TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

喜助

喜助

すまないが作れない

蓮爺

なんと……

喜助

作りたいのは山々だが

喜助

その鬼神丸という子に適した刀を作るとなると

喜助

並大抵のものでは彼の実力に合わないだろう

喜助

作るために必要な鉱石も希少なものになる

蓮爺

そこをなんとかしてくれんか?

蓮爺

この際間に合わせでも構わない

喜助

そう言われてもな……

神無月

神無月

神無月帰りました

喜助

おぉ、おかえり神無月

蓮爺

お邪魔しております

神無月

蓮爺さん?

喜助

今彼のお弟子さんにあたる鬼神丸という子の刀を作ってくれないかと

喜助

頼まれていてね……

神無月

その件ですが私からもお願いしたいのです

喜助

神無月まで言うか……

神無月

なにか作れない理由が?

喜助

鉱石もそうじゃがその鬼神丸という子に合う刀を作るとなると

喜助

かなり長い歳月かけないといけない

喜助

だが、蓮爺はできる限り期限を早めてくれないかと言ってな……

蓮爺

無茶なことを話してるのは自覚してる

蓮爺

しかしそうまでして彼にいち早く刀を渡したいんじゃ

蓮爺

ワシも歳だしいつまであの子にそばにいれるかわからん

蓮爺

だからこそ……

喜助

言い分もその熱意も受け入れたいが……

神無月

神無月

”紅の刃”……

喜助

!?

蓮爺

紅の……刃?

神無月

蔵に眠る刀の名前です

神無月

アレを鬼神丸くんに渡すことはダメなんですか?

喜助

アレは出してはならん

喜助

私が打った刀の中で最高峰の出来なのは確かだ

喜助

それをとある人物に渡したがその者は少しして亡くなった…

喜助

他にもその刀を求めてやってきた若者は数えきれぬほどいたが

喜助

みな、何かしらの怪我を負う形となった

喜助

あの刀は呪われとる

喜助

所持者を死に追い込む人には扱えぬ代物なんじゃ……

神無月

”人には”扱えないんですね?

喜助

あ、あぁ…

蓮爺

なら、鬼神丸には使えるかもなぁ

喜助

ど、どういう……

神無月

彼は鬼と人のハーフなんです

喜助

な、なんと……

神無月

彼なら扱えるのでは無いですか?

蓮爺

人であり鬼でもある彼なら

蓮爺

それを扱うことも可能なのでは?

喜助

うむ………

喜助

喜助

なら、彼に正式に与える前に一つ頼みたいことがある

神無月

鬼神丸くんにですか?

喜助

その刀を使い妖を退治して欲しい

神無月

退治ですか…

蓮爺

彼は共存を目指しているからどうかのぉ……

喜助

そんな甘い考えはきっと消えうせます

喜助

私からの依頼は今この辺りを騒がせている

喜助

別称”藍色の悪魔”の退治です

神無月

!!

神無月

お爺様それはあの子を殺すようなものです!

神無月

他の依頼を私は求めます!

喜助

いや、これしかない

神無月

何故藍色の悪魔でないと……

喜助

彼ならその刀の力を発揮させることが出来る

喜助

紅の刃のリミッター解除をした上で

喜助

鬼神丸という子は正気を保ち

喜助

なおかつ藍色の悪魔と同等にやりあえれば

喜助

その刀を正式に渡すことを誓おう

喜助

割に合わないというならさらに別で

喜助

刀を一本打ってやる、これでどうだ?

蓮爺

………

神無月

蓮爺さん断ってくれて構いません

神無月

藍色の悪魔は最近見られた鬼の別称です

神無月

小柄なのに彼から放たれるオーラは巨体の鬼がひれ伏すほど…

神無月

さらに腰に当てた黒刀は一振で幾人もの人を綺麗に切れる程のものといわれてます

神無月

そんな危険視されてる鬼の元に彼を行かすのは……

蓮爺

蓮爺

分かった引き受けよう

神無月

蓮爺さん!!

蓮爺

彼のためだ

蓮爺

共存という目標は言い換えれば世界そのものを変動させることになる

蓮爺

その時必ず己の力を超える敵が現れる

蓮爺

その将来性を見据えて今ここで経験値を稼ぐ

神無月

言いたいことは確かに分かりますが……

神無月

神無月

申し訳ないですけど私は反対します

神無月

彼を丸見えの落とし穴に落とすなど

神無月

私には出来ないですから…

蓮爺

行く行かないの決定権はわしらにはない

蓮爺

鬼神丸本人にあるのだ

蓮爺

ワシらはあくまで見守り役に過ぎん

神無月

だとしても…!

蓮爺

甘やかして生きれるほどこの世は甘くない!

神無月

!!

蓮爺

彼はそれを知っている

蓮爺

自分を生かすために両親は身を呈したのだ

蓮爺

お主にこの辛さがわかるか?

蓮爺

ワシには分からない…

蓮爺

第三者が共感できるのは想像上の辛さでしかない

蓮爺

本人が経験した辛さをワシらは知らない

神無月

………

蓮爺

蓮爺

ただ安心して欲しい

神無月

え?

蓮爺

彼の身に何かあった時その時は

蓮爺

ワシが責任を持ち彼を生かして連れ戻す

蓮爺

例えワシの命が失われてもじゃ

神無月

蓮爺さん……

喜助

喜助

話は纏まったな?

蓮爺

あぁ

喜助

ではその鬼神丸という子によろしく伝えてくれ

蓮爺

うむ…

神無月

神無月

鬼神丸くんの居場所は私が知ってます

神無月

私についてきてください蓮爺さん

蓮爺

すまんな色々と

神無月

いえ…

神無月

私もあなたも彼を大切に思ってるという点においては

神無月

同じなんですから

神無月

ただその大切にするという方法が違うだけです

神無月

私は過保護になるほど彼を大切にしたくて

神無月

あなたは彼を1人でも生きていけるように心を鬼にして教育してる

神無月

大切という気持ちの有り様が少し違うけど

神無月

根本は同じようなので…

蓮爺

いやはや……

蓮爺

歳をとると意固地になってしまうな…

神無月

それだけ彼を大切に思ってるってことです

この作品はいかがでしたか?

101

コメント

1

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚