オリキャラちゃんたちの日常

しかし、渋い顔をしたまま、その場に立ち止まった。

慣れた動作で叶冬が叶愛を抱きしめた。

その言葉に頷き、一瞬のうちに姿を消してしまった。

ふと、ぴょこぴょこと足下で何かが跳ね回っていることに気がつく。

見慣れてしまったいつもの光景。ぴるぴると心底嬉しそうに耳をばたつかせた。

2人が境内の中へと姿を消したのを見計らい、天音が口を開いた。

天音はまだまだだね…。

ぴょんと叶冬の膝の上から大河に飛び移った。

2人の会話をじっと黙って見つめる。

それを聞いた瞬間、タイヨウの毛が逆立つ。

ぱっとタイヨウの表情が明るくなった。

バタバタと海魚を思わせる尻尾を振り回しながら、大河の腕から叶冬へと飛び移った。

タイヨウが他人にあんなに懐くとは…。

やはり、かな姉弟にはまだ何か秘めたものがあるのか…。

重い腰を浮かせ、立ち上がった。