TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

蘇枋

ねぇ

蘇枋

桜君。

あ?んだよ

蘇枋

もしかして君、
俺が心配でここまで来てくれたの?
そのボロボロな体で

はっ、ばッ……!

そんな訳ねぇだろ!!!

顔を真っ赤にし、 さっきまでのかっこよさは 可愛さへと変わった。 やっぱり そんな君が、 どこまでも愛おしく思えた。

蘇枋

ほら、桜君。
そんなボロボロな体でここまで来て、
本当はすごく痛いんでしょ?

蘇枋

保健室に戻りなよ

桜君のそこら中に殴られた跡がある 体を眺めながら俺は言う。 このまま桜くんがここに居ても、 足のことはバレそうだし、 桜君もしんどそうだし お互いにいいと思った。

なぁ、

お前もどっかわりぃから
見学してんだろ?

お前も来いよ

嫌だったら目瞑っといてやるから

こういうちょっとした 気が回る所も 大好きで大好きで 俺の心を震わせた。 心臓の鼓動も、 桜君と居ると心做しか早く感じた。

いや、きっと早いんだろう。 ドクドクと早く鼓動する 心臓の音が聞こえた。

それとも俺が嫌か、?

ちょっと目を伏せ しゅんとした表情を見せた さらにその顔で俺の心臓は早く動いた。

蘇枋

いやいやそうじゃないよ

蘇枋

ほらー!
俺の左目、

蘇枋

右眼に古代中国の悪霊を
封印してあるだろう?

蘇枋

俺が気を抜いた隙に暴れたら困るから
保健室には行けないなー!

さっき来てたじゃねぇかよ

蘇枋

それは俺自身が休む
ために行ったんじゃないからね

やっぱ、そんなに俺が嫌か?

違うよ。 逆に大好き過ぎて、 君にこの怪我のことを背負わせてしまわないようにしたいだけだよ。 そう言いたいのを思いっきり飲み込み、 俺は笑顔を取り繕った。 喉がギリギリと痛んだ。

じゃあいいや。

やっと諦めてくれたか、 取り敢えず桜君には 俺の事なんか気にせずに 早く休んで欲しい。

蘇枋

そうだよ桜君。
俺なんか気にせず……

じゃあ俺がその悪霊?
とか言うやつをやっつけてやるよ

俺は最強だからなっ!

あぁ、本当に君という人は、 足の傷がばれないために、 桜君と離れようとしても 君はきっと、 引いた線も全て飛び越えて来てしまう。

俺が好きになるには、 本当にもったいない人だ。 俺なんかが好きになっていいのだろうか。 その想いが、ずっと胸の内にある。

ほら、さっさと行くぞ

何も答えられぬまま、 俺は君のボロボロで たくましい腕にひっぱられた。

手当するならしろよ

どっか悪ぃなら寝てろ

サッとカーテンをかけた。 これなら蘇枋も気にならないだろうと 思ったからだ。

耳も塞いでて欲しけりゃ
塞いでっし

これでお前も満足か?

蘇枋

うん。さすがに耳までは
塞がなくて大丈夫だよ

カーテン越しに 蘇枋の返事返ってきた その返事を後に、 蘇枋がベッドに腰掛けている 音が聞こえた。

遮られていて、 その後何をしたのか、 どんな表情をしているのかは 全く分からなかった。

少しの気まずさが この空間に残った。 2人とも一言とすら話さず、 ただただ静かな空間が続いた。

そろそろ大丈夫そうか?

蘇枋

うーんまだかな

蘇枋

望むところなら
このまま見ないで欲しいかなぁー!

わかった

蘇枋

冗談だよ

蘇枋

帰る時までずっと
俺の姿見たいとか無理あるでしょ

お前が嫌なら見ない

蘇枋

どうするつもりだったの笑

目瞑る

蘇枋

ほんっと君は可愛いね

俺のそっけない 答えにも 蘇枋が笑いながらも 可愛いと言ってくれた。 頭がふわふわして、 体温度が上がって言った。

心臓もきっと、 蘇枋の言葉を聞いて 嬉しがって 鼓動が早くなっている。

蘇枋

さ、俺はそろそろ行こうかな

じゃ、俺もい……

蘇枋

ダーメ

蘇枋

桜君は
俺がお迎えに来るまでまってて
くださーい笑

とイタズラ風に 蘇枋に言われた。 きっと俺の事を心配して なのだろうか そうだといいなと、 どこかで思う自分も居た。

はぁ?ざっけんな

俺も行くっつってんだろ

蘇枋

そんなボロボロな体で?

ぐぅの音も出なかった。 言われていることが的確すぎて、

こんくらい余裕だわ

蘇枋

グランドまで物伝って来てたでしょ

……

蘇枋

俺が来るまで大人しく寝ててね

隣のカーテンが開く音がした。 俺のカーテンは閉まったままで、 蘇枋がどんな顔をしてみているのかは 分からなかった。

蘇枋

桜くーん寂しくなっても
泣いちゃダメだよーー!笑

だっっれが泣くか!!!!

蘇枋が扉を開け出ていった音がした。 保健室は静まり返り、 俺の心臓の鼓動だけが聞こた。

飲み込んだ飴玉。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,230

コメント

5

ユーザー

ぁぁぁぁぁ結ばれて欲しい…

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚