数日後
○○はまた銀行の応接室にいた
机の上には資料と計算表
いつも通り整えたはずなのに
手の中の紙が少し震えている
国見
国見
低く落ち着いた声に顔を上げた
国見さんは相変わらず無表情で
資料を丁寧に指でなぞっていた
〇〇
国見
国見
そういいながら国見さんは
胸ポケットからペンを取りだした
国見
〇〇
国見
国見
○○は手元の資料に目を落とす
〇〇
調べ不足の自分に恥ずかしさを覚えた
国見
〇〇
国見
国見
優しい声だった
国見
国見
国見
国見
国見
〇〇
〇〇
国見さんは横に置いてあったお茶を飲んだ
〇〇
〇〇
○○の声には驚きが混ざっていた
普通、銀行員なら融資の審査で終わる
国見
国見
淡々と答えたが
ほんの少しだけ口元が和らいだ
国見
国見
〇〇
その言葉には
仕事以上の響きがあった
国見
〇〇
国見
国見
短く言葉を交わし
書類をまとめる国見さん
立ち上がる姿勢は無駄がなく
整っていて、どこか遠い。
○○は少し迷ったあと
思い切って口を開いた
〇〇
国見
〇〇
〇〇
国見の進める手がわずかに止まった
ほんの一瞬
心に沈めたものが揺れる
国見
国見
国見
声は穏やかだったけど
それ以上を拒んでるような気もした
もしかして...遠慮してるのかな
アドバイスしてくれたお礼も兼ねたいんだけど
〇〇
〇〇
〇〇
国見は1度だけ目を閉じ
静かに息を吐いた
国見
国見
国見
それだけ言って軽く頭を下げる
彼の横顔に
○○は胸を撫でられた
あの日から2週間がたった今
国見さんは訪れない
〇〇
○○は軽くため息をついてカップを洗った
るい
〇〇
〇〇
るい
るい
〇〇
るい
〇〇
〇〇
〇〇
るい
るい
〇〇
るいちゃんが上がって
1人静かな時間が流れる
今日も...ぼちぼち
生活できない収益じゃない
というか収益よりも
自分の腕のなさに自信を無くす
〇〇
その時、カフェのドアベルがなった
閉店時間
外はすっかり夜の色だった
カウンター越しに顔を上げると
そこには国見さんが立っていた
〇〇
2週間前に誘って以来
1度も顔を出したことはなかった
国見
国見
その言い方は丁寧でも、柔らかくもない
ただ確認するだけ
○○は軽く笑ってから
〇〇
〇〇
と言って席に案内をした
国見さんはカウンターの席に腰を下ろした
メニューを取ったまま
しばらく黙り込んでいた
〇〇
国見
国見
〇〇
〇〇
国見
国見
○○は少しだけ迷ってから
カップの代わりにグラスを取った
〇〇
〇〇
国見
〇〇
〇〇
国見さんはふと○○の後ろにある張り紙に目をやった
国見
〇〇
期間限定のメニューだった
〇〇
国見
〇〇
○○は塩キャラメルラテを目の前に出した
1口飲んだ国見さんは
何も言わなかったけれど
かすかに緩んだ
その顔を見て○○は笑った
国見
〇〇
隼人も苦いの無理だったよね
国見
静かな時間が流れた
その沈黙を埋めるように
○○がポツリと口を開いた
〇〇
〇〇
国見が少しだけ目線をあげる
国見
〇〇
国見
〇〇
国見は少しだけ○○の顔を見つめた
国見
〇〇
呟いた声は薄く消えた
〇〇
〇〇
国見
素っ気ない返事の後
メニューを整えながら
○○はもう一つ質問をした
〇〇
国見
〇〇
国見
国見
国見
〇〇
それきり国見さんはまた黙った
会話続かないな
まぁ...私に興味ないから仕方ないか
無理強いしちゃった
国見
国見
〇〇
〇〇
〇〇
国見
国見
国見
○○は目を瞬かせたあと
ふっと笑った
〇〇
〇〇
国見
国見
グラスの氷がカランとなった
国見は伝票をとり席を立った
国見
〇〇
短い言葉を交わしてドアベルがなる
夜風が入り込んで
カウンターに置かれたナプキンが少しだけ揺れた
残ったグラスの輪を拭き取りながら
○○はぼんやりと思う
何かが
変わっていると
コメント
4件
国見ちゃん、塩キャラメル見つけた時ちょっと目を輝かせてそう💫💫 相変わらず凄く素敵で魅力的な話の構成と言葉で、瞬く間に虜になっちゃいました🤭🤭💗💗💗 ハイキューの夢小説はめっちゃ多いですけど、社会人の国見ちゃんの夢小説は初めて見るので新鮮で楽しいです!🙌🏻🫶🏻🫶🏻 今回もめっちゃくちゃ最高でした!💗💗💗
きゃんわいいですね?国見ちゃんやっぱ塩キャラメル好きなんだねぇ😊 最高でした! 続き待ってます!