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嘘

第1話 - 嘘

134

2018年06月17日

#恋愛

Sea

かんな

あのね...

かんな

聞いてほしいことがあるの

創

あれ

創

先輩から相談なんて

創

珍しいですね

かんな

そうかな

かんな

あー

かんな

そうかもね

創

どうしたんですか？

かんな

あのね

かんな

あー

かんな

ごめんなんでもない

創

え？

創

気になりますよ

かんな

そっか

かんな

ううん

かんな

でも

かんな

これは男子に相談するようなことじゃないし

創

先輩俺のことちゃんと男だと思ってたんですね笑

かんな

あーごめん取り消す笑

創

えーショック

創

俺実は男なんですよ

かんな

えー知らなかったー笑

創

ひどい！

かんな

嘘だよ笑

創

まあでも

創

今までいっぱい話してきたし

創

男とか女とか関係なかったはずですし

創

聞きますよ

創

女の子の方が話しやすいならそれでもいいですけど

かんな

ううん

かんな

そういうんじゃない

創

ぱっと

創

俺を選んでくれたなら嬉しいです笑

かんな

ごめんね

かんな

これからする話

かんな

創のこと傷つけちゃうかもしれない

創

え？

かんな

あ

かんな

ううん

かんな

そんなわけないよね

かんな

ごめん気にしないで

創

まあ、はい

創

いいですけど

創

なんですか？

かんな

あのね

かんな

今日部活早く終わったから

かんな

結構それぞれでのんびりして

かんな

それから帰ったじゃん？

創

はい

かんな

それで

かんな

祐太郎と一緒に帰ったの

創

え？

創

付き合ってましたっけ？

かんな

ううん

かんな

違うよ

創

ですよね

創

マネージャーとエースっていう関係にしか見えてなかったので

創

一瞬びっくりしました

かんな

違うよ全然

かんな

そういうんじゃないから笑

創

それで？

創

どんな話したんですか？

かんな

うーん

かんな

結構上の空だったんだ

かんな

だからあんまり覚えてないけど

創

上の空？

かんな

うん

かんな

あのね

かんな

思ってたより祐太郎背高くて

創

エースですから笑

創

バレー部のエースなんてだいたい背高いですよ笑

かんな

それは知ってる

かんな

けど

かんな

なんか

かんな

すごい優しいし

かんな

男らしくて

創

はい

創

まあ

創

そうですよね

かんな

なんか

かんな

だんだん思い出してきた

かんな

ほんとに優しかったんだ

かんな

たぶんあたしがバスで帰る感じじゃなかったら

かんな

家まで一緒だったと思う

創

送るよって言われたんですか？

かんな

ううん

かんな

そんなストレートじゃないけど

かんな

暗くなってきたね、家どこら辺だっけ、って

創

わー

創

すごい優しいっていうか

創

それはもう気がありますね笑

創

送る気満々

かんな

やっぱりそうかな

かんな

バスだって言わなきゃよかったな

かんな

そしたらもっと長く一緒にいられたよね

創

送ってほしかったんですね

創

家まで

かんな

今帰ってきてから気づいた

創

先輩ってほんと抜けてますね笑

創

せっかくのチャンスだったのに

かんな

誘ったわけでも誘われたわけでもなくて

かんな

ただ玄関で一緒になったから一緒に帰る流れになっただけなの

創

はい

かんな

だから心の準備とかできなくて

創

あーなるほど

創

まあ

創

先輩そういうのいっつも考えてるほど肉食じゃなさそうだし笑

かんな

そりゃそうだよ笑

創

でも気がなかったら

創

ちょっとタイミングずらすとかできます

創

友達待ってるふりするとか

創

靴履くのに手こずってるふりするとか

創

俺だったらしますよ

かんな

えーでも

かんな

祐太郎クラス違うし

かんな

モテるし

かんな

あたしなんかただの部活仲間かそれ以下でしょ

創

以下ってことはないと思いますけど

かんな

そうかな

かんな

そうならいいな

創

それで？

創

先輩はつまり祐太郎さんを好きになっちゃったと

かんな

うん

かんな

たぶん

かんな

気の迷いじゃない

創

それで

創

その話が俺を傷つけると思ったわけですね

かんな

いや、

かんな

あの、

かんな

それはもう忘れて？

かんな

すごいうぬぼれてるみたい笑

創

やーいやーい

創

なんて笑

創

どうするんですか？

創

もう受験期入っちゃいますよね

創

まあそれは俺が言えないですけど

かんな

そうなんだよね

かんな

って

かんな

え？

かんな

創もなんかあるの？

創

え？

創

いやなんもないですよ笑

創

けどもう先輩方引退しちゃうから

創

俺も頑張んなきゃなって笑

かんな

あーなるほど

かんな

がんばれ

創

はい

創

先輩も

創

頑張ってくださいね

創

俺応援してるんで

かんな

うん

かんな

がんばってみる

１ヶ月後

かんな

今までお疲れ様！

かんな

もう引退だねー

祐太郎

そうだな

祐太郎

勝てなかったのは

祐太郎

ほんと悔しいし申し訳ないな

かんな

ううん

かんな

みんな頑張ってたから！

かんな

もう少し祐太郎のバレー見てたかったな

祐太郎

え？

かんな

えっとあの

かんな

ほんとに

かんな

かっこよかったよ

祐太郎

そうかな

祐太郎

嬉しいよ

かんな

うん

かんな

今日だっていっぱいスパイク決めてたでしょ？

かんな

いざという時ほんと頼りになった

祐太郎

それはこっちのセリフ

祐太郎

かんなさんも

祐太郎

頼りになるマネージャーだったよ

祐太郎

声援も聞こえてたしドリンクも美味しかった

かんな

そう？

かんな

なら良かった

かんな

ありがとう

祐太郎

うん

かんな

それでさ

かんな

あの

かんな

今度の日曜日とか

かんな

空いてないかな

祐太郎

あーごめん

祐太郎

その日はちょっと

祐太郎

病院で

かんな

病院？

祐太郎

うん

祐太郎

ずっと我慢してたけど

祐太郎

肩ちゃんと見てもらう

かんな

あー

かんな

ずっとテーピングしてたもんね

祐太郎

うん

祐太郎

なんかあった？

かんな

ううん

かんな

どっか行けないかなって

祐太郎

二人で？

かんな

うん

祐太郎

そっか

祐太郎

ごめんな

祐太郎

なんか話したいことあるなら

祐太郎

聞くけど

かんな

どうしようかな

祐太郎

画面上じゃできない話？

かんな

ううん

かんな

大丈夫

かんな

今言うよ

祐太郎

うん

かんな

あのね

かんな

あたしね

祐太郎

うん

かんな

祐太郎が好きなの

祐太郎

え？

祐太郎

ほんとに？

かんな

うん

祐太郎

俺

祐太郎

なんかしたっけ

かんな

うんと

かんな

もちろんバレーやってる姿もかっこよかったんだけどね

かんな

二人で帰った時のこと

かんな

覚えてる？

祐太郎

ごめん

祐太郎

覚えてない

祐太郎

俺なんかその時した？

かんな

いや

かんな

特にはないけど

かんな

その時に好きになった

祐太郎

そっか

祐太郎

でもごめん

祐太郎

俺好きな人がいて

祐太郎

だからかんなさんとは

祐太郎

付き合えないな

祐太郎

嫌いとかそういうんじゃないけど

祐太郎

ごめん

かんな

そっか

かんな

ううんいいの

かんな

ごめんね変なこと言って

祐太郎

ごめん

かんな

ううん

かんな

もう忘れていいよ

かんな

今日はとにかくゆっくり休んで

祐太郎

うん

祐太郎

ありがとう

創とのトーク

かんな

創

あ

創

お疲れ様です！

かんな

うん

創

どうしたんですか？

かんな

え？

創

元気ない感じです

創

いつもならお疲れ！って返してくれるのに

かんな

あー

かんな

ごめん

かんな

そんなとこまで気が回らなくて

創

え？

かんな

あのね

創

はい

かんな

振られた

創

え？

創

一緒に帰ったのに

かんな

んね

かんな

勝手に舞い上がっちゃったんだ

かんな

馬鹿みたいだね

創

いやそんなことないです

創

元はと言えば俺が変なこと言ったから

かんな

ううん

かんな

信じたのは少しでも舞い上がってたからだよ

創

そうかな

かんな

うん

かんな

祐太郎のこと

かんな

好きにならなければよかった

創

え？

かんな

好きにならなければ

かんな

最後までマネージャーとエースの距離守れた

かんな

引退しても話せたし

かんな

もしかしたら手とか振っても良かったし

かんな

同じ部活の女子はあたしだけ

かんな

それでよかったのに

創

でも

創

好きになっちゃったんだから

創

仕方ないじゃないですか

かんな

うん

創

先輩

かんな

うん？

創

今

創

話聞いてもらってもいいですか

かんな

うん

かんな

いい答えはできないかもしれないけど

創

それでいいです

かんな

じゃあ

かんな

いいよ

創

あの

創

俺

創

先輩に嘘つきました

かんな

え？

創

応援してるって言ったの

創

嘘です

かんな

え

創

ごめんなさい

創

振られたって聞いて

創

心の底ではほっとしてました

かんな

創

俺

創

先輩が好きです

創

俺じゃダメですか

かんな

ごめん

かんな

今はまだ

かんな

心の整理がつかない

かんな

そんなにすぐ次にはいけない

創

そうですよね

創

ごめんなさい

かんな

だけど

かんな

これから好きになるかもしれない

創

え？

かんな

だから

かんな

一緒にいていい？

創

え、でもそれは

かんな

あたしね

かんな

祐太郎の話してる時

かんな

ずっと不安だった

かんな

ほんとは創が

かんな

あたしのこと好きならいいのに

かんな

って

創

え

かんな

ちょっとくらい嫉妬してくれないかなって思ってた

かんな

だから応援してるって言われた時

かんな

ほんとは悔しかったよ

創

ごめんなさい

創

嘘ついて

かんな

ううん

かんな

一番嘘ついてたのはあたしだ

創

え？

かんな

ずっと自分に嘘ついてた

かんな

あたし

かんな

創のことが好きだ

創

ほんとですか

かんな

もう嘘なんてつかないよ

かんな

ほんと

創

まあ

創

たとえ嘘でもほんとにしてやりますけどね笑

かんな

うん

かんな

ありがと

かんな

だから

かんな

その

かんな

よろしくね

創

はい！

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