むかし、一人の旅人が町はずれの大きな木の下に、 しょんぼりと腰をおろしていました
長い旅でお金はなくなり、朝から何一つ食べていないのです
旅人はお腹がへって、目が回りそうです
ふと、足もとに落ちている古ぼけた火打ち箱に目がとまり、 なんの気なしに中から火打石を取りだすと、力チ力チと鳴らしました
すると不思議な事に、大きな犬が、どこからともなく飛んできて、
シャオ犬
と、聞いてきたのです
旅人ウィン子たま
シャオ犬
旅人が答えると、犬はどこかへ飛んで行って、 お金のいっぱいつまった財布をくわえてきました
旅人ウィン子たま
旅人ウィン子たま
シャオ犬
旅人ウィン子たま
そして、
シャオ犬
旅人ウィン子たま
と、言うと、煙のように消えてしまいました
旅人は大喜びで、そのお金でお腹いっぱいごちそうを食べて、 夜は久しぶりに宿屋に泊まりました
旅人ウィン子たま
宿屋の部屋の窓から、はるか向こうの大きなお城をながめていると、向こうの窓からも一人の美しいお姫さまが、こちらを見ているようでした
旅人ウィン子たま
旅人は火打ち石を、力チ力チ鳴らしてみました
すると昼間の犬が、窓から飛び込んできました
シャオ犬
旅人ウィン子たま
旅人がわけを話すと、犬はすぐに窓から飛びだして、 まもなくお姫さまを背中に乗せて戻って来ました
変ドリー姫
旅人ウィン子たま
お姫さまは旅人の楽しい旅のお話に、夜のふけるのも忘れるほどでした
夜明けになると、犬はお姫さまを背中に乗せて、お城に送り届けました
犬のおかげで旅人は、あくる夜も、そのあくる夜も、 お姫さまとお話しすることができました
ところがある夜、王さまの家来が、 犬がお姫さまを連れ出すところを見つけてしまったのです
家来はすぐにあとをつけましたが、見失ってしまいました
そこで家来は次の日、底に穴を開けた小さな袋にそば粉をつめて、 それをお姫さまの着物のすそに、結わえておきました
夜になると、お姫さまはまた犬の背なかに乗って、旅人のところへ行きました
でも、袋からそば粉がこぼれたことには、気が付きませんでした
あくる朝、家来たちは落ちているそば粉をたどって宿屋におしかけ、 旅人を捕まえました
お城に引き立てられた旅人は、王さまに向かって言いました
旅人ウィン子たま
王さまは、カンカンに怒って、
雑ン王
と、家来たちに命令しました
お小言家来
雑ン王
雑ン王
お小言家来
お小言家来
家来たちが旅人に向かって、いっせいに鉄砲の引き金を引こうとすると、 旅人は素早く火打ち箱から火打石を取り出して、力チ力チと鳴らしました
すると、
シャオ犬
あの犬が現れて、家来たちを相手に大暴れしました
シャオ犬
シャオ犬
旅人ウィン子たま
____________ドコッ、ドコッ!!
お小言家来
シャオ犬
旅人ウィン子たま
___________ボコーン!
そして、すべての家来たちをやっつけた犬は、王さまに向かって言いました
シャオ犬
雑ン王
シャオ犬
そう言うと、どこかへ消えてしまいました
雑ン王
そう思った王さまは、さっそく旅人とお姫さまの結婚をお許しになり、 旅人に王さまの位を譲りました
そして犬の言葉通り、この国はいつまでも栄えたということです
おしまい
コメント
1件
変ドリーは伝説よね