広瀬里帆side
広瀬里帆
まだやってますか!
宮治
里帆ちゃんいらっしゃい
宮治
やっとるで〜
広瀬里帆
よかった、今回はセーフ…!
宮治
お好きな席にどーぞ
ある日の仕事帰り。
いつものように残業を終え、
駅から走って おにぎり宮に来た。
閉店時間30分前で、 お店には2組のお客さんがいる。
宮治
今日はどないする?
と、いつもの カウンター席に座ると
麦茶とお手拭きが出される。
手を拭きながら 私はメニューを吟味した。
広瀬里帆
うーんと、うめと卵黄おかかで!
広瀬里帆
あとからあげも!
宮治
おおきに
テレビを観ながら食事を待つ。
この時の私は知らなかった。
数分もしないうちに とんでもない人と
再会することを───。
広瀬里帆
ごちそうさまでした!
宮治
お粗末さまでした
食事を終えた頃には お客さんは私一人になっていた。
あと10分足らずで閉店の時間だ。
広瀬里帆
遅くまですみません!
宮治
まだ閉店時間前なんやし、謝ることあらへんよ
広瀬里帆
じゃあそろそろ…
と帰ろうと立ち上がった時。
宮侑
サムやっとるか〜
木兎光太郎
お邪魔しまーす!!
宮治
ちょ、お前らな…!
宮治
来る前連絡しろ言うとるやろが!
お店の扉が開き、 長身の男性が2人入ってくる。
1人は店長と 顔が瓜二つだった。
広瀬里帆
え!店長が2人!?
宮侑
うおっ!?なんやこの子!
驚いてその人に駆け寄る。
髪型は明るい金髪で 前髪を上げている。
太い眉毛もパッチリした目も、
高い鼻も形の整った口も 全てがそっくりだ。
広瀬里帆
ドッペルゲンガー!?
と、ベリッと 音が鳴りそうな勢いで、
ドッペルさんと私が 引き剥がされる。
宮治
距離近いねん離れろアホ
宮侑
いや近寄って来たのその子なんやけど!?
ワーワーと言い合いを始める 2人の店長(?)。
もう1人の白黒髪の男性は、
ガハガハ笑いながら 席に着いていた。
広瀬里帆
あの…?ドッペルさんは一体…
宮侑
ドッペルさん言わんでくれん?
宮治
コイツは双子の侑や
広瀬里帆
双子!?
広瀬里帆
ってか侑って宮侑選手!?
宮侑
気付くの遅ない?アホの子?
宮治
アホ言うな殺すで
宮侑
怖っ