〇〇
どくどくと鳴る心臓が痛い。
自分の芯から生み出される振動が手足を痺れさせる。
三途
三途
はやる心臓の音が竜胆にバレていることを考え更に心臓が痛くなる。
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途は必死にそう自分に言い聞かせる。
三途
未だ鳴り続ける心臓の音は無視することにして今は束の間の幸運を堪能しようと開き直る。
春千夜は一見すると華奢だが、身体にはしっかりと筋肉がついており重い方だ。
それを不安定さも感じさせず軽々運んでみせる竜胆の姿に三途の胸はきゅんと高鳴る。
三途
少し冷静になってみると、ふと頭にあれだけ春千夜を悩ませた入学式のことが浮かぶ。
三途
三途
三途は最早入学式のことなどどうでもよくなっていた。
それよりも唯ひたすらにこの最高にハッピーな状況が少しでも長く続くことを祈っていた。
三途
三途
三途
竜胆
三途
竜胆
竜胆
三途
竜胆
竜胆
三途
竜胆
竜胆
竜胆
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途
三途はその賢いと持て囃された頭をフル回転させるが勉強とは勝手が違う。
もう三途の脳内はスーパーのタイムセール戦争と化していた。
三途
三途
竜胆
竜胆
竜胆
三途
・・・
ーーーーーー★図星★ーーーーーー
顔に押し寄せる
熱
熱
熱
もう耳の穴と鼻の穴から吹きこぼれそうな勢いである
鼻の穴からは溢れ済みだが。
竜胆
竜胆
竜胆
三途
胸に安堵が広がる。
三途
三途
三途
三途
竜胆
竜胆
三途
三途
止まることなく、小刻みに竜胆の背中が揺れる。
笑ってくれてほっとしたのと
竜胆に笑われた悲しさとが三途の中で綯交ぜになる。
三途
三途
三途
尻すぼみになった三途の言葉に、竜胆は慌てたように付け足した。
竜胆
三途
竜胆
竜胆
竜胆
三途
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
ぽつり、ぽつりと言葉を紡ぎ出す竜胆の声が、
背中を伝い春千夜に響く。
低い、心地のいい声。
思わずうっとりとしてしまう。
三途
三途
三途
三途
竜胆
竜胆
竜胆が眉尻を下げ、三途にそう問う。
三途
竜胆
竜胆
三途
三途
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
竜胆
三途
三途
竜胆
降りたくない。
その気持ちが胸を占める。
けれどももう、保健室の扉はすぐそこだった。
保健室は怪我人の多発しやすいグラウンドと、学校内中廊下に面していて
竜胆はグラウンド側の扉から入るつもりらしかった。
とうとう扉前についてしまう。
三途
三途は最後の足掻きとして竜胆の首に回している腕ですこし竜胆に抱きつくようにした。
竜胆
竜胆
三途
三途
別にさして緊張している訳でもないが、流石に先輩の背中から降りたくないので保健室に着きたくありませんなどとは言えない。
竜胆
三途
竜胆
竜胆
ガチャリ
鈍く光る銀のドアノブに手をかけ、竜胆が保健室の扉を開ける
竜胆
そこに立っていたのは、
続く
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兄貴だから…! うん。勝手な予想です。最後の続きです。はい。