仁
瑠衣!瑠衣!
仁
聞こえたら返事しろ!
仁もすぐさま海の中に入り、必死に瑠衣を探す。
しかし夜の海は暗く、仁の目でもうまく水の中が見えない。
仁
クソッ…
前に進めば進むほど深くなっていき、仁も水に飲まれていく。
仁
絶対…見つかるまで…諦めないからな…!
とその時、うっすら人の手が見えた。
それは間違いなく瑠衣の手。
ちっちゃくて、あったかい、瑠衣の手だった。
仁
瑠衣!
すぐさま瑠衣を引き上げ、抱きしめた。
瑠衣
うっ…ゲホッゲホッゴホッ…
仁
大丈夫か?
仁はむせる瑠衣の背中を優しく撫でた。
瑠衣
うぅっ仁…ポロポロ
仁
ごめんな…瑠衣…
仁
一人で悩ませて…ポロポロ
瑠衣
ヒグッヒグッうわああああん!
仁
ナデナテ
仁
もう…こんなことさせないからな…!
海から出た
仁
とりあえず、俺の家行くか。
仁
体も濡れて冷えたしな。
瑠衣
うん…
瑠衣
ありがと…ポロポロ
仁
ナデナテ
瑠衣
!?ヘヘ…//
仁
!(瑠衣が笑った…)
仁
(よかった)
瑠衣
お、おじゃまします…
仁
あぁ
仁
とりあえず風呂に入るか。
仁
二人共ずぶ濡れだしな。
仁
瑠衣、先に入っていいぞ。
瑠衣
え!いいの?
瑠衣
ありがとう…
さっきより喋るようになったが、やはりいつもの元気で無邪気な瑠衣ではなかった。
仁
理由を話してくれるだろうか…
2人共お風呂から出た
仁
それで瑠衣…
仁
なんであんなことしたんだ?
瑠衣
じ、実は…
瑠衣
その…ポロポロ
仁
!ゆっくりで大丈夫だから
瑠衣
うん…
瑠衣
実は…
瑠衣
よくわからない人たちに殴られてて…
仁
!うん…
瑠衣
関係ない人たちにも悪口言われて…
仁
…うん…
瑠衣
ポストにも悪口が書かれた紙がいっぱい入ってて…
仁
…
瑠衣
だから少しでも楽になりたくて自傷行為をしちゃて…
仁
!じゃあいつも長袖を着てたのって…
瑠衣
うん、傷を隠すため。
瑠衣
仁たちには心配かけたくなくて…
瑠衣
だから…!ずっと言えなかった…!ポロポロ
瑠衣
ごめんなさい…!ポロポロ
仁
いや、俺も気づかなくてごめんな…
仁
瑠衣がたくさん傷ついてたのに…
瑠衣
ううん、助けてくれて嬉しかった…
瑠衣
でもなんで海にいるってわかったの?
仁
仲間が、教えてくれたんだ
仁
瑠衣を見かけたって…
瑠衣
!そうだったんだ…
瑠衣
仁は素敵な仲間がたくさんいていいねニコ
仁
バカ、お前だっているだろ
仁
目の前にニコ
瑠衣
!うぅっ…ポロポロ
仁
!?どうした!?
瑠衣
俺っ俺っ…
瑠衣
仁のこと…