り〕

蒼琉　律歌

まぁ、今回は少し特殊な例だからな

蒼琉　律歌

なんせ全てのシステム整備をするのだから……

喜奏　華希

………全て……

蒼琉　律歌

寮から出る前に聞いた話によれば…

蒼琉　律歌

うちの高校の生徒じゃない者が、校内に混じっている……とか…

喜奏　華希

生徒じゃない生徒って事か………〔顎に手を当て〕

蒼琉　律歌

……私は、その子を"霊"だと思っている…

蒼琉　律歌

最近の零界は舞台を増やし過ぎていてな

蒼琉　律歌

若しかしたら、少し漏れ出ているのかも………

喜奏　華希

…それ、普通に不味くないか？

蒼琉　律歌

普通どころか、とてつもなく不味い……

蒼琉　律歌

元凶は表に出ている者を倒したとしても

蒼琉　律歌

ちゃんと其奴の舞台で倒さない限りは消えない………

蒼琉　律歌

だから、現世と零界でどうにかしなければならない……

喜奏　華希

だが、霊倒銃は零界でしか使用出来ないんだろう？

喜奏　華希

現実ではどう対処すれば………

蒼琉　律歌

現世で対抗策を待つ、霊のプロフェッショナルが必要だな…………

蒼琉　律歌

誰か、若しくは何かあっただろうか………〔ふむ、と考えだし〕

喜奏　華希

……霊の、プロフェッショナル…………

喜奏　華希

………律歌、その手の奴なら心当たりがあるぞ

蒼琉　律歌

本当か！？

喜奏　華希

あぁ、連絡先も知っているから、今から呼ぼうか

蒼琉　律歌

頼む！呼んでくれ！

喜奏　華希

りょーかい、貸1な〔携帯を持ち〕

蒼琉　律歌

助けた事もあるからそれで0だ

喜奏　華希

その手助けをしてるから1だ〔呼び出し〕

蒼琉　律歌

ぐっ………

暫くして

関峰　響

…それで、私を呼んだ訳ね……(そう言った後、律歌の方を睨み)

喜奏　華希

そうなんだが………

喜奏　華希

…律歌、関峰と知り合いなのか…？〔席を移動して、律歌の隣に座っており〕

蒼琉　律歌

知り合い……

蒼琉　律歌

…うーん、まぁ……その様な感じだろうか………〔少し困った様子で〕

関峰　響

……………それで、私はどうすれば良いの

喜奏　華希

校舎に潜む、その霊を祓って欲しいんだ……出来そうか？

関峰　響

出来るけど、流石に特定までは難しいわ……

関峰　響

擬態の上手いタイプの霊は、気配までもを人間そっくりにするから………

喜奏　華希

そうか…………

蒼琉　律歌

……目星だけついてる人が、3人………

蒼琉　律歌

1人目は、1年の女子…名前はA子

蒼琉　律歌

2人目は、2年の男子…名前はB男

蒼琉　律歌

そして3人目は、同じく2年の男子…名前はC太

蒼琉　律歌

3人とも、目立って行動が可笑しい者達だ

蒼琉　律歌

いくら擬態が上手かろうと、人の言動までは擬態に時間が掛かるだろうからな

蒼琉　律歌

その3人に絞れば大丈夫だろう

喜奏　華希

2年に2人か………1人なら見張れそうだが……

関峰　響

私も、1年生の子だけなら見張れそうだけれど………

蒼琉　律歌

それでは、残りの1人は私が監視するとしよう……

蒼琉　律歌

2人もそれで異論は無いな？

2人

……………

蒼琉　律歌

……では、そういう事で

関峰　響

……ひとつ、聞きたい事があるんだけど

蒼琉　律歌

？どうかしたか？

関峰　響

貴女は兎も角……どうして彼がそう詳しくなっているの？

関峰　響

初対面時は、あまり霊について知らない素振りだったわよね？

喜奏　華希

………………

喜奏　華希

……それは、律歌に細々とした説明を………

関峰　響

説明だけじゃ納得出来ない

関峰　響

実体験を元に言っている様に感じるわ

喜奏　華希

本当だ、そういう風に思わせる程みっちり説明されたんだよ

関峰　響

……じゃぁ、あの時…

関峰　響

屋上で話していた事は、なんだったの…？

喜奏　華希

っ！

関峰　響

…蒼琉さん……貴女は会話を聞かれていた事を知っていたわよね？

関峰　響

なのにどうして、彼にはぐらかせる様な事を言わせているの？

喜奏　華希

………そうなのか？律歌

蒼琉　律歌

……………………………

蒼琉　律歌

………ふっ……何、別に陥れようとしていた訳では無い

蒼琉　律歌

私は唯、確認したかっただけだ

蒼琉　律歌

"あの事"を話さないか、どうかをな

喜奏　華希

…………零界の事を、か……

関峰　響

零界……っ！？〔急に立ち上がり〕

喜奏　華希

………落ち着け、急に立つな…

喜奏　華希

他の人に迷惑だろう

関峰　響

…………………〔座って〕

蒼琉　律歌

まぁ、響君が感情的になるのも仕方ない………

蒼琉　律歌

彼処は………彼女の兄を奪った……

蒼琉　律歌

彼女にとって忌むべき世界だからな

喜奏　華希

…は………

関峰　響

………………〔少し目を伏せ〕

関峰　響

………兄……兄さんは

関峰　響

卒業後、神社の神主になる人物だった……

関峰　響

強力な札を作れ、祓う能力も…私より強かった……

関峰　響

神主になるに相応しい人だった……

関峰　響

そして……現役巫女と言う立場上、霊に狙われやすかった私を……

関峰　響

1枚作るだけで精神力を削る札を量産してまで、私を助けようと頑張ってくれてた………

関峰　響

………何時も私が楽しめる様、色んな事をして遊んでくれた……

関峰　響

……優しい、兄だった…

関峰　響

けど……………

蒼琉　律歌

……彼は、零界で怪異と対峙している時に

蒼琉　律歌

…………亡くなった

関峰　響

っっっ！！！！

喜奏　華希

……死んだ…？

喜奏　華希

彼処で死んだら、どう………

蒼琉　律歌

死んでしまったら、それはもう"現世物"だ……

蒼琉　律歌

…呪物化して動かないだけ、まだありがたい………

関峰　響

……もう、何年も前…だから

関峰　響

……骨すら、もう…………

蒼琉　律歌

……ある…

蒼琉　律歌

取り返す手段は………ある……

関峰　響

…っぇ………？

蒼琉　律歌

………これは実体験なんだが…

蒼琉　律歌

死体を取り込んだ舞台を壊せば

蒼琉　律歌

その死体が生前大切に想っていた者の元に還る………

蒼琉　律歌

……それが、骨になった状態か、その儘か…分からないけど………

蒼琉　律歌

前にそれで、その人の家族から……感謝された事があったんだ…

関峰　響

……………………………

蒼琉　律歌

………響君

蒼琉　律歌

……一緒に、零界と戦うか？

関峰　響

っ…

蒼琉　律歌

…なにも、ずっとと言う訳では無い……

蒼琉　律歌

兄の遺骨が戻るまでで構わない…

蒼琉　律歌

………私も、あの人の遺骨が戻って欲しいと………

蒼琉　律歌

あの人が心から大切にしていた…

蒼琉　律歌

妹の元に帰って欲しいと……

蒼琉　律歌

…心から思っているからな…………〔と、悲しそうな声でそう言い〕

蒼琉　律歌

………出来るなら、彼女も……〔ボソリと呟いて〕

喜奏　華希

…………………〔その様子を見た後、響を見て〕

喜奏　華希

……どうする、関峰

喜奏　華希

俺としては、戦力が上がる事自体大歓迎だが………

喜奏　華希

………お前自身、どうしたいのか……

喜奏　華希

どう、思っているのか……考えろ

関峰　響

…………私は……

関峰　響

わた、し…は……………

2人

……………………………

喜奏　華希

………(……流石に、1年の後輩にこんな事を強いるのは酷だな…)

関峰　響

…………少し、考えさせて……

関峰　響

纏まったら、華希先輩の連絡先に答えるから………〔少し浮かない顔をして、席を立ち、帰っていって〕

喜奏　華希

…………俺が言えた事でも無いが……

喜奏　華希

どうして、彼奴を勧誘したんだ？〔と対面の席に戻りながら〕

蒼琉　律歌

………さぁ、分からない…

蒼琉　律歌

……だけど多分、私は…

蒼琉　律歌

彼女の兄の事を、よく知っているから………誘いたくなったんじゃないかな……〔頼んでいた珈琲のカップの縁をなぞりながら〕

喜奏　華希

……なんでお前は、関峰の兄を知っているんだ？

蒼琉　律歌

…………一緒だったんだ……

喜奏　華希

……？

蒼琉　律歌

…6年前、響君の兄、「関峰真紗瑠(せきほうまさる)」は3年で

蒼琉　律歌

当時の私は1年………

蒼琉　律歌

そして、3年の優しい先輩、「黒猫屋舞戸(くろねこやまべ)」

蒼琉　律歌

真紗瑠先輩の恋人だった2年の、「輪延紫乃(わかのべしの)」…………

蒼琉　律歌

…その4人で結成された、「零界対策・討伐隊」で、零界の怪異と対峙していたんだ…

蒼琉　律歌

真紗瑠先輩は、その討伐担当……

蒼琉　律歌

…要するに、切り込み隊長だった………

蒼琉　律歌

………仲が良かったんだ……あの人とも

蒼琉　律歌

…他の2人とも……〔悲しそうに笑って〕

喜奏　華希

……そう、だったのか………

喜奏　華希

……(…あの時、悲しそうな目をしていたのは、そういう事か……)

蒼琉　律歌

……すぅ〜…はぁ〜…………〔深呼吸して〕

蒼琉　律歌

…話し過ぎたな

蒼琉　律歌

過去話なんて、基本誰にも話さなかったのにな………不思議だ……

喜奏　華希

………聞いて欲しかったんじゃないか？その話

喜奏　華希

……まぁ、抱え込むよりかは

喜奏　華希

吐き出してしまった方が、楽だからな………

蒼琉　律歌

…………ふっ、ふふっ…〔急に笑いだし〕

喜奏　華希

な、なんだ………急に笑いだして……

蒼琉　律歌

いや…君からそんな言葉が聞けるとは思わなくてな……ふふっ…

喜奏　華希

…クソ……言わなければ良かった………〔苛立ちを顕にしながら〕

蒼琉　律歌

いや…そう言ってくれて助かった………

蒼琉　律歌

…確かに私は、聞いて欲しかったのかもしれないな……

蒼琉　律歌

……いい事を聞けた、此処に来て正解だったよ

蒼琉　律歌

ありがとう〔ふっ、と優しい笑みを浮かべながら、席を立ち〕

喜奏　華希

………霊の件については、どうする気だ？

蒼琉　律歌

一旦は響君の返事待ちだ

蒼琉　律歌

YESであれ、NOであれ…何時かは考えなければいけない事だからな

蒼琉　律歌

私も、じっくり考えるとしよう……

蒼琉　律歌

…それでは、また学校で〔と、手を振りながら帰っていき〕

喜奏　華希

……………………………

喜奏　華希

…………俺の周りの女子、重い過去の奴が多くないか……？

キャラ説明

関峰　響

名前:関峰響　(せきほうかなで)
性別:女
性格:おっとりとしていてマイペース
年齢:16　身長:159cm
好:可愛い物、暇、兄
嫌:退屈、人の事考えない人
容姿:可愛らしい容姿で、赤毛であり横髪を黒いリボンで結んでおり、後ろ髪は三つ編みにしていて、少し跳ねっ毛がある、桃色の目をしており、本人から見て左目の下辺りに泣き黒子がある、服装は白シャツの上に茶のカーディガン、赤い紐リボンを付けていて、下は学校指定のスカートを履いている
武器:お札
誕生日:3月17日
一人称:私　二人称:貴女、〇〇さん/先輩
他:星雷高校1年生、「星雷高校怪奇譚」サポート役その3、神社生まれで現役の巫女、その為偶に霊に狙われる事があるが、常に携帯しているお札で難なく解決してきた、律歌の次に霊に詳しい人、一応神社に祀られている神様からの力もある為、そんじょそこらの霊では相手にならない程強い(ものによっては負ける)、神主として最も才能があった兄が居たが、何時しか行方不明になり、星雷高校に入って「零界」の噂を聞き、これのせいだと感じてはいた