ステラ(主)
ステラ(主)
それでは
スタート!
第一話 始まりの話
ピッピッピッピッ
規則正しい電子音が聞こえる
久しぶりに見た夢の中は 真っ暗闇の中だった。
これはきっと
私がまだ、 お腹の中に居た頃の夢だ
私のお母さんには呪力があったらしい
・・ その遺伝子なのか私達には お腹の中に居る頃から呪力があった
それも、莫大な呪力が。
だからお腹の中に居る時から 少しだけ意識があった。
だから分かるのだ
今は生きていないけど
私には兄が居る
私達が産まれる日
特になんの問題もなく お母さんには陣痛がきた。
しかし、
お母さんはすぐに意識を手放してしまった
なぜなら、
私達の莫大な呪力に 体が限界を迎えていたからだ
莫大な呪力を持つ子を産むのは
凄くリスクのいる事だった。
それに加えて私達は双子だった
どちらかしか産まれることはできない
この時点でいつ全員が 死んでもおかしくない状況だった。
産まれたとしても 兄しか生きることは出来ないだろう。
普通ならば。
私はお母さんが意識を手放すと同時に 呼吸がしづらくなった。
ただただ苦しかったと言うのを 今でも覚えている。
もうそこからは記憶がない。
呼吸はいつの間にか楽になり
気がつくともうお腹の中から出ていた。
そして、
隣に居るはずの兄は
すでに息を引取っていた。
でも、まだ兄は居るのだ。
居なくなってなんかいない。
まだ、私の中に居るから。
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