コメント
31件
人ちゃん……え?神様?( '-' )真顔
まだまだ東リべを学び足りないわたしなんだけど蘭くんの顔がどタイプ .. うぅすきだぁ ..
続きが楽しみぃ!!この話神!!!面白いです!!
「東京卍會」
通称東卍(トウマン)。
東京最大の暴走族であり、「無敵のマイキー」と呼ばれる総長、佐野万次郎と
副総長・龍宮寺堅の下5つの部隊から成る。
その中でも、一際目を置く存在が在った。
その存在は決して東卍の隊員では無く、ただの一般人であった。
そんな存在が何故そこまで目を置かれているのか。
それは誰が見ても直ぐに分かった。
マイキー|久しぶりだな、梦蝶
梦蝶|マイキー君お久しぶり
ドラケン|お~、久々に顔見せたな梦蝶~
そう言うと、ドラケンは梦蝶の頭をわしゃわしゃと撫でた。
梦蝶|ドラケン君何か身長伸びました?
東卍の隊員でも無いただの一般人が、他の隊長や隊員を差し置いて堂々と前に立っている。
これは東卍でも前代未聞の出来事だった。
梦蝶|皆お久ー!!
すると梦蝶はくるっと総長と副総長に背を向け、下に立つ隊員達に叫んだ。
|お久しぶりですッ!!!梦蝶さん!!!
すると東卍の隊員達は、声を揃えてそう答えた。
梦蝶|うひょ....すご..総長になった気分、、!!!マイキー君これいっつもやってるよね!?
マイキー|楽しいだろ??
梦蝶|これちょー楽しい、!!
1人だけ私服のを見ると、本当に可笑しな光景だ。
普通ならば、誰かが文句を言うか喧嘩にまで発展するぐらいの場面である。
だが梦蝶が前に立つ事に対して誰もそれに反発しなかった。
それには理由があった。
1つはタケミチと同じような立場だからだ。
いつの出来事さえ覚えていないが、梦蝶がそこら辺の不良に絡まれた時
それを梦蝶は1発で相手を伸してしまったのだ。
その場面に出くわしたのがマイキー。
その時、マイキーは初めての女隊員にならないかと誘いを入れたが、梦蝶はそれを嫌がった。
その為、今はマイキー達の友達として東卍の集会に参加している。
梦蝶のその喧嘩の強さは隊員顔負けであった為、まるで東卍のメンバーかのように扱われている訳だ。
そしてもう1つ大きい理由がある。
梦蝶が三ツ谷と柴の友達だったという事。
女苦手であり、姉以外の女性とは話せない八戒(ハッカイ)だが、梦蝶は特別だった。
同中という事もあり、最初それを聞いたマイキーはびっくりしていた。
そんなこんなで、色々な良運が重なり梦蝶は今この場に立っている。
ミツヤ|おい...、そろそろ降りろ...
梦蝶|え~、、何で、?
少し階段を挟んで下に立つ三ツ谷が、コソコソと小声で喋る。
それに反応して梦蝶も小さい声で喋った。
ミツヤ|なんか...こっちが恥ずかしくなってくんだよ、...
梦蝶|え~、、!!何それ!!
ミツヤ|お前、本当は東卍の隊員でもねぇんだぞ...、そろそろ引っ込んどけ
ミツヤ|タケミっちを見習え、大人しくここに立ってんぞ
タケミチ|え!?は、はい!!!
梦蝶|やだヤダヤダ~!!此処が良いの~!!
ミツヤ|お前...、いい加減にしろよ...
ハッカイ|(怒ってるタカちゃんもカッコイイ~....、、!!!)
ミツヤ|タケミっち、此奴に何か言ってやってくれ...
タケミチ|え、お、俺っすか!?!?.....えぇっと~...、
タケミチ|梦蝶さんみたいに前に堂々と立てるの...すげぇカッコイイっす
梦蝶|だよね!?やっぱ私ってカッコイイんだ!!!
タケミチ|(や、やべ...怒るつもりが褒めちまってんじゃねーか!!)
タケミチ|あぁ~...だから、偶には下に立ってみるのも良いんじゃないすかね、?
タケミチ|(何言ってんだ俺!!こんなんで梦蝶さんが納得する訳...)
梦蝶|.......確かに
タケミチ|.......へ、?
梦蝶|そうだ、!!下から見てみるのもアリかも!!
すると梦蝶は、階段の1番上からピョンッと下までジャンプした。
そのまま進み、タケミチの隣へ立った。
タケミチ|(えぇ~?!!?!これで納得しちゃうの!?!?梦蝶さんこんな単純なの!?)
タケミチ|(めっちゃ頭良さそうな感じのオーラ出してるのに?!?!これがギャップ?!)
梦蝶|おぉ.....これが隊員の気持ちか...
タケミチ|え、えぇ.......
ミツヤ|ナイスタケミっち。このまま頼むぞ~
タケミチ|え!?!俺がっすか!?
ドラケン|おいそこどうした~、すげぇ騒がしいなぁ~~??
タケミチ|す、すみません.....
そしてしばらく総長の話を聞いた。
隣のタケミっちを見ると、真剣にその話を聞いていた。
目の奥でさえ真剣で、既に何かを決意しているような瞳と姿勢だった。
タケミっちが何故マイキー君に気に入られているのか、少し分かった気がする。
人も良いし、多分こういう所なんだろう。
タケミチ|な、何か...俺の顔に付いてます?
梦蝶|へッ?あ、ごめん、見てた!?
タケミチ|すげぇ視線感じましたよ...笑笑
梦蝶|ごめん.......つい
しっかり謝ると、「大丈夫っす」と笑って再び前を向いた。
それに釣られて私も前を向く。
すると、その間にマイキー君の話はどんどん進んでいた。
マイキー|最近東卍の隊員の中に、一般人に手を出す奴が増えてる
マイキー|俺の隊にそんな奴は要らねぇ
マイキー|次そんな奴が出たら、俺が殺す
梦蝶|ひぃ.......
マイキー君のその言葉に、隊員の顔色と空気が一気に変わった。
「殺す」という単語に動じていないのは、隊長と副隊長達のみだった。
どうやらマイキー君の言葉に深く共感しているからだ。
自分達もマイキー君の様に、一般人に手を出す奴はこの隊に要らないと、そう思っているからなのか。
梦蝶|.............
私は結局、その話を黙って聞いていた。
ミツヤ|梦蝶、今日飯食ってくか?
集会が終わった後、その場は騒がしかった。
梦蝶|あ~、、いいや。今日は普通に帰る
ミツヤ|...何だよ珍しいな。何か用事でもあんのかよ
梦蝶|夏休みの課題が.....終わって無くてでして、笑
ミツヤ|...課題って、、
梦蝶|??どしたの?
ミツヤ|いや...別に、お前が来ねぇって何か寂しい?って言うか.....
梦蝶|えー!!そ、そんな事言っちゃう、!?
ミツヤ|あー、やっぱ今のナシ、忘れろ.....
梦蝶|やだもうそんな事言われたら行きたくなっちゃうじゃーん!!
そう言って三ツ谷の背中をバシバシ叩いた。
ミツヤ|いってーな、笑
梦蝶|明日食べに行くわ!!
ミツヤ|........おう
そう笑って返すと、三ツ谷も笑って返してくれた。
持つ物は友情だと改めて思ったりもする。
という訳で家帰ってさっさと課題終わらそーっと!!
夏休み最後の日にやりたくないもんね。
梦蝶|んじゃ三ツ谷と八戒、またね
ミツヤ|おう、またな
ハッカイ|ばいば~い!!
梦蝶|あとマイキー君達とタケミっちも!!
マイキー|じゃーねー!!!
ドラケン|気を付けて帰ろよ~
タケミチ|また明日です!!!
いっぱい手を振って、私はその場を後にした。
という訳で、私は家に帰っている途中だ。
特に何の変哲もない唯の道。
少し治安が悪くて車の運転も荒い奴ばっかだけどもう慣れたもんだ。
何の変哲もない唯の道のハズだった。
家に帰って、三ツ谷に今日何食べたかを聞いて、八戒とメールで話す。
その後に夏休みの課題やって、お風呂入って...
もう私の中では完全にルーティーンが出来上がっている。
だがそれは叶わなかった。
ドンッッ...
鈍い音が肩で鳴る。
その出会いはまるで恋愛小説の様なシュチュエーションだ。
そして相手はイケメン王子で...
だが私のぶつかってしまった相手は、あからさまに治安の悪い人だった。
絶対にヤバい道に手を出してそうな人。
??|...前見て歩けよ
梦蝶|あ、...あぁ...ははッ...
やばいやばい...どうしようどうしよう.........
ピンチ過ぎて笑っちゃってんだけど、!!何やってんだよ自分ー!!
センター分けに金髪と少し濃い紫の掛かった髪の毛が綺麗に三つ編みされている。
しかも首長...何このモデル体型...
も、もしかしてモデルの人だったりする感じ、??
??|おーい、聞いてんのかー??
梦蝶|もッ、もしかしてモモモモデルの方ですかッッ!?!?
ギャー!!!!!マジで何言ってんの!?!?
この人の顔面が好きだからってこんな変なこと言っちゃう?!?!
どうしようどうしよう、、本当にこれは殺されるやつでは!?
もう私手遅れ!?そうなの!?
梦蝶|(そうだ...三ツ谷に連絡して迎えに来て貰おう、、)
私はこのピンチの状況を切り抜ける為、ポケットに入っているスマホに手を伸ばした。
??|はぁ??お前何言ってんの??
慌ててその伸ばした手を戻す。
梦蝶|あ、あの...えぇ~と.....
ああぁぁ.....ごめん皆.....
もう私の人生終わりだ...ここでこの人に殺されて終わりだ.....ッ
??|お前名前何?
梦蝶|.........へッ?
ギュッと瞑っていた目をゆっくり開けると、その綺麗な顔立ちをした顔が私を覗き込んでいた。
しかも私の名前を聞いている。
ま、まさか個人情報を抜き取ってから殺すのか...!?家まで行ってお金取るとか...
有り得る...絶対有り得る!!!てかそれしか無いわ!!!
梦蝶|な、なななな名前.....
ラン|オレ、灰谷蘭。
梦蝶|.........んぇ、??
自分から名前出すの?この人私を殺したいんじゃないの?
今すぐ直ぐ近くにある路地裏まで引きづられて殺されるんじゃないの??
.....でも.....灰谷.....蘭、、か。
梦蝶|キ、綺麗ナ.....ナマエデスネ.....
あ、終わった。
何でよ...何で私は思ってる事と全く同じことを言っちゃうのよ...
ラン|あはは、お前おもしれぇな
あーもう。遺言でも書いとけば良かった。
マイキー君達にも喋りたいことあったのにぃぃ.........。
んぁ.....あと三ツ谷のお料理もう1回食べたかったなぁ.....。
梦蝶|ぁぁ...神様...もういっその事殺して下さい.......ッッ...
ラン|殺さねーから安心しろ~
え、今何て?
梦蝶|...え、あ、あの...
この人本当はモデルの人なんじゃない?その説見えてきたよ。
ラン|モデルじゃねーけどな
梦蝶|あ.........
モデルじゃなかった。シンプルにモデルじゃなかった。
ラン|それより、お前名前は?そろそろ教えろよ
いいのか?知らない人に名前教えて?
梦蝶|梦、梦蝶です.........
そう考えてる割には、直ぐに名前を言ってしまった。
多分この灰谷蘭...って人の圧倒的オーラのせいだ。
言葉一つ一つが重くて、耳に来る時にいい意味でずっしりしている。
ラン|へー、梦蝶か
ラン|顔かわいーね
梦蝶|ほえあ.......?????
今この人何て言った?顔??私の顔の話してるもしかして??
灰谷蘭...何なんだこの人...ナンパ!?ナンパしたいの!?
ていうかさっきから段々壁に迫られてる気がするんだけどぉ...??
梦蝶|ァ、アリガトウゴザイマス...?
やっべぇめっちゃカタコトになっちゃうわ!!!!
こんなになるんだったら三ツ谷の家で幸せな暖かいご飯を食べておけばよかった!!!
何で今私こんな目にあってんの!?マジで無理なんだけど!!涙出てくる!!
ラン|よかったら連絡先交換しねー?
スマホを取り出し、私の方へ突き出してきた。
そ、そうだ...このまま交換するフリして三ツ谷に連絡.....
んーやダメだ、そもそも手が震えて何も出来んわ!!!
マジで涙出てきた.....ダサい...ダサすぎる...、、
ここ人通り少ないし、運転も荒い奴ばっかだから気づく人すらも居ない!!
イコール私は逃げられないって事!!!
梦蝶|...うぅ.....ッ.........
ラン|え、何。どうしたんだよ
その心配されている声を聞くと、私はもっと泣いてしまった。
ラン|うわ、泣くなよ、え、オレ何かした?
梦蝶|うぁ~...うぅ....!!
私は声を出して、まるで赤ちゃんの鳴き声のように張り上げた。
ラン|.....ちょっとこっち来い
すると私はその蘭と名乗る人に手を引かれ、涙でぐちゃぐちゃになった視界で何とか見ようとする。
ラン|ほらこれで拭けよ
歩きが止まったと思いきや、その人はハンカチを渡してくれた。
梦蝶|うぅ~.........、
私は仕方なくハンカチを貰い、それで溢れる涙を擦った。
ラン|そんな擦ったら肌にわりーぞ
するとその人は、私のハンカチを「貸して」と言って取り
この世の物とは思えないほど優しく拭いてくれた。
え.....この人...本当は...、、
ラン|はいオッケー。もう泣くなよ
梦蝶|う、は、はい.......
すっかり落ち着いて涙が引っ込んだ私は、改めてこの状況を理解しようとする。
でも全く理解出来ない。
だって、隣に居る人知らない人だよ?
私何でここに居るの??
ラン|もー泣き止んだな。てことで、連絡先教えろ
梦蝶|え、いや...あの、、
流石にこの人の顔面偏差値が高いからって見知らぬ人と連絡先交換は渋る。
ラン|何、やなの?
梦蝶|や、いや...別に...
ラン|じゃあ良いだろ、ほら貸せよ
すると私のポケットの中にあったはずのスマホは消え去り
彼の手元へと瞬間移動していた。
梦蝶|えッ、
ラン|はい完了~、いつでも連絡していいからなー
梦蝶|え、いや、あの!!!!
そう呼んでいる時には、もう彼は歩き去っていた。
渡された連絡先の入ったスマホを見る。
いつでも連絡していいって..........
梦蝶|出来る訳無いじゃんかよ!!!!
私は夜、道でそう叫んだ。
その翌日、私は遅い時間に起きた。
結局昨日課題は出来なかったし、ボーッとお風呂に入るだけ。
八戒とも喋れなかったし。全部あの人...灰谷蘭のせいだ。
梦蝶|...ん、
朝ベッドからよじ起きると、スマホに通知が何件か入っていた。
とてもとても嫌な予感がした。
梦蝶|...............
そぉーっと無意味にスマホを開き、例のメール通知を見る。
するとそれは、三ツ谷と八戒からだった。
....だが。
安心したのもつかの間、その灰谷蘭という男からメールが来ていた。
梦蝶|嘘でしょぉぉ.........
私はスマホを握り、ベッドに大の字に倒れ込んだ。
結局、いや当たり前だが、灰谷蘭へのメールはまだ返せていない。
だがそれはそれで殺されそうで、とてつもない恐怖感が体に出ている。
通知のバーをタップし、メールを開く。
するとその内容に、私は息が止まりそうになった。
「今日会えねー?」
梦蝶|...まじか
今の時刻が11時。
そしてこれが送られてきたのは今日の10時35分。
という事は今さっき来たと言って良いだろう。
梦蝶|...こ、これは返すべきなのか、?
でも昨日会ったばっかりの人と今日も会うってヤバい奴じゃん...
一体どうすれば、、
ピンポーン
その時、家のインターホンが鳴った。
何か宅配頼んだかなと頭の中で思い出す作業をする。
だがその記憶は一切無い。
という事は三ツ谷?もしかして八戒の可能性も、、、
いやでもこんな微妙な時間に私の家に来る筈.....
私は恐る恐る、鳴ったインターホンの映像を見て人物を確認した。
梦蝶|え
そこに居たのは、昨日の″灰谷蘭″だった。
梦蝶|え、あッ、え!?
私はバッと頭を抱えその場にしゃがみこむ。
いや待って、これどういう状況?
やっぱり私昨日付けられてた?
名前教えなきゃよかった?
いやでも名字教えてないから家まで来れないはずなのに。
今日こそ私、殺される、??
ラン|梦蝶ー、居るだろー??
恐怖と疑問でいっぱいになっていた時、ドアの向こうから華奢で綺麗な声が響く。
梦蝶|いッ、居ないです!!!!
ラン|居るじゃん
何やってんだバカ、!!何が居ないですだ返事してたら居るだろーがぁ!!
ラン|覚えてるだろ、暇だから遊びに行こーぜ
梦蝶|あ、遊ッ!??
昨日会ったばっかりなのに遊びに行くの!?今の時代そんなになっちゃった訳!?
ラン|取り敢えずドア開けろ~
梦蝶|は、はいッ!!
私はその「開けろ」という言葉に反応してしまい、
というか、この灰谷さんの声に反応してしまった気が、、...
ともかく反射的にドアに手をかけてしまっていた。
ラン|おはよ。今起きたんだ?
ドアを開けた先には、昨日会ったモデルの様な人。
梦蝶|な、何で家.......って、あ!!
すっかりパジャマ姿なのを忘れていた。
頭もボサボサだし、恥ずかしい...
ラン|いーよ、そのままで。かわいーし
梦蝶|か、かわわわ、!?!?
つい混乱と恥ずかしさで変な喋り方になってしまう。
梦蝶|て、ていうかッ、何で私の家知って...
ラン|あ?そりゃ珍しい名前だからな。直ぐ分かった
やっっっっぱり名前だったか.....
梦蝶|い、いや、流石に昨日会った人と遊びには.......
ラン|何で、良いだろ別に。これから仲良くなりゃ
梦蝶|い、いやぁ.....そういう問題では無くてですね...
ラン|んじゃそういう事で、ほら早く準備して
梦蝶|え!?いや、ちょッ
ラン|お邪魔しまーす
すると灰谷さんは玄関で靴を脱ぎ、私の部屋へと入ってこようとした。
梦蝶|ちょちょちょちょ!!部屋めっちゃ汚いですから、!!
ラン|何でもいーよ。オレ待ってるから
平然とそんな事を言う。
昨日会ったばっかの人に部屋押しかけられてるって本当にどういう状況?
普通だったら警察に通報してるレベルなのに...何で私してないの?
灰谷さんが...良い人だって思ってるから、??
ラン|何処行きたい?オレ何処でもいーけど
梦蝶|え、?えっと...カ、カフェ?
何で答えてるの私、、、
ラン|何で疑問形?
梦蝶|す、すみません...
ラン|敬語辞めろよ、何かやだ
梦蝶|え、あッ、ごめん...
何で謝ってるの私、。
ラン|カフェかー、オレいい所知ってるからそこでい?
梦蝶|は、はいッ!!
ラン|だから敬語ー
梦蝶|ご、ごめんッ、!!
何で普通に喋ってるの私!!!!!
ラン|あ、そだ。着替え見られんのやだろ。オレあっち向いとく
梦蝶|あ、ありがとう...?
すると灰谷さんはくるっと向きを変え、座り直した。
梦蝶|(ほ、本当に行くの!?)
まずまずこの状況に頭が追いついていない。
でも勝手に手は服を選んでる。
それは、、灰谷さんを悪く思ってないから、?
梦蝶|あ、あの...灰谷さん
ラン|蘭でいーよ
梦蝶|ら、蘭.....は何でそんなに私と、、
ラン|...理由なんて分かんねぇよ。タダお前と遊びてーだけ
梦蝶|そ、そっか...
パッと見本当に怖そうで芸能人みたいなオーラ放ってるけど、喋ってみたら案外そうでも無かった。
東卍の人達と普段一緒に居るから麻痺してるのかも。
数分経った後、私は無事着替えが済んでいた。
梦蝶|き、着替え終わったよ。蘭
ラン|もうそっち向いていーの?
梦蝶|うん
そう以外にも律儀に聞いて来た後、蘭はくるっと此方を向いた。
改めて見ても顔立ちがとても良い。
ラン|服かわいーじゃん。もう行けんの?
梦蝶|かッ、、//
な、何顔赤くしてんの自分!!
こんな殆ど初対面の人に......
梦蝶|あぁぁ...あともうちょっとだけ!髪の毛やる!!髪の毛!!
ラン|おー、髪の毛な。りょーかい
慌ててストレートアイロンを引き出しから取り、そのまま準備をしていった。
そして今。
蘭とお洒落~でクッッッソ高いカフェに来ている。
この人のオーラからしてそうだと思ったけど、こんな高級カフェに行くとは思っていなかった。
何だよフラペチーノだけで898円って!!!!!殺しにきてんのか!!!
で、でもこのパンケーキとか凄い美味しそうだし...
あぁぁ...でもこのサラダも美味しそう.........
ラン|オレ奢るから気にしねぇで頼めよ
梦蝶|えッ
ラン|このパンケーキ食べてぇんだろ?
梦蝶|い、いいの...!?
ラン|...何その顔、笑
梦蝶|あ、ご、ごめんッ...
わ、わらった!!!!
ラン|いーよ、オレから押しかけたし
梦蝶|ありがとう、、
私、こんな優しい人疑ってたのか。
普通の人だったらこんな高級な物奢るとか絶対出来ないし。
しかも何より顔が良い。
やっぱりこの人、、もしかして本当に良い人だったり、?
梦蝶|じゃあ...これとこれと...あ、これも美味しそう...
ラン|めっちゃ食べんじゃん
梦蝶|あっ、ごめんッ、つい...
食いしん坊って思われた!?人の金なのに私遠慮し無さすぎじゃん!!
ラン|何で謝んだよ、ほら何が食べてーの?
梦蝶|.............
ラン|.....何?
梦蝶|いや...優しいなぁって思いまして、
ラン|ッ、、...敬語
梦蝶|あ、ごめん!!
ラン|だから謝りすぎだっつーの
その瞬間、私は新しく仲間が出来たように感じた。
普段喋らない様な、生きている土俵が違う人と喋ると不思議な気分になる。
私はその食感を、ふわふわのパンケーキと一緒に噛み締めた。
カフェに行った後、服を見に行ったり、ゲーセンに寄ってみたり
道端で見つけたかき氷屋でかき氷を食べたりした。
あんなに最初は警戒心MAXだったのに、今では一緒に歩く仲だ。
辺りはもう夕飯の時間で、これから家に帰ろうという気分だった。
そういや今日晩飯は三ツ谷の家で食べるんだった。
このまま家行っちゃおうかな。
ラン|いっぱい買ったな~
梦蝶|う、ごめん...見ちゃうと買っちゃう癖あって...
ラン|梦蝶がどれも似合っちゃうからだろ
またこの人はこんな恥ずかしい事をさらっと言う。
もしかして無意識なの?
梦蝶|...今日はありがとう、楽しかったよ
ラン|.....あのさ
梦蝶|ん?
ラン|せっかくだし、晩飯も一緒に食ってかねー?
梦蝶|えッ
ラン|このまま帰んのもキリ悪いだろ
...ど、どうしよう。
昨日の集会で三ツ谷ん家で晩飯食べるって言っちゃったよ!!!
連絡しないと...
梦蝶|あ、うん。ちょっと待ってて
そう言ってスマホをポケットの中から取り出し、メールのアイコンを開く。
すると幾つかもう通知が入っていた。
「今日何時ぐらいに来んの?」
「マイキー達も居るから」
「あと今日の晩飯焼肉な」
その3件だった。
梦蝶|(焼肉...食べたい...)
当然あの三ツ谷の事だし、私の晩飯の分は作ってあるだろう。
どうしよう、それだったら本当に申し訳ない。
三ツ谷の方を優先したら、蘭に申し訳ない。
でも蘭の方を優先したら、三ツ谷に申し訳ない。
...でも先約は三ツ谷の方なんだし、今日はマイキー君達も居るからな。
「ごめん、ちょっと遅れるかも」
「私の焼肉とっといてね」
私はそう2言返した。
すると直ぐにその返事は返ってきた。
「りょーかい」
その淡々とした言葉に、私は少し微笑んでしまった。
ラン|なぁ~、誰とメールしてんの?
すると、私の顔を覗き込むように顔を寄せてきた。
梦蝶|ひぇ.....
蒸し暑い夏、顔の熱さと熱気でやられそうになった。
ラン|何食べたい?オレ梦蝶に合わせる
梦蝶|あ、えっと...
言わなきゃ。今日は先約があったって。
梦蝶|あ、あのさ、蘭...
ラン|?何だよ
梦蝶|今日の夕飯の事なんだけど、昨日友達と約束しちゃってて、
梦蝶|気持ちは有り難いんだけど、また今度で.....
ガッッ
私が言いかけた途端、スマホを持っている手を掴まれ
コンクリート製の壁に押し当てられた。
梦蝶|ッ、、ら、蘭、??
所謂壁ドン的なやつ!?!?
ど、どうしようこれめっちゃ恥ずかしい、!!!
少女漫画とかでよく見た事あるけど、実際こんな感じなの!?!
ラン|その友達、何処のどいつか知らねぇけどさ
ラン|オレ、梦蝶と食べたいって言ってんだけど
その綺麗な顔が近くて、暑い夏の気温もさらに自分の体温で熱くなる。
梦蝶|ぇ...っと...
ヤバい。恥ずかしくて声出ないわ...
ラン|な、別にいいだろ?
そうニコッと笑う顔に、私は射抜かれたように心臓が跳ねた。
梦蝶|ひゃ、ひゃい....
結局は彼の言葉に負け、晩飯は蘭と取る事にした。
当たり前に、彼の連れて行ってくれたレストランは高級店だった。
ラン|...美味い?
梦蝶|うん!!!
私は笑顔でそう答えた。
fin.
おまけ:
ミツヤ|彼奴おせーな...
マイキー|ねぇ~、梦蝶の分の焼肉食ってい~??
ドラケン|もう食って良いんじゃね?来ねーし
ミツヤ|.....焼肉は保存できねーしな...
ミツヤ|自業自得だ、食っていいぞ
マイキー|やった~!!!
チフユ|すんません!!ご飯おかわりいいすか!!!
タケミチ|あ、俺もお願いしやす!!
ミツヤ|お~、いいぞ~どんどん食ってけ~
結局梦蝶ちゃんの分はマイキー君に食べられてました。
ib
ib
ib
ib
ib
ib
ib
ib
ib