双 黒 に 狙 わ れ て ま す

数十分後に店員さんが食事を運んで来る。

私はマルゲリータピザとサラダ、オニオンスープ。 中也がペペロンチーノとサラダ。

さっき机にぶつけたおデコを軽くデコピンされる。

吃驚して声は出たけど些とも痛くない。

中也が本気でやれば私吹き飛んでたし、 おデコに穴も空いていただろう。

中也のそう云う紳士な処好きなんだよね。

と、カット野菜達をフォークで串刺しにして口に運ぶ中也。

ピザが入っている口を手で隠しながら云い返す。

全く、生意気になったものだなぁ。

否、中也と太宰に関しては昔から生意気だわね。

私の前に置かれているピザを指差す中也。

私も釣られて手元のピザを見る。

之というのは、八等分に切ったピザを 先端から丸めて食べやすい大きさに切ってから食べる方法。

手も口の端も汚れないし、具やチーズも零れにくい。

そう云ってフォークに刺したピザをぱくり。

自分のパスタへ視線を戻してスプーンとフォークを使って クルクルとパスタを巻く中也。

ショックだったのかカシャンッと手から スプーンとフォークが落ちる。

結局こんな事で言い合いする二人の方が 余っ程餓鬼臭ぇのでした。