ファウル・ファイブ

　気が付くと、大量の光が目に飛び込んできた。

　強い日差しに逆らい目を開けると、桃色の天井が広がる。

　ここは……、

　痛っ！？

　頭に走る痛み。突然電流を流されたように、体が動かなくなる。

　麻痺する手を無理矢理に動かし、周囲を探る。

　ぎゅっ……。

　突然触れた温かな感触に、背筋が伸びた。

　わたしは、恐る恐る振り返った。

　するとそこには、

　裸でわたしの手を握りベッドに眠る、相羽吾蓮の姿があった。

　……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。

　固まる体。

　動かなくなる思考。

　まるで、時が止まったかのようだ。

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　って、待て。

　落ち着け。考えろ。

　思い出すんだ姫歌。

　昨日何があったのか、冷静に！

　昨日は本土に渡り、道に迷いながらも吾蓮のバッシュを購入。

　そして飲食店に入り、

　――誤って、飲酒した。

……………

　そこから考えられる答えは、一つ。

　そう、酒を飲み意識を失くした後、わたしはこの男に襲われたのだ。

　こうして、波乱に満ちたバッシュ購入の旅は幕を閉じたのだった。

　わたしの大切な膜と引き換えに。なんちゃって。