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何言ってるんやこいつ。 そんなやつ今まで見たことあらへん。 馬鹿げてる。頭がおかしい。 そんな罵倒が頭を埋める中、ひとつの感情が芽生えた。
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心が満たされる音がした。 今は冬なのに暖かい胸は病気なんだろうか。 長年生きてきたがこんなこと1回も無かったのに。
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何でかわかんないけどほっときたく無くなった。 突然だ。突発的だ
いきなり心変わりしたのだ。 不思議なものだ。
なんでかいきなりこいつを助けたいと思ってしまった。
苦労するのに、俺は疲労で死んでしまうかもしれないのに。
なぜかこいつだけは助かって欲しいと思ってしまった。
よく分からない感情を不思議に思いながら彼へ俺が付けていたマフラーを巻いて背中に背負った。 幼い身体なのもあるがあまり食べてないのか細いため運ぶのは簡単だった。
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初めての感情は酷く俺の心を乱して混乱させた。 だけどそれさえも心地よくて今すぐにでも眠りにつけてしまいそうだった。
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庭園前を歩いているオスマンに運良く出会えた。 多分もう仕事は終わってるだろう。
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羽織っていた深緑のストールを俺と背中の奴にかけてくれた。これで幾分かマシになってくれただろうか。
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彼は手につけていた手袋を外して俺の頬を撫でた。暖かいとは言えないその手が心地よい。
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オスマンに背を向けて足を早めた。
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興味深そうに彼は「こんなの、前世でも無かったのに」と言いながらロボロが走った方向とは違う方向へ歩いていった。