テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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俺達の級長は誰にも渡さない_____。

第3話 - part 3 囚われ姫の過去_____。

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2024年06月19日

#桜愛され

#やまさく

#すおさく

#うめさく

#かじさく

ヒカゲ

桜メイン ※過去捏造

オレは"愛された"事なんてない。親から虐待を受け、教師に髪を染めるなと怒られる。

父

おいガキ！！さっさと酒持って来いやっっ！！

親父はいつもそう言って殴ってきた。痛いし、ツラい……けど、泣いたら押し入れに一晩中閉じ込められから、耐えたフリをした。そんな様子を見て見ぬふりをする母。

母

ほら、晩御飯持って来たわ、さっさと食べて寝なさい、この悪魔！！

母さんは親父みたいによっぽどの限り暴力を振るわなかった。けど、オレに向ける目の色はいつも黒く濁っていた。

いつも…………、孤独を隠すように息を殺して泣いていた日々。母さんのご飯を食べても、味が分からなくて、「美味しい」なんて思った事なかった。喉に無理矢理詰め込んではトイレに駆け込んで吐き出していた_____。どうして__________、オレは誰からも愛されないのかな………ｯ？？産まれて来たのは間違ってたの_____？「普通に産まれてくれば」ちゃんと愛されてたの_____？中学一の時、オレは初めて親の約束を破り、夜の街へ逃げ出した_____。でも、この結果が「間違っていた」なんてこの時は思っていなかった_____。

桜

(……ちと遠くまで来すぎたか………？)

そろそろ戻らないと……、そう思っていた時、1人の小太りの男がオレに近づいて来た。

モブ

こんにちは、かわいい女の子ちゃん♡ﾊｧ、

少し吐息が混じった気色悪い声に、一瞬で鳥肌が立った。

桜

ｯﾁ！近づくなｯｯ！！

男は口角を上げたまま、オレの腕を掴んだ。

桜

ｯﾋｯ！！

モブ

そんなこといわないでぇ〜♡キミ、かわいいねぇﾍﾍ♡ﾊｧ、ﾊｧ

桜

離せっっ！！

モブ

え"ぇ〜♡全くぅ〜、そんなツレないこといわないでよぉ〜♡

桜

ふざけんなっ！！離せ！！っ……ぅっ！！

腕を振り払おうと必死にもがくが、男は涼しい顔でオレを見つめた。気持ち悪い_____っっ！！オレは冷や汗を流したまま、地面だけを見つめる、けど、男はオレの顎を掴んで無理矢理目を合わせた。

桜

っ……！！？

モブ

キミの目の色不思議な目だねぇ〜♡♡ﾌﾌ舐めてもいい？ﾊｧ､ﾊｧ､

桜

( 逃げ……ないと…… ！！)

桜

( 家に戻らねぇーと……！！)

頭の中でサイレンがうるさく鳴いていた。男の舌がオレの目に触れようとしたその時、オレは精一杯足で、男の腹を蹴り飛ばした。男は運良く地面に頭を着き失神した。男は白目を向いて倒れていた。

桜

( 気絶してる………っ！今のうちにっ！！)

オレはすぐに後ろを向き、家に向かって全速力で走った。

桜

ﾊｧ………ﾊｧ……ｯ!!

家に帰っても、震えは止まらなかった。目の前の鏡の映るのは、黒白に割れている長髪に、黒と黄色の瞳の色である、自分の姿。その時、あの男の台詞がフラッシュバックする。

　「こ　ん　に　ち　は　、か　わ　い　い　女　の　子　ち　ゃ　ん　_____♡ 」

桜

っ…………！！ｳ"ｳｯ……！ｯﾌｯ！！ｵ"ｪｪ……ｯｯ！

ﾎﾞﾄﾎﾞﾄと口から胃物が出てきた。胃物に触れていたその手は酷く震えていた。呼吸が浅く、涙が落ちてくる。

桜

( 女の子なんかに！！！生まれてこなきゃ良かったのにッッ！！)

桜

っ……う"く"っ……ううっ、、ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

桜

女なんかにっ……生まれてこなければ……ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

オレは嘔吐物を処理し、手を洗い、水を飲み終えて、そのままベットに寝落ちた。

この日、オレは"女として生きる事"を諦めた。

あれから三年が立ち桜は風鈴高校生になった。中ニの時、父と母が離婚した_____。大酒で、暴力癖のある父と別れて安心たのもつかの間、母はうつ病になってしまい、喋る所か、味覚が無くなっていた。症状が思ったよりも重症だったため、病院に預ける事になる他なかった。

…………桜は、女として生きる事を諦めたはずだった。でも、やっぱりオシャレはしたいし、甘いものだって食べたい_____。何やかんや言って、桜は思春期の女の子なんだ。本当なら可愛らしい服を着たいけど、そんなお金なんかないし、元々自己肯定感が低い桜は、「どうせ自分なんか…」とありのままの自分を隠していた。そして今は白黒のウィッグを着けている。ちなみにサラシとはいうと、寝る時以外、ずっと付けっぱなしだ。桜は必死に男になりきろうと……「演技」で本当の自分を隠している。

初めは、風鈴の男子達を警戒していた桜だが、クラスメイトにだんだんと打ち解けていった_____。毎日が嘘のように楽しい日々_____。街の人から大切にされると言う照れ臭いと言う感情_____。親友に囲まれて、うるさい先輩で毎日が賑やか。ずっとこの日々が続くと思っていた_____。ずっと、この暖かい光に_____、、

桜

( ……無理だったんだ_____。やっぱりオレは悪魔なんだな…)

いつの間にか、飲み込まれた暗く冷たい海の底_____。桜は暗い海底の中で手を伸ばした。

桜

( もう一度……あの光に………当たりたい……)

_____、_____ら、さ_____ら。

桜

(誰か……オレを呼んでるのか？……早く……呼ば…………な…………ア………レ？な………んか……眠く……なっ……… )

桜

(いや……だっ！！もう……耐えられないよっ………！ｯ、みん……なっ……たすけ……)

桜

ｺﾞﾎﾟｯ……ｯ！