律
夜にかかる虹
はその均衡を保つためのものなのだ。
夜がかかる虹とは神の創った世界の均衡を保つ装置であり、それを管理しているのがあの男だという。
そしてあの男こそが世界を破滅へと導く存在であるとも……。
そしてそれは今まさに実行されようとしている。
アイシャよ、どうか奴を倒して欲しい。そうすればこの世界に平穏が訪れるだろう。
そう言い残して消えていくリリア。
アイシャは龍達との戦いで傷つきながらもなんとか龍の巣まで辿り着く。
そこで待ち受けていたのは屍の姿を模した巨大な怪物であった。
「もうすぐだ、あと少しで完成するぞ!!」
屍の声色で喋る怪物にアイシャは必死に抵抗するが、やがて圧倒的な力で押し切られてしまう。
するとそこに現れたのはなんとリリアだった。
「お前に力を授けよう。これで倒せるはずだ」
そして再び立ち上がってきたアイシャ。だが、その時すでに彼女の身体の半分以上が死んでいた。
もう長くはないからこそ最後に伝えたいことがあると言う彼女に対し、アイシャは静かに耳を傾ける……。
アイシャはリリアの話を聞き終わると、「ありがとうございます」と言った後こう続けた。
―そうだったんですね、でも私はそれでもいいと思いますよ。だってこうして出会えたじゃないですか。
たとえ作られたものだとしても、私たちは私たちの意志で生きていけます。
それにきっと神様だってわかってくれますよ。だから今度会う時はもっと楽しい話を
