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私の大好きな金属板 #1

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私の大好きな金属板 #1

1 - 私の大好きな金属板 #1

♥

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2018年03月18日

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いつもと同じような風景

いつもと同じような通学路

椎名万理

あっ…冷蔵庫が棄てられてる

水柴晶

本当だな

水柴晶

まだ目新しいし
多分あれ買ったばかりだろ

水柴晶

もったいないな

椎名万理

…美味しそう

水柴晶

ん?
拾い食いか?

椎名万理

さすがにそんなことしないよ!

ぎゅるるるる~

水柴晶

はははっ!
お腹鳴ってんじゃん

水柴晶

朝ごはんちゃんと食べたのか?

椎名万理

朝ごはんは

椎名万理

ご飯に焼き魚と味噌汁を作ってみたけど

椎名万理

…やっぱりダメだった

水柴晶

また試してみたのか?

水柴晶

お前懲りないな

椎名万理

だって今度こそは食べられるようになってるかも知れないじゃん?!

水柴晶

でもダメだったんだろ?

椎名万理

…うん

椎名万理

口に入れるのも気持ち悪くて

椎名万理

すぐに吐いちゃった…

水柴晶

だから無理だって言ってるだろ

水柴晶

水柴晶

お前は金属しか食べられないんだから

水柴晶

異食症

水柴晶

普通は食べるためのものでは
ないものしか

水柴晶

食べられない病気

水柴晶

俺たちはその病気にかかってるんだからな

椎名万理

ううっ…
あの冷蔵庫美味しそうだったな

水柴晶

ちょっとかじってくればいいだろ?

椎名万理

そんなところクラスの誰かに見られたらどうするの?

水柴晶

大丈夫だろ!

水柴晶

俺だって石しか食べられないの
皆知ってるし

椎名万理

私は知られたくないの!

椎名万理

せっかく清純派美少女キャラで

椎名万理

クラスに馴染んできたところなのに!

水柴晶

全然そんなことないぞ

椎名万理

クラスの男子たちに

椎名万理

私がお風呂に入っている姿を想像してもらって

椎名万理

明日への生きる糧にしてあげてるのに!

水柴晶

ないない

椎名万理

そんな私が武骨で鈍い音をたてながら

椎名万理

金属板を咀嚼してるところを見られたら

椎名万理

男子の夢を壊しちゃうじゃんか?!

水柴晶

まあ…好きに言っててくれ

そう言って、晶は道に落ちていた手のひらサイズの石を拾い上げて

そのまま口の中に放り込む

ガリガリ ゴリゴリ ジャリジャリ

椎名万理

ぎゅるるるる~

椎名万理

椎名万理

お腹すいた!!

~万理が5歳の頃~

椎名万理

ねえママ
お腹すいた!

椎名晴

もうすぐご飯できるから待っててね

椎名晴

今日は万理の好きなビーフシチューよ?

椎名万理

うぉぉぉおおお!
やったー!!

椎名時雨

はははっ
万理はビーフシチューが本当に好きだな

この頃まではまだ、私は異食症ではなかったと思う(好き嫌いは多かったけど…)

少なくとも大好きなビーフシチューはまだ食べられた

椎名万理

ねえパパ
その腕時計見せて!

椎名時雨

ん?
万理も腕時計着けてみたいのか?

椎名晴

~♪

椎名時雨

椎名時雨

万理!
今すぐ吐き出しなさい!!

椎名晴

あなた
どうしたの?!

椎名時雨

万理が俺の腕時計を

椎名時雨

…食べてしまったんだ!

バリバリ ボリボリ ゴリゴリ

椎名晴

ちょっと…万理
出しなさい!

ゴクン!

椎名晴

本当に腕時計食べちゃったの…?

椎名万理

www

私はすぐに病院に連れて行かれて検査をした、しかし…

医者

娘さんに異常は何処にもありません

私はいたって正常だった

私は始めから金属が食べられる人間として、正常に生まれ育ったのだった

私はそれから好んで金属を食べるようになり

次第に金属しか食べられなくなった

椎名晴

あなた、万理
ご飯の用意できたわよ!

食卓には二人分のお茶碗、それに私の分の金属板が並ぶようになった

私とママとパパは金属の咀嚼音の鳴るなかで楽しく団らんしていた

…フリをしていた

椎名晴

椎名晴

もうたくさん!

椎名晴

気持ちが悪い!
吐き気がする!

椎名時雨

おい
お前!!

椎名晴

どうしてあなたは金属なんか食べるの?

椎名晴

金属なんか噛めるの?

椎名晴

口の中は平気なの?!

椎名万理

平気だよ…?

椎名晴

何で私たちと同じように生きていられるの?

椎名晴

ご飯を食べないで
お腹すかないの?

椎名晴

元気でいられるの?!

椎名万理

元気だよ…?

椎名晴

…どうして

椎名晴

椎名晴

どうしてあんたが
私のお腹の中から生まれてくるの…?

椎名時雨

おい!
やめろ!!

椎名晴

バケモノ!
気持ちが悪い!
吐き気がする!

椎名晴

あんたはおかしい…間違ってる!

椎名晴

でも…そんなあんたを生んだ私はいったい何だっていうのよ…?

ママはもう限界だった

一家団らんの楽しい食事はもうできなくなっていた

続く…

現在、#8まで投稿中。気が向いたら、最新話まで読んでやってください

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