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smrisyu

はぁ......

あまりに退屈でため息が出た。

俺は悪魔だ。

悪魔はもともとそこまで激しい感情はない。

だけど、その中でも俺は感情がない方だ。

何に対しても興味もやる気もない。

ただ、一部の悪魔は一つだけ強い感情がある。

上の悪魔に対する忠誠心だ。

指示を受ければ手駒のように動く。

実際、上の悪魔の指示は忠誠心どうこうでなく従わなければならない。

詰まるところ、"それ"に進んで参加するか、ただ従って参加するかの話だ。

また、上の悪魔は何故か天使を殺したがる。

悪魔の本能が強いのだろうか。

"それ"というのは天使狩りのこと。

上からの指示なんてそれしかない。

もちろん指示を受ければ俺も大概。

拒否権なんてないのだ。

だけど、あいにく俺に天使を殺す趣味なんてないから、殺すふりをして適当に逃している。

バレれば何かしら罰はあるだろうが、上が間抜けばかりで全く気づく素振りはない。

俺はあの日も、天使を狩りに出ていた。

俺に初めての感情を芽生えさせてくれた、あの天使に会った日だ。

天使1

悪魔の襲撃だー!!!

1人の天使が叫ぶと、一斉に天使たちは城へと逃げていく。

悪魔1

逃すな!!片っ端から殺していけ!!!

馬鹿馬鹿しい。

俺はいつものように、家の中に入り口からドアを開けて入って行く。

中に入ると、母親らしき天使と、その腕に抱えられたまだ幼生の天使がいた。

天使2

ひッ、や、やめてっ.....お願い、この子だけは...!

天使3

おかあさんッ.....ポロポロ

必死にこっちへ訴えかけてくる。

俺は母親に近づくと、そっと口を塞いで話し始める。

手をかけると、酷く怯えて震えていたが、俺はあえて強い口調で話す。

smrisyu

静かにしろ。

smrisyu

俺は殺したりしないから。

天使2

......?

smrisyu

そこで子供下にしてうつ伏せになれ。

その親子の上で、俺は自分の腕をナイフで切りつける。

smrisyu

............

腕から流れ出る俺の血が、母親の背中に滴り落ちる。

天使2

え.....どうして....?

smrisyu

そっから動くな。

血がかかっていることによって、親子で死んでいるように見える。

smrisyu

お前らは今から死体だ。ええな?返事はするな。

天使2

...!

smrisyu

じゃあな。

ありがとう

母親のテレパシーだ。

俺は後ろを向き、

smrisyu

がんばって生きるんだぞ。

俺は親子に笑顔でそう言い、家を後にした。

次の家に行くと、ベッドで呑気に寝ている天使に出会った。

俺は、その天使が視界に入った瞬間から、目が釘付けになった。

srnk

なんで殺さないんですか?

俺の視線に気づいた天使が、俺にそんなことを聞いてきた。

寝ていたなら視線になんて気づかないはずだから、おそらく寝ているふりをしていたんだろう。

smrisyu

なんでそんなこと聞くん?

俺は不思議に思い、疑問をそのまま口にした。

srnk

なんか棒立ちで僕のこと見てくるし、攻撃する素振りがなかったので...

smrisyu

いや、そうじゃなくて、

smrisyu

今の言い方じゃ、まるで殺してほしいみたいな感じだったから。

srnk

そうですよ。

srnk

殺してほしいから逃げなかったんです。

srnk

それに、ベッドで呑気に寝ているなんて殺すのに好都合じゃないですか。

smrisyu

なんで...殺されたいん?

srnk

生きてても楽しいことなんてないからですよ。

srnk

天使はみんな幸せそうですけど、何が楽しいのかわからないんです。

srnk

だってここには何もない。

smrisyu

そっか......

俺と同じだ。

この場所をつまらないと感じている。

何もないと理解している。

だからこそ、この子に興味が湧いた。

知りたい。

この子はどんな考えを持っているのか。

この胸の高まりは何が原因なのか。

この感情はなんなのか。

smrisyu

なんか、胸がドキドキするんだ。

srnk

え?

smrisyu

君を見た瞬間から目が離せなくなって、ずっと見ていたくて、それから.....

smrisyu

君のことを、もっと知りたいって思って......この感情の名前を、君と探したいって思うんだ!!

うまく言葉にできているかはわからないが、自分なりに伝えた。

srnk

え、えっと......

srnk

僕には、よくわからないです.....

smrisyu

ご、ごめん.....そうよな.....

やっぱり明確な名前がないから難しい。

俺がその場を去ろうとした時、その天使は言った。

srnk

でも僕も、その感情を一緒に探したいです。

smrisyu

srnk

だから、

srnk

またどこかで会いませんか?

srnk

どちらの街でもない場所で。

smrisyu

そうしよ!

そして、次に会う場所と日にちを決めたところで撤退命令が出たので、俺は街へ戻って行った。

君とならどこまでだって

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コメント

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あ 、 青組だ … !!✨️ かもかい なろのき そら翔 でやってくれるの神すぎます … !! フォロー失礼します !!

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