主
今日公園の前通ったら
主
おじいちゃんが鳩に囲まれてて笑った
主
本編どぞ
晴翔
それと…1つ、キミに謝らないといけないことがある
晴翔
この学園が全寮制という形式をとっているのは知っているね?
初兎
はい
晴翔
実は…手続きのミスで、キミは男子寮の入寮になっていることが先日分かったんだ
初兎
…え?
男子寮…?
晴翔
急いで女子寮の方に手続きし直そうと思ったんだが、今年は新入生が多く、どうしても空きが出なくて…
え、ええっと…。
う、うち…こんなちんちくりんやけど、一応、性別は女やねんけどっ…。
晴翔
増築作業をしているから半年後には別室を用意できるのだが…半年だけ、我慢してくれないだろうか?
理事長の言葉に、流石にすぐに「はい」とは言えなかった。
そして、隣にいたいるま先輩も動揺を隠せないみたいだった。
いるま
理事長、本気ですか?
いるま
これでも一応女子生徒ですよ?
こ、これでもって…。
晴翔
大丈夫だ
晴翔
彼女に入寮してもらうのは、生徒会専用寮だからな
いるま
はあ?
晴翔
何か困ったことがあれば、お前も助けてやってくれ
初兎
生徒会専用寮…?
晴翔
ああ、中高の生徒会役員のみが所属できる寮なんだ
晴翔
キミに住んでもらうのは、そこの最上階だ
晴翔
最上階のみエレベーターが使えるようになっていて、出入りは裏口からできる
晴翔
他の生徒にはバレることはないだろう
晴翔
ちなみに、最上階に住んでいるのは副会長と生徒会長だけだ
晴翔
そこにいる紫苑と…私の息子だよ
え?いるま先輩も一緒…?
よく分からんけど…いるま先輩がおるなら、大丈夫な気がしてきたかも、しれない…。
いるま
…それ、ないこは知ってるんですか?
いるま先輩の口から出た、"ないこ"と言う名前。
その人が、生徒会長さん?
晴翔
ああ、昨日伝えてある
晴翔
怒っていたけれどね、ははっ
いるま
笑い事じゃないですよ、理事長
全く悪気がなさそうな理事長の姿に、いるま先輩がため息をついた。
晴翔
不安もあるかもしれないが、安心してほしい
晴翔
部屋はもちろん、浴室や全部屋に鍵の設備はしてある
晴翔
それに、私の息子は人付き合いが苦手というか他人には無関心の奴でね、
晴翔
特に女の子は苦手だから、関わらなくて済むだろう
晴翔
ハッハッハッ
いやいや理事長、学校的に大丈夫なんですかっ…⁉︎
まぁ別に、部屋が分かれているなら気にすることもないのかもしれんけど…。
それに、相手の男の子も、うちをどうこうだなんて思わんやろうし、何より、同世代の男の子になら力に負けない自信がある。
晴翔
半年後には女子寮に個室を用意させてもらうから、半年だけ我慢してもらえないだろうか…?
…仕方ない。
初兎
は、はい…分かりました…
まろちゃんにはきちんと説明するとして、今はYESと返しておこう。
晴翔
ありがとう
晴翔
そう言ってもらえて安心したよ
晴翔
ちなみに、男子寮ということは黙っていてもらえないだろうか?
晴翔
流石に女の子を男子寮に入れるだなんて、メディアにでも流れたら大問題だからね、ハハッ
そう言って笑う理事長に、本当にこの人は理事長なのかな…と、一瞬疑問に思ったのは心の中に留めておこう。
晴翔
紫苑、お前も内密にしててくれよ
いるま
俺がそんなことすると思いますか?
晴翔
ハハッ、そうだな
晴翔
お前のことは信頼しているよ
晴翔
親子揃ってね
なんだか、いるま先輩って苦労人そう…。
晴翔
おっとすまない
晴翔
無駄話が過ぎたよ
晴翔
それじゃあ、粗方の説明は終わりだ
晴翔
何か質問はあるかい?
初兎
いえ、ありません
晴翔
そうか
晴翔
それじゃあ紫苑に部屋まで案内させるね
晴翔
キミが素敵な学園生活を送れるように祈っているよ
初兎
ありがとうございます
晴翔
紫苑、頼んだよ
いるま
はい
いるま
…行こうか、初兎
初兎
はい
晴翔
お?珍しいな、紫苑が女の子を名前で呼ぶなんて
いるま
そんなことないですよ
いるま
余計なこと言わないでください理事長
少しだけ焦った様子を見せたいるま先輩を不思議に思いながら、その後ろをついていく。