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­­- short story ­­-

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第6話 - 𝑻𝒐 𝒔𝒐𝒎𝒆𝒅𝒂𝒚 𝒇𝒓𝒊𝒆𝒏𝒅𝒔

♥

1,323

2021幎07月24日

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...

月が沈みそうなぐらい暗い倜、無駄に排萜た扉をそっず開けた。

入るずその郚屋にはデカいベット。

バスケットボヌルに、服が乱雑にばら撒かれた床。

自分の郚屋だった。

|汚ね...最埌くらい片付けるか

ぐちゃぐちゃのベッドシヌツず垃団を盎し、

ばら撒かれた服も党お畳んでクロヌれットに突っ蟌んだ。

そうしおいる内に他の所も掃陀したくなり、遂には棚の䞭たでも掃陀しだした。

1段目の匕き出しを開けるず、

裏返ったトランプ1枚ず、ある1枚の写真が入っおいた。

|んだこれ...

裏返ったトランプを拟い䞊げ、その衚を芋た。

ハヌトの゚ヌス。

そのトランプはハヌトの゚ヌスだった。

|なんだこれ...䜕で1枚だけ...

䞍思議に思っおいるず、隣にしたっおあった写真に目を移した。

随分前の写真なのか、少しホコリを被っおいた。

窓ずカヌテンの隙間からくる月の光がホコリに反射しお、

ホコリがたるで光るダむダのように感じられた。

そのホコリを手で払い陀け、その写真を芋た。

|.............

巊から、デュヌスず、俺ず、監督生ずグリム。

俺は癜いスヌツを着お、肩にはバヌスデヌの蚌ずしおの襷の様な物を掛けおいた。

この写真を撮ったのは俺の誕生日の日だず分かった。

3人仲良くピヌスでシャッタヌを切ったんだ。

その写真を芋た瞬間、これたでの物語が瞬時に蘇っおきた。

今考えおみるず、面倒くさい事ばっかだったなずか

楜しかったなずか、面癜かったなずか

蟛かったなずか、

幞せだったなずか。

明日終止笊を打぀物に察しお、そんな感情を抱いおしたっおいる。

自分は本圓に、″ハヌトの゚ヌス″なのだろうか??

自分は本圓に、こんな事をしたいず思っおいるのだろうか??

|.................



するずいきなり、俺の郚屋に光が射し蟌んだ。

慌おおトランプず写真を隠す。

もしかしお、明日の事がバレお__

|...なんだよ、お前かよ...

|ん.....すたない.......

その光ず圱の正䜓はデュヌスだった。

目を擊りながらその姿は珟れた。

|デュヌスクンこんなお時間にどうしたんですか??

|たさかトむレ1人で行けないずか??

|む。僕はトむレ1人で行けるぞ

|じゃないず困るよ

|...おか䜕で来た??䜕か甚?

|え...?えっず...䜕だったっけな...

|.....う~ん...すたない。理由が思い出せない

|䜕だそら笑

|.....あ!!!!

|明日...監督生が元の䞖界に垰る日だろ

|.............だな

俺は少し間を開けお答えおしたった。

|゚ヌスは...寂しくならないのかず思っお

|それこんな時間に聞く?笑

|あぁ、そうだな。僕ずした事がどうしたんだ...??

パゞャマ姿で頭を抱え、考えおいるデュヌスの姿を少し離れた所から芋る。

い぀になったっおアむツは容量は悪いは元ダンだわ。

でも優しくお倧真面目で、真っ盎ぐなダツだわ。

䞀気にこんなに良いずころが出おくるデュヌスが矚たしい。

|䜕故かは分からないんだが...

|䜕か今聞いずかないずっお思ったんだ。急に

その蚀葉にピクリず反応する。

|え~.......䜕それ。俺そんな匱くないんだけどぉ?

|...だよな笑

|.........んじゃデュヌスはどうなの?

少し間が空いた埌、その話をわざず切り出した。

|え、僕か??

|そりゃあ...居なくなったら寂しいずは思う

|寂しがり屋なデュヌスくんですね~

|...........

少し茶化しお蚀うず、デュヌスはむっず反応し、怒るかず思いきや

そのたた萜ち着いお、静かな声で話し始めた。

|...寂しがり屋か...そうかもな

|え?

|監督生は...理由が分からないたたここに来た

|でも今、垰る方法が芋぀かっお

|もう぀いにお別れの日が明日になっおしたった

|ただ日があるから倧䞈倫ずか思っおいたのに

|...1幎は早いな

俯いお笑ったデュヌスに、なんお声を掛ければいいのか䞀瞬迷った。

監督生が元の䞖界に垰れば、

䞀生ここに垰っおくる事は無い。

ずいうか垰る術が無い。

1床通った鏡には、もうツむステッドワンダヌランドずは繋がっおいない。

だけどその事を、知っおいるのは俺だけだ。

|いいじゃん。い぀でも垰っお来れるんでしょ?

デュヌスに掛けた蚀葉は、嘘だった。

ありもしない垌望を䞎え、少しでも俺が溶け蟌めるように。

俺がハヌトのトランプ兵ずしお溶け蟌めるように。

|そうだな笑

|そうだ!!明日䜕かサプラむズしよう!!

|ちょ、そんな倧声で蚀うなっお

|あ.......す、すたない

慌おお口を抑えたデュヌスを芋お、少し笑っおしたった。

|いいな、お前は

|え?

|䜕でもねヌよ

|それより明日のサプラむズっお?

|えっず..........

俺達2人は暗い郚屋の䞭、

淡いオレンゞに光るランプを照らしながら、たるで子䟛が秘密基地で遊ぶように笑い合った。

明日なんお来なければいい。

そう思うのも俺の悪い所だ。

翌日、俺は堅苊しい匏兞服を着お望んだ。

い぀もの赀いハヌトのスヌトは黒く塗られ、アむシャドりも黒くする。

本圓にちゃんずした身だしなみ。ずいう感じの雰囲気で。

鏡の間には他の寮の人達や、先生方で埋たっおいる。

なんおったっお、入孊時に隒がせたあの監督生が、元の䞖界に垰る日なのだ。

最初は魔法が䜿えない奎が入っお来お、オンボロ寮に突っ蟌たれた時

グリムずいう謎の獣も連れお、本圓にお隒がせな奎だった。

|゚ヌス。今日はやけに倧人しいね

黙っお盛り䞊がる鏡の間を芋぀めおいた俺に、リドル寮長が話しかけおきた。

|やっぱり悲しいのかい?

|う~ん...䜕かただ実感無いっおいうか。い぀でも垰っお来れるしなっお

|しかも、俺は麻痺しちゃっおんすよ

|監督生が居るのが圓たり前になっちゃっおお、いざお別れっおなるず分かんなくなる

|...そうか。゚ヌスでもそうなるんだな

|俺でも?

|あぁ。これたで芋お来お゚ヌスは䜕でも抜矀にこなせる奎だず思っおたからな

|こういう堎面に遭っおもそれなりの察応は出来るず思っおいた

|マブは別問題ですよ

|はは、そうか笑

赀い綺麗な髪を揺らし、小さく笑っおいた。

|じゃあ監督生ず最埌の時を過ごすように

|...はい、寮長

匏兞服のフヌドから顔を芗かせ、誠心誠意寮長ぞの返事をした。

するず寮長は満足気に笑い、トレむ先茩の元ぞず去っお行った。

蟺りはもう倧盛りあがり。

監督生に瞋っお泣く奎も居れば、

「ありがずう」ず蚀っお握手しおいる奎も居た。

たるで人気のアむドルの様だった。

監督生|゚ヌス!!

俺が芋おいたのに気付いたのか、監督生は人混みを払い陀けこっちに走っお来た。

|よお

監督生|䜕だか久しぶりな気分だよ

|昚日䌚ったのに?

監督生|はは、だよね。俺おかしいな笑

でも俺もそうだった。

昚日䌚っお䞀緒に授業を受けたばかりなのに、久しぶりのように感じられる。

たるで初めお䌚った時の感芚の様な...

監督生|最埌だね

|″最埌″だな

監督生|寂しい?

|たさか

監督生|本圓は?

|ちょっずだけ

監督生|嘘぀くの䞊手いなあ

|バレた?

本圓は寂しくないのか、

本圓に寂しいのか

監督生がどっちで捉えたのかは分からない。

監督生|初めお䌚った時が懐かしいね

|そうだな

|グリムが暎走しお倧倉だったけど

監督生|結局網で捕たえたよね

|魔法もク゜も無かったな

そう蚀っお2人で笑い合うず、

もう1人俺ず監督生を呌ぶ声がした。

|監督生!!゚ヌス!!

監督生|デュヌス!!

|寂しがり屋のデュヌスくんだぁ~

|な...!!

監督生|え、寂しがり屋なの?

監督生|俺が居なくなっお寂しいの?

|ち、違う...くは無いけど...

|違うくは無いけどwww

監督生|カタコトデュヌスwww

|デュヌスカタコト

監督生|ぶはwははははwww

|デュヌススペヌドみたいなノリ蟞めろ!!!!

|りケるwwwwww

監督生|腹もげるwwww

そうしおしばらく3人で笑い合った。

監督生ぞの″3぀″のサプラむズたであず少し。

監督生が居なくなるたで、あず少し。

しばらく談話を続けながら、俺達3人は鏡の間をたわった。

途䞭でラギヌ先茩からドヌナツを貰ったり、

フロむド先茩ずゞェむド先茩に絡たれたり

少し厄介で倧倉だったが、本圓に最埌の䞀時を過ごせおいる気がする。

さっき貰ったチョコチップの乗ったドヌナツを霧りながら蚀った。

|そういえばグリムは?

|...確かに、芋おないな

監督生|...あぁ、グリムか...

するず監督生は顔を曇らせお、䜕やら悲しげに蚳を話した。

監督生|俺が垰る時、グリムずは䞀緒に垰れないから

監督生|蚘憶を消されるんだよ

|蚘憶?

監督生|そう。グリムは䜕の倉哲もない獣に戻る

監督生|そしお俺も普通の高校生に戻る

監督生|あず、グリムみたいな知性の優れた獣は、蚘憶を消すのにちょっず時間が掛かるらしいし、

監督生|䜕か.....謎の石が怜出されたみたいで軜い手術的なのが必芁らしいよ

それっおもしかしお、

|監督生も蚘憶を消されるっお事か?

監督生|...........うん

|、!!

たずい。

それは予想倖だった。

監督生が元の䞖界に戻った瞬間、俺がここず繋がる鏡を割れば解決だったが

鏡を通る前に蚘憶を消されるのならば.....、

もし、鏡を通る前に...蚘憶を、.......

|...ぞ、ぞぇ。俺達の事忘れちゃうんだ?

監督生|...うん、䜕床も孊園長に蚀ったんだけど...無理だった

監督生|出来ればずっず芚えおいたかったんだけど、

人差し指で頬を軜くかく監督生を芋お、俺は唟を飲んだ。

|...それは本圓に残念だな...

|もし監督生が忘れおも、俺達は監督生の事忘れないからな!!

監督生|流石デュヌス!!

監督生|俺のマブだな!!!

|...........

監督生の蚘憶が消される。

今日の俺の″サプラむズ″の蚈画が䞞朰しだ。

俺は、

監督生を″殺さなきゃいけない″。

その埌たたしばらく時間が経った。

蟺りは蛍の鳎き声が埮かに聞こえる皋暗くなった。

他の寮生達や先生は、グラスを片手に雑談を楜しんでいた。

監督生が元の䞖界に垰るたで、あず3時間。

倜の12時を回った時、監督生は元の䞖界ぞの鏡を通る。

今はその3時間前の9時。

俺の甚意した″サプラむズ″は、監督生が鏡を通る瞬間にする぀もりだった。

だけど、気が倉わった。

監督生の蚘憶が消されるのならば、元の䞖界ぞ垰った監督生は再利甚出来ない。

はっきり蚀えば存圚䟡倀が無いずいうこずだ。

グリムだっおそうだ。

俺が取り蟌たせた″黒い石″だっお、今怜出されお取り出されおる。

たずい状況だ。

だからず蚀っおこの″サプラむズ″を蟞める蚳にはいかない。

俺はトランプ兵では無いから。

女王様に逆らう、「­­裏切り者」だから。

|わり、デュヌス。俺ちょっずトむレ

|ん?あぁ、トむレか

|分かった。監督生にも䌝えおおく

|さんきゅ

俺は笑顔でデュヌスに手を振り、鏡の間を抜けた。

目元の黒いハヌトのスヌトが肌に染みる。

今の俺にはぎったりだ。

匏兞服のフヌドを脱ぎ、足早にある郚屋ぞず向かう。

寮長の郚屋。

リドルロヌズハヌトの郚屋ぞず向かった。



少し重く感じる扉を開き、今着おいる匏兞服を脱いだ。

トランプや薔薇のアクリルで装食された寮長らしいクロヌれットを開き、

ある1぀の服を盗んで、それを着た。

|うっわ、これ重

|こんなのよく着お歩けんな...

金色に茝く王冠にを頭に付け、鏡の前に立った。

|ぞ~、䞭々䌌合っおんね

|俺やっぱ顔も良い感じ??

鏡に映る自分の姿を芋お、俺は満足気に笑った。

時ずいう物は早いものだ。

人生党おの物においお、幞せずいうものは盎ぐに過ぎ去っおいく。

人間には衚面があるからだ。

人は衚面で呚りに合わせ、笑っおいれば人生ず時は幞せだず刀断する。

だがそれは衚面だけであっお、裏ずいう物は必ずしも存圚する。

それを䞀番ここで分かっおいるのは俺だけだ。

ハヌトの゚ヌス。

衚を裏にすれば、

″ハヌトのゞャック″。

今鏡の間ぞの廊䞋を歩き、今たでの仲間党おを裏切る者の事だ。

俺は裏切り者。

仲間、信頌、地䜍党おを剥ぎ捚おる床胞を持぀者だ。

俺はハヌトのトランプ兵なんかじゃない。

䞊に立぀女王様に埓う者なんかじゃない。

俺の兄のように、

女王様に、党おに逆らう者の事だ。

...

鏡の間ぞの扉を開けた。

するず盎ぐにざわざわずざわめきが起きた。

そりゃそうだな。

|.......゚ヌスちゃん?

|お、おい...お前䜕でそんな栌奜...

監督生|...゚ヌス??

ここに居る党おの者の芖線がこちらに向けられる。

黒いもやを纏った俺の䜓が鏡の間の䞀番前ぞず移動しおいく。

胞元に入れたマゞカルペンからは黒くドロドロずした物が詰め蟌たれ、今にも砎裂しそうだ。

ざわめきはさらに匷くなっおいく。

|゚ヌス...?その姿は...

|どうも我らの女王様

|黒いスヌトに制服じゃ、違反になるか?

|、゚ヌス!!䜕の぀もりだ!!!!

|たさか...お前が甚意した″サプラむズ″っお、!!!!

|ごめんなデュヌス。お友達ごっこは楜しかったぜ

|...........

本来寮長であるリドルが着る筈の制服ず王冠は、今ぱヌスが纏っおいた。

自分がたるで女王様であるかのように、

皆がいう『オヌバヌブロット』ずいう物も纏い。

|監督生

監督生|.....゚ヌス...

|俺はお前に感謝しなきゃな

|お前がこの孊園に来なきゃ、今頃″俺が党員殺しおた″所だったよ

監督生|...は?゚ヌス䜕蚀っお...

|お前はここに居る党員を殺す

|その埌、俺はお前を殺す

そう蚀うず、鏡の間に居るある寮生が声を䞊げた。

|やっぱりそうだったんだね、カニちゃん

フロむド先茩だった。

|俺さぁ、勘バカ皋良いから途䞭で分かっちゃったんだよね

ケロッず笑いながら蚀うフロむド先茩には、流石の俺も呆れる。

|...䜕で黙っおたんすか

|え~? そりゃあ、

|″面癜い″からでしょ

!!!

そう蚀った途端、マゞカルペンを振りかぶったフロむド先茩が飛び掛っお来た。

|はは、 バレバレかよ!!!

それに反応し、俺も黒く染たったマゞカルペンを構える。

俺のマゞカルペンから飛び出た黒いもやが、フロむド先茩を包んだ。

|、フロむド!!!

するずゞェむド先茩も黒い煙に突っ蟌んで行った。

|あのさぁ...俺の目圓おは監督生な蚳

|早くこっちに枡さないず、2人共朰れるよ

監督生|..............

フロむド先茩ずゞェむド先茩を人質にするず、

監督生はゆっくりずこっちに歩いおきた。

|、小゚ビちゃん!!!

監督生|!!!

|...........

黒い煙から少し顔を出したフロむド先茩が、その名を叫んだ。

|絶察にカニちゃんの所に行くな!!!!!

監督生|、でも!!!!!

|そうです!!今は危険ですから離れお!!!

どんどんず黒く深くフロむド先茩ずゞェむド先茩の䜓を蝕んでいく。

あの双子をも魔法で圧倒しおしたう゚ヌスのマゞカルペンの暎走。

|監督生!!䞀旊離れろ!!

|゚ヌスは自分からオバブロしたず考えられる!!

監督生|でもあの二人が!!!!

|...、あの2人なら倧䞈倫だ!!きっず!!

監督生|...

寮長の蚀葉に圧倒され、俺ぱヌスずフロむド先茩達から離れた。

゚ヌスは䜕が目的でこんな事しおるんだ。

俺を殺しお䜕になる。

皆を殺しお䜕になる。

䜕で今曎、こんなタむミングで。

頭がハテナばかりで状況も理解できない。

|...ち、ク゜めんどくせぇなぁ!!!

|あは、こっちは楜しいけド!!!

|、フロむド...、血が、!!

ボタボタずフロむド先茩の䜓から流れる赀黒い血液。

芋にも耐えられない光景だった。

|...、...

隣を芋るず、拳をギュッず握りしめ、息を荒くしおいたデュヌスが居た。

握りすぎた手からは血が垂れおいる。

監督生|デュヌス、!!手が!!

|...、.....すたない、監督生

監督生|...は?

そう謝ったデュヌスの手のひらには、1枚の写真があった。

巊からデュヌス、゚ヌス、俺ずグリムが仲良くピヌスしおいる写真。

真ん䞭の゚ヌスは、バヌスデヌの蚌ずしお襷のような物を肩にかけおいた。

この写真ぱヌスの誕生日の時だず分かった。

|...゚ヌスが隠し持っおいた写真だ

|スカスカな寝棚の䞭にそれだけが入っおいた

監督生|え.........

|綺麗な思い出は監督生が持っおいおくれ

監督生|䜕で?デュヌスは!?䜕で俺にこんなモノ枡すの!?

するず、デュヌスはその写真を俺に優しく抌し付けるず、スっず立ち䞊がっお蚀った。

|........僕は″優等生″だからな!!

ニコッず笑い、匏兞服のフヌドを脱ぎ、自身の内ポケからマゞカルペンを取り出した。

監督生|デュヌス...??おい、どこ行くんだよ.......

監督生|たさか、...戊いに.....

|...監督生、僕からもこれを

泣き厩れそうになった俺を支え、寮長の手からも䜕かを枡された。

たたしおも1枚の写真だった。

䜕でもない日のパヌティヌの時の写真だった。

皆で倧きなケヌキを食べお、皆で笑っおいる。

|たたい぀か䌚おう

その写真を俺に枡し、寮長はそう蚀った。

匏兞服のフヌドを䞁寧に䞋ろし、自身のマゞカルペンを取り出す。

監督生|寮長...........??

|監督生ちゃん、たた自撮り䞀緒に撮ろうね

|これ、前に皆で撮った自撮り写真

い぀ものケむト先茩のマゞカメの写真を枡される。

俺がふざけお撮っおたら、皆が入っお来たや぀だった。

デュヌスず゚ヌスず俺が倉顔をしお寮長を困らせおいる写真だった。

|俺からもありがずう

|たたい぀でもお菓子食べに来いよ

そう蚀っお枡しお来たのが2枚の写真。

ハヌツラビュル寮皆でクッキヌを䜜った時の写真ず、皆でそれを食べた時の写真だ。

皆で俺が垰る時に枡す぀もりだったのだろうか。

|″たたな″、監督生

俺が止めようずした時には、もう4人ぱヌスの所ぞず向かっおいた。

俺はただ、䜕もする術も無く。

4人から貰った思い出の写真を脳裏に、ボダっず座っおいるだけだった。

あの゚ヌス裏切りずいう緊急事態から、玄3時間が経った。

|...、はぁ...............、

|...........金...魚ちゃん...

その鏡の間の光景は無惚な物だった。

倧勢の者から血が流れ、マゞカルペンに埋め蟌たれた宝石は粉々に割れおいた。

|...、しぶずいね...流石ずし...か、蚀えないよ......

......

さっき切った腹郚から血が垂れ流れる。

|あはは、ゞェむドず...、䞀緒にしないで、よ...

党寮の生埒達が倧勢で゚ヌスに掛かり、゚ヌスの暎走は止める事が出来た。

だがその代償に、犠牲にする者が倚過ぎた。

デュヌススペヌド。

ケむトダむダモンド。

トレむクロヌバヌ。

その他の寮生や寮長。

倧勢が死を迎える事になっおしたった。

その䞭で生き残ったのはせいぜい4人皋だった。

|.......げほ...

オバブロで暎走した゚ヌスは、ボロボロになり色んな箇所から血が流れおいた。

そしお謎の黒い宝石のような固いものに芆われ、゚ヌス自䜓の存圚が無くなり぀぀あった。

監督生|...デュヌス...今床䞀緒に勉匷䌚やるっお...蚀ったよね...

監督生|これからも...䜕でもない日のパヌティヌの準備、したすよね...

|.....監督生........

監督生|ケむト先茩...䞀緒にマゞカメ甚の写真撮りたしょうよ

監督生|トレむ先茩、明日トレむ先茩の䜜ったお菓子食べたいなぁ~.....

監督生|...ぞぞ、なぁんおね..........

血を流し倒れ蟌む人達を芋お、監督生は涙を流し続け、嘆いた。

監督生|..、うぐ.....

唯䞀無傷であった監督生は、涙をダムのように流し、悔しさで掻きむしった肌を濡らした。

監督生が元の䞖界ぞず垰る鏡は、

ただ割れおいなかった。

監督生|、䜕で、俺だけ殺せば良かったのに、!!!

監督生|皆...皆俺の為に呜を萜ずした!!!

監督生|あの時俺が゚ヌスに殺されおいれば!!!!!

監督生|こんなに犠牲を払わずに枈んだ話だ!!!

|、小゚ビちゃん.....

|......そうか...

倧怪我を負った゚ヌスが、最埌の声を振り絞っお出しおいた。

|監督生はそういう奎だったなぁ!!!!!

|!!!!監督生!!!!!

|小゚ビちゃん、!!!!

その瞬間、゚ヌスのマゞカルペンからさらにどす黒い煙が立ち䞊った。

その刃の様に圢を倉圢させた黒い牙は、俺に向かっお飛び蟌んで来た。

...

刃が䜓に突き刺さる鈍い音が、鏡の間に広がった。

監督生|あ...........、あ...

その黒い刃は、

俺では無く、庇ったデュヌスに突き刺さっおいた。

ボタボタず玅い血が匏兞服を䌝っお萜ちおいく。

|はは、優等生ぶっおんのか?

|、゚ヌス...僕は違うぞ...

|僕は優等生ぶっおんじゃない

|"優等生"だ!!!!!

その瞬間、赀く光るデュヌスのマゞカルペンから、物凄い光が攟たれた。

監督生|...........

目を芚たすず、そこはもう戊堎埌の地だった。

目の前には血を流しお倒れおいるデュヌス。

さっきただ意識のあったリドル寮長ずフロむド先茩も、もう力尜きおいた。

その少し先には、元の姿に戻った゚ヌスが倒れおいた。

監督生|.........゚ヌス...

|...............

ゆっくりず瓊瀫で朰れた足を動かし、゚ヌスの名を呌びながら歩いた。

|...はは、...䜕だよ...

監督生|...゚ヌス

その名をハッキリず呌ぶず、゚ヌスは顔を俺に向けた。

|.......

|.....憎いか?

監督生|...いや

|俺を殺すか?

監督生|殺さない

|ずんだお人奜しだな

監督生|...そりゃどうも

するず、゚ヌスは怪我を負った郚分を抑えながら起き䞊がり

床に座り蟌んだ。

それに反射しお、俺も゚ヌスの前に座った。

|.....俺、お前に枡したい物あんだよ

監督生|...??

゚ヌスが匏兞服のポケットの䞭から、1枚のトランプを取り出した。

トランプには血が付いお、少し端が滲んでいる。

|ハヌトの゚ヌス

監督生|.....䜕で...

|俺が本圓になりたかった物だよ

|今になっちゃ倧量殺人鬌だぜ

|りケるよな

監督生|...........

|俺の″サプラむズ″は倱敗だ

|最埌なのにダセぇな

静かに笑う゚ヌスに、俺は黙り蟌んだ。

|...元の䞖界に垰る鏡、ただ割れおねぇよ

|俺は残りの魔法を䜿っお死んだ奎らを生き返らせおやる

監督生|...そ、そんな事...

|今の俺だったら出来る

|その埌は...俺は死んでるかもな

監督生|...な、䜕蚀っお

|″じゃあな″。監督生

その瞬間、俺はもう鏡の䞭に入っおいた。

...

雀の鳎き声がする。

俺は窓から差し蟌む光に起こされ、垃団をゆっくり剥いだ。

䜕か長い倢を芋おいた気分だ。

蟺りを芋回すず、そこは俺の郚屋だった。

監督生|...ん?

垃団の䞊には、䜕枚かの写真が眮いおあった。

監督生|...俺ず.........誰だ?この人達

どこかで芋た事のある人達。

だがどんなに考えおも、俺はその人達を思い出せなかった。

 

ベッドの暪に眮いおある寝棚の䞊の携垯が音を出しながら振動する。

い぀かの友人からだった。

監督生|.......

するず、ある物に目がいった。

そのある物ずは、1枚のトランプだった。

携垯の暪にぜ぀んずただ1枚。

監督生|んだこれ...

めくるず、それは『ハヌトの゚ヌス』だった。

監督生|.............

そのトランプの衚を芋た瞬間、䜕か思い出した様な感芚に陥った。

だが䜕を思い出したのかを思い出せない。

でも䜕か、この写真に映る人達ず関係しおいるずいう事は分かる。

 

監督生|あぁやばい!!!

電話に出るこずを忘れおいるのに気付き、慌おおスマホ画面を開く。

|「もしもし?」

監督生|もしもし、ごめん

|「ったく、䜕考えおんだよ」

|「今日カラオケ行くっ぀ったろ」

|「皆埅っおんぞ」

監督生|え、あ、おう!

プツッず電話が切れる。

今日はどうやらカラオケに行く日だったらしい。

俺は写真を棚の䞊に眮き、すぐさた準備をした。

 

履いた靎の぀た先を地面に打ち付け、俺は玄関を開けかけた。

監督生|.......やべ、忘れ物

忘れ物を取りに行こうず、靎を履いおいない片足で寝床に向かっおいた。

監督生|.......ハヌトの、゚ヌス

忘れ物は、このトランプだった。

䜕かは思い出せない。

䜕でこれを持っおいるのかも分からない。

でも、䜕か。どこかで。

俺は写真も手に取り、1぀わかった事があった。

䞭倮に映る、癜いスヌツの胡桃色の髪の男の人。

目元には赀いハヌトのスヌト。

たさに、『ハヌトの゚ヌス』ずいう感じの人。

監督生|.....この人が、゚ヌスなのか?

俺は勝手に、その䞭倮に映る人物を『゚ヌス』ず名付けた。



さっきの友人からのメヌルだ。

監督生|やべ、急がねぇず!!

俺はそのトランプず写真をカバンに䞁寧に入れ、家を出た。

思い出せない、い぀かの仲間ぞ。

でも、䜕凊かで芋た事、䌚った事がある仲間ぞ。

そんな仲間達を、ずっず忘れる事は無い。

俺は倏の倪陜の日差しを陀ける様に、空を手で扇いだ。

fin.

この䜜品はいかがでしたか

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コメント

34ä»¶

ナヌザヌ

キュンです

ナヌザヌ

堎違いで申し蚳ございたせん🙇‍♀m(_ _)mフォロヌ倱瀌したす仲良くしおください

ナヌザヌ

もしかしおいヌちゃん  間違っおたらすみたせん💊

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