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俺と彼女が出会ったのは中1の頃だった
俺と同じバレー部の女バレの奴だった
彼女は当時俺より身長が高かった
…今もだが
対して接点はなかった俺たちだったが
体育館点検や鍵閉めなどでよく帰る時間が同じだった
最初はあまり話さなかったが、これからずっと
なんか気まずいのは嫌だなと思い何度か会話をする様になった
ぱっとみどこか冷たそうな印象だったが
離してみれば意外といい奴だった
明るくて、思いやりも…
思いやりはあったか…?
でも時々見せる目がどこか冷たそうで、悲しくて
あいつは目が怖い
切長で、どこか青く澄んでいて
でもその目は綺麗なものでもあったが
怒って時は目で相手を殺せそうな…どこか怖かった
山形隼人
佐伯〇〇
リベロ!?その身長で!?
当時はそう思ったが、あいつの腕は確かものだった
山形隼人
山形隼人
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
佐伯〇〇
彼女はそう言ってニコッと笑みを浮かべた
普段浮かべてる愛想笑いと違く、心の底からの笑顔
その笑顔は今暗闇の道でも眩しかった
山形隼人
山形隼人
佐伯〇〇
とかそんな感じで中1は過ぎていった
中2
中学2年は同じクラスだった
帰り道の彼女しか知らなかった俺がクラスの一面もしった
とりあえず、勉強が出来なくて…
まあ、それは俺もだが…
クラスメイトには優しくて、友達思いで…
いい、性格してたな…今と比べて
あとまあ、彼女はいわゆる…人気があった…
でも超絶モテてる訳てもなかったが…
まあ、モテる要素あるもんなぁ
顔もまあまあ整ってるし、身長高くてスタイル良かったし
胸はなかったが…
みんなに優しかったしなぁ
俺と彼女は仲が結構良くなった気がする
そう思ってるのは俺だけかもしんねえが…
よく体育館裏で話をよくしていた
時のは弁当を一緒にも食ってたなぁ
山形隼人
彼女の箸がそこでぴたりと止まった
あ、余計なこと聞いちまったか…?
佐伯〇〇
山形隼人
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
それ以上は深掘りしなかった
どこの家庭でも家庭の事情は、あんだろ
今になっても、あいつが兄貴2人で暮らしているのかは、あいつしか知らない
山形隼人
佐伯〇〇
山形隼人
佐伯〇〇
山形隼人
山形隼人
とか他愛のない話をよくしていた
あり時男友達に聞かれた
Boys Friend
Boys Friend
山形隼人
山形隼人
実際その手の雰囲気にはならなかった
ん、まあなんつうか…
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ…
少し、異性として見ていた…
よくよく考えてみたら
女子と夜2人で帰って
よく体育館裏で話をしたり、弁当を食ったりしている…
なんだよ、俺青春してんのかよ!?
俺、確かに、佐伯と結構…なぁ…
いつもの様に当番が一緒になって、2人で帰っていった
いつもか…?
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
山形隼人
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
山形隼人
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
山形隼人
心の中を読まれた気がした
読まれた…?
べ、別に俺は佐伯に恋なんか…!
まずなんで佐伯の事を!?
佐伯〇〇
彼女がそう言った瞬間
しゃらん
背後で音がした
彼女がそのまま振り向く
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
どうやら鞄に付けていたキーホルダーかのなんかが落ちたらしい
俺はボーっと彼女の事を見ていた
佐伯〇〇
彼女が拾おうとした瞬間
ピッカ
なんらかのライトが光った
俺はその光が何か気づくまで数秒かかってしまった
あれは車だ
ドライバーも彼女もお互い気づいていない
あ、危ない!
山形隼人
え?と言わんばかりの顔でこちらを振り向くのと
俺が彼女の腕を引っ張るのは同時だった
キキッー!
耳障りな音とお互いの荒息が聞こえる
そんな中俺が引っ張った腕はまだ繋がれてる
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
俺が起き上がろうとしたら
彼女はきゅっと俺の腕を引っ張って
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
その時の〇〇は精神的に追い詰められていた
部員からはあまりいいように思われず
チームプレイのチームが1人だけ外れていた
あんなにでかいのに、リベロだしなぁ…
あんまりいいように、思われないだろ
そんなこんなで2年生が終わった
3年
クラスは違かった
でも、よく体育館裏で弁当を食べたり、他愛のない話をしていた
鍵か掛け当番はもう3年になるとあまりないので
帰りはあまり一緒に帰らなかった
そして彼女の人生が大きく変わった
中総体が始まる
6月あたりに行われる大会で
最後まで勝てば、東北大会そして全国大会までいける
負ければ即終了の3年生最後の試合
確か女バレも結構強かったからベスト4ぐらいには入っていた気がする
白鳥沢男子バレーは北川第一を下し東北大会出場を決めた
まあ、全国もこのままいけるくらいだった
女バレの佐伯はレギュラーだった…リベロの
背の高いリベロとしてちょっことだけ有名だったらしい
そいつの最後の大会はベスト16だった
敗因は相手のマッチポイントの最後のプレー
あいつが綺麗にレシーブしたボールは
誰の手にも触れずに静かに、床に落ちた
あれは拒絶だ
もうお前にはついて行かないと仲間が自分に言った一球だった
ボールが中々繋がらなくて、イライラして放った言葉が
最後のプレーを生んだのだろう
あいつは怒ると、怖いっつうか…なんつうか…?
よく夢小説で見かける
「怒ると北さん並みに怖い」
とかそうゆうのじゃあない
鋭くナイフのような眼光を向けられ
あいつの口から数々の言葉が浴びられる
本人気づいたら、言っちゃってるらしくて
一度開いた口は治せない
と言ってるくらいで、気づいたら仲間が離れて行く感じらしい
今回も溜まりに溜まったストレスが最悪な場所で
暴言となって出てしまった
白鳥沢学園女子バレー部はそれで終わった
そこから数日彼女が体育館裏に顔を出した
佐伯〇〇
佐伯〇〇
そう言った彼女の目は寂しそうで
もう終わってしまいそうだった
山形隼人
山形隼人
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
山形隼人
俺が言いかけた後彼女はこちらに倒れ込んできた
佐伯〇〇
そう言い残し、そこから静かに目を閉じた
山形隼人
山形隼人
俺が問いかけても、彼女は目を覚さない
山形隼人
山形隼人
山形隼人
山形隼人
山形隼人
俺は彼女の顔からそっと唇を離した
山形隼人
彼女は近くのベンチに寝かして置いた
時期に起きるだろう。きっとただの睡眠不足だろうし
彼女を置いて行くなんてあまりしたくなかったが
あんな事をしてしまった限りあれがBestだろう
1呼吸置いて自分がやっていることにやっと理解した
山形隼人
山形隼人
とかまでも思い始めてきた
後からくる羞恥心を抑えながらも、これで最後なんだなと思った
多分これからあいつはもうどうしようもない
チームの負担を背負って生きて行くのだろう
自分が言った一言を後悔しながら
違う「佐伯〇〇」として生きて行くのだろう
まあこれで
俺の恋も終わった
隣のクラスの奴がいきなり髪を染めて
「金髪ギャル」
になった噂を聞いたのは
後から数日後したことだった
次回最終回
「卒業」