5年後
桜
おはようございますお嬢様。
梓湖
あぁ、おはよう…
梓湖
……
桜
……
梓湖
もう、ここに来て5年たつな…
桜
いきなりなんでしょうか
梓湖
いや、早いなぁって…
桜
そうですね。
梓湖
よし、今日も散歩するかぁ
桜
またですか
梓湖
いつもだろ
桜
そうですね。
桜、17歳
梓湖
ははは。
梓湖
かっかっか
桜
…なんでしょうか
梓湖
いや、5年たったのにまだ日傘が高くならないなぁ
桜
あなた様が大きいのです
梓湖
そうかなぁ?
桜
5年前は背伸びしなくてはならなかったですから
梓湖
……もう、慣れたか?
桜
はい。慣れましたよ
梓湖
少しだけ震えてるな
桜
手を上に上げているからです。
梓湖
そうか。
私は今、
幸せと言えるのかな?
梓湖
これからもよろしくな
桜
それは一生働かせられると言うことですか?
梓湖
あぁ。そうだ!
桜
しょうがないですね
梓湖
あはは。
梓湖
はぁ……
梓湖
やっと普通の茶が飲めた
桜
3年前からですよ
梓湖
慣れるのに2年かかっただろ
桜
それはそうですね
桜
すみません。
梓湖
あれはあれで味があるがな
桜
ありがとうございます。
桜
では、あのままでよろしいでしょうか?
梓湖
いや!もういい!
桜
そうですか…
桜
悲しいです。
梓湖
なんでだよっ!
桜
あのお茶の方が私は好きでしたよ?
梓湖
やっぱりお前はダメだ!
桜
辞めさせられるのですか?
梓湖
いや違うだろっ!
桜
からかいやすくなりましたね。
梓湖
桜がからかい上手になっただけだ!
桜
高木さん…
梓湖
え?
桜
いや、ずっと前ですが流行った漫画があったのです。
梓湖
ふぅん、漫画か
桜
漫画、知ってますか?
梓湖
私くらい知っとるわ!
桜
そうなんですか。
梓湖
むむ…
こんな日常会話が
楽しくなってきてる
桜
親がいないときよりもずっと楽しいですよ、お嬢様。
梓湖
当たり前だろ
桜
当たり前ほど見つけにくいんですよ。
梓湖
そういうもんなのかぁ?
桜
そういうものなのです。
私は、
幸せなのかもしれない
ちょっとだけ感じた







