キーンコーンカーンコーン…
1限目の開始を告げるチャイムが鳴る。
それでもぽつぽつと数席、埋まっていない所がある。
先生
先生
先生
先生は黒板へ顔を向けると、チョークを走らせていく。
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
自転車通学のわたしにはそんなシステム無いしな😑
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
1限目が終了して少し。 続々と電車通学のクラスメイト達が登校してきた。
奈緒
ゆな♡
奈緒
数学どうだった?
奈緒は笑みを浮かべて私に問いかける。
ゆな♡
寝ててあんまり覚えてないけど…
奈緒
ゆな♡
奈緒こそ、数学1時間分遅れてるんだからちゃんとやらないとね?
奈緒
ゆな♡
奈緒はいわゆる夜型人間。 電車通学だというのに朝にはめっぽう弱いらしく、寝坊したというRINEがよくくる。
…まあ、そんなときS線は遅延してるけど。
奈緒
ゆな♡
奈緒
教科書取ってくるね〜
ゆな♡
奈緒が教科書をもって席に着くと同時に2限目を知らせるチャイムが鳴った。
あれからいつも通り学校が終わり、帰宅する。 私は何の気なしに奈緒にRINEを送った。
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
奈緒
そりゃあ人もバンバン落ちるわな
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
奈緒
ゆな♡
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
おやすみ!!😴笑
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
ブツブツ言いながら、英語の課題を解く。
幸い先生に当てられていたところは比較的簡単な部分で、少し調べれば終わる程度だった。
ゆな♡
ゆな♡
ベッドに横になり、リモコンで部屋の明かりを消す。
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
枕元に置いていたスマホでS線の遅延について検索してみる。
『S線の相次ぐ人身事故! ホームに棲む地縛霊の仕業か?』
ゆな♡
今度は、tmitterで同じように検索してみる。
@あろわな 最近S線のC駅でめっちゃ電車止まるの マジでダルい、こんな遅延証明もらうのに慣れる日が来ると思わなかったわ
ゆな♡
@ナウい人 S線まじ止まりすぎエグい てか誰か突き落としてんじゃねえのってくらいえぐいて
ゆな♡
@さや ドンって音がしたと思ったら電車止まった… どうしようS線トラウマだよ
ゆな♡
奈緒
奈緒
奈緒
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
早朝。早めに目を覚ました私は、 S線の最寄り駅へと向かっている。 うちの高校の最寄駅でもある。
わざわざ早起きをしてどうしてこんなことをしているかというと…
奈緒のことを疑っている自分がどうしても許せなかったのだ。
奈緒がいたら一緒に行けばいい。 そんなことを思いながら。
ゆな♡
最寄りのA駅までは家から徒歩15分。 それなりに近い方だと思う。
改札前にある電子掲示板には、通常通りの電車のダイヤが表示されている。
ゆな♡
ならこのまま、奈緒と一緒に折り返そう。
今学校に行っても早過ぎるし。)
改札にICカードをタッチして、C駅方面のホームへと並ぶ。
程なくして、電車が来る。 たくさんの降りる人を待ってから、私は電車に乗り込んだ。
ゆな♡
C駅はA駅から20分程度かかる。 このまま折り返せば、いつもの登校日に間に合うくらいの時間になりそうだ。
一度改札から出て、もう一度電子掲示板を見る。 A駅と同じように、通常通りのダイヤが表示されている。
ゆな♡
ゆな♡
ゆな♡
安堵のため息をつき、スマホを取り出してRINEを送ろうとした時、
ゆな♡
自分と同じ制服を着た女の子が駅のトイレから出てくるのが見えた。
ゆな♡
急いで改札を抜け、奈緒らしき女の子の通った後を追いかける。
駅は人が多く、彼女をすぐに見失ってしまいそうだ。
ゆな♡
パタパタと、急いでホームへの階段を駆け下りる。
階段を降りながら、先ほどの女の子がいる場所を探す。
ゆな♡
自分と同じ制服、見覚えのあるモカ色のカーディガン。さらりとした長い茶髪。 気だるげな立ち姿。
ゆな♡
ゆな♡
そう思い、ホームへ降り、歩いていると、電車が来るアナウンスが鳴る。
S線○番ホームA駅行き、電車が参りますーー
電車の走る音が近づいてくる。
ゆな♡
スマホを触りながら待つ人だらけのホームで。
私はただ見ていることしかできなかった。
奈緒が、前に並んでいたサラリーマンを、足元まで下げた自分のスクールバッグを蹴って
突き落としたのを。
短い悲鳴をあげたサラリーマンは、ゴンッ!と強い音を立てながら
線路に落ちていった
すぐそばまで来ていた電車は、 そのまま彼の上を走っていった
ゆな♡
私の虚しい言葉は、電車の音や周りの悲鳴に掻き消された。
斜め前から見えた、微笑む奈緒を
私は、恐ろしいと思った