コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昼間なのに真っ暗になるこの空間が好きで 天井に光る小さな星々が好きで 私は今日もこの場所を訪れていた
晴
ビー… と、アナウンス後終了の音が鳴り周りが明るくなる。 早々に席を立ち出て行く人達を見送りながら私は余韻に浸るように椅子に座ったまま目を閉じた
そしてどの位時間が流れたのか… でもきっと長い時間そうしていたに違いない。
館長さん
目を開けると面前に無精髭の生やしてる…その割には整った顔の、多分二十代後半くらいの男性。 私は慌て起き上がるがその際、勢いが良すぎた所為でお互いの頭がぶつかり涙目に相手を見上げた。
晴
館長さん
晴
晴
館長さん
晴
館長さん
私は毎日このプラネタリウムにやってきて、丁度閉館の七時に帰る…なんとも面倒臭い客なのである。 それでも館長さんは呆れはするものの何も言わない。 寧ろこうやって閉館時間になれば起こしてくれる…。 館長さんが星好きには優しいのがわかっているから甘えている面もあるかもしれない
晴
館長さん
晴
遊び心で敬礼のポーズを取れば否応なしに館長さんから頭上にチョップを貰ってしまった。
電気をすべて消された館内は何だか怖い。 毎度のことながら怖がりな私は小さく体を震わせた。 館長さんが入り口に鍵を掛け、開かないことを確認してから此方にやってくる。
晴
館長さん
晴
館長さん
雰囲気で怒ってるのが分かり、頭を殴られないようガードしておいた。
晴
館長さん
晴
館長さん
くしゃり、頭を大きな手で撫でられぼんやり館長さんの顔を見る。 この瞬間が毎日楽しみになっているのは、何故だろうか。
昔から遠い所から一生懸命に光っている星が好きだった 暗い夜を小さな光が集まって照らしてくれる、優しい星の光。
興味があって…でもどうこうする気もなく過ぎた小学生。 ちょっと近所の小さなプラネタリウムが気になりだした中学生 そしてプラネタリウムに入り浸り出した高校生…イコール現在。
初めてのプラネタリウムは予想外に綺麗で驚いたものだ。 本当に近くに星がある錯覚。 ぼんやりとそれを見ていたら、気が付けば閉館時間になっていて館長さんに声をかけられ…って、今考えれば初めから館長さんにはお世話になりっぱなしであった。
晴
館長さん
歩く一歩一歩の幅が違いすぎるのに、平然と隣にいる館長さん。 それをくすぐったく思う。
晴
館長さん
晴
館長さん
晴
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
確かに平凡ですけど… ブスッと顔をしかめれば途端謝られた。
東雲星夜
晴
いきなり名前呼び捨てされ何故かドキッとする。 それを振り払うように空を見た。 空の星は、プラネタリウム程星はなく煌めきも少ない。 肉眼で確認できる星は数を数える位しかないのが悲しい。 本当の星は人の作り出した人工的な光の所為で見えなくなっていて…。
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
晴
私はその光景を思い出して頬が緩むのを感じた。
晴
どうでもいい話ですすみません、と謝れば隣から柔らかい空気 見れば小さく笑っていた星夜さんと目があった
東雲星夜
晴
東雲星夜
不意に星夜さんが空を指差した。 指に沿って空を見上げる。
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
興味持ったら、全て知り尽くすまで諦めなさそう、と言えば苦笑いされた。 否定しないんですね…
東雲星夜
晴
晴
東雲星夜
途端吹き出しお腹を抱え大笑いする。 声が静かな住宅街に響く。
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
晴
東雲星夜
背中を押した。 油断していた星夜さんは電柱に当たりそうになり、慌て避けていた。 してやったり、と笑い私はY字の曲がり角の左手を曲がる ここが私と星夜さんの別れ道。
晴
手を上げ、仕返し出来上機嫌な私は悠々と歩く 悔しがってると想像していたのに
東雲星夜
何事もないように後ろから言われた ひとつ上手な星夜さん。 悔しいけれど…
晴
昨日は「またな」だけだった。 今日初めて名前を呼ばれた… ただそれが嬉しくて… 何でも許せる気がした。