テラーノベル
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夜。 リビングにはテレビの音だけが流れてる。
私はソファで宿題、 兄は少し離れたところでスマホ。
いつもどおりの光景。 ⸺のはずだった。
のあ
消しゴムが転がって、 机の下に落ちた。
反射的に口が動く。
のあ
言った瞬間、 時間が止まった。
自分でもびっくりして、 言葉の意味を理解するのに一拍遅れる。
のあ
やばい。
言い直そうと顔を上げたら、 兄がこっちを見てた。
何も言わない。 ただ、じっと。
のあ
ゆあん
名前を呼ばれて、心臓が跳ねる。
ゆあん
立ち上がって、近づいてくる。
ゆあん
逃げ場がない距離。
のあ
小さく頷くと、 兄は少しだけ笑った。
ゆあん
それだけ。
怒られると思ってたのに、 からかわれると思ってたのに。
のあ
思わず聞く。
兄は首を横に振った。
ゆあん
一瞬、視線を逸らしてから、
ゆあん
胸がきゅっとなる。
ゆあん
私の前にしゃがんで、目線を合わせる。
ゆあん
指先が、そっと手に触れる。
ゆあん
静かな声。
心臓の音がうるさい。
のあ
いつもの呼び方で言うと、 兄は少し困った顔をした。
ゆあん
意地悪な言い方。
のあ
覚悟を決めて、
のあ
今度はちゃんと、意識して。
兄の喉が小さく鳴った。
ゆあん
立ち上がって、頭を軽く押さえられる。
ゆあん
でも手は離れない。
⸺家で無意識に名前を呼ぶ。
それはもう、 恋人になった証拠だった。
コメント
2件
尊い…🤦🏻♀️🤦🏻♀️ めっちゃ口角上がってるんだが…🫣ヤバい!!天才🫵🏻