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献身的な男たち

第1話 - 献身的な男たち

150

2018年01月27日

#恋愛

本を読むのが好き。

れいた

皆さん

れいた

助けてください。

あらい

おう

あらい

どうした。

タキタ

なんでも話せよ。

温子

れいちゃん

温子

私もいるわよ。

タイソン

珍しいな。

タイソン

いつも自信家のお前が、俺らに助けを求めるなんて。

温子

まぁ私たちも今更、どうしてあげることもできないかも知んないけど。

温子

話くらいは聞いてあげるわ。

れいた

ありがとう。

れいた

その前に。

れいた

俺、みんなに謝らなきゃいけない。

れいた

みんなが体調を崩して、次々と倒れていった時、

れいた

自分の不注意とか、日頃の行いが悪いからだとか

れいた

散々ひどいこと言ってごめん。

タキタ

まさかお前。

れいた

ああ。

れいた

俺、ほんとに、数時間前までは絶好調だったんだよ。

れいた

おかしなところも全然ないし、いつも通りだったんだ。

れいた

急に

れいた

身体がめっちゃ熱くなって、力が入らなくなっちゃったんだよ。

れいた

頭がガンガンする。

れいた

どうしよう。このままじゃ

れいた

美香に捨てられる。

あらい

少し落ち着け。

あらい

そんなひどい人間じゃないよ美香は。

あらい

お前らもそう思うだろう？

温子

あら、どうかしら。

温子

親友のアタシも裏切ったオンナだからねー。

温子

アタシは、美香のこと親友だと思ってたのに…。

タイソン

温子、やめろ。

タイソン

仕方のないことだ。

タイソン

働けなくなったら俺らは用無しなんだから。

タキタ

俺らは美香女王のために働く、働きバチだったってことだよ。

あらい

そんな言い方やめろよ。

れいた

あの。

れいた

喧嘩やめましょうよ。

れいた

仮にも

れいた

同じ女性と一緒に暮らした

れいた

いわば同士じゃないですか。

タキタ

なぜ敬語（笑）

れいた

あー。なんとなく。

れいた

俺、今まで自分に対して根拠のない自信ばっかりで

れいた

今回のことでプライドが音を立てて崩れ落ちたというか。

れいた

この先どうなるのかもわかんないし不安で。

れいた

あー…どうしようどうしようどうしよう。

れいた

俺、美香のことマジで好きなんですよ。

れいた

捨てられるとか考えたくない。

れいた

美香。捨てないで。

あらい

………。

タイソン

落ち着け。

タイソン

深呼吸。

温子

とんだチキン野郎ね。

温子

仲間に入れてあげないわよ。

温子

それと

温子

美香はアンタだけのオンナじゃないから。

温子

あらいもタイソンもタキタもアタシも、

温子

美香のことが好きなの。

温子

同士じゃなくてライバルよ。

温子

そこんとこ間違えないで。

温子

まぁ…私たちは美香とは終わっちゃったけどね。

タキタ

考えてみたら、不思議な共同生活だったな。

タキタ

それぞれの得意分野を活かして、美香を支えていた。

タキタ

俺は、美香が仕事から帰ってきたら暖かい食事を作り、

あらい

おれは、美香が帰ってくるまでに洗濯を済ませておいた。

タイソン

俺は常に綺麗な部屋に居られるよう、気を使っていたつもりだ。

温子

アタシは、半額のシールが貼られたお惣菜をひと手間加えて、美味しく食べられるように工夫したわ。

れいた

俺は…。

れいた

食材の管理を任されていた。

れいた

あと、美香の1番大切なものも俺に預けてくれたんだ。

れいた

美香はすぐいろんなものを置きっ放しにしたり、出しっぱなしにするから…。

れいた

その都度優しく教えてあげたよ。

れいた

不思議だな。

れいた

俺を捨てようとしているオンナなのに…

れいた

何故だか憎たらしいと思わないんだ。

れいた

美香の笑顔ばかり思い出す。

あらい

俺もだよ。

タキタ

…ほんとにな。

タキタ

憎めれたら楽だろうに。

温子

あの子

温子

私が具合が悪くなった時に、

温子

大丈夫？がんばれ。がんばれ。って優しく励ましてくれた。

あらい

本やネットで病状を調べて

あらい

医者にもなんども電話してくれたよな。

タキタ

俺が動けなくなっちまったから

タキタ

医者を連れてきてくれた

タキタ

もうだめだってわかった時の

タキタ

あいつの顔…俺忘れらんねえわ。

れいた

俺も。

れいた

きっと…忘れない。

れいた

いや…。絶対に。

れいた

美香…。

美香、れいたのチャット

美香

れいた。

美香

調子どう？

美香

しんどいかな？

れいた

美香。

れいた

動けない。

れいた

頭がガンガンする。

れいた

熱も高い。

美香

れいた…。

美香

れいたも、私を置いていってしまうんだね。

美香

私どうしたらいいんだろう。

美香

みんな、だめになっちゃった。

美香

私が、みんなに依存しすぎてたのかな。

れいた

美香。

れいた

俺のこと、頼ってくれて、信じてくれてありがとう。

れいた

嬉しかったよ。

れいた

俺は特別なんだって

れいた

ちっぽけな俺という存在が

れいた

1番輝いてた日々だった。

れいた

誰かのたった１つになれるのってこんなにも幸せなことなんだな。

れいた

教えてくれてありがとう。美香。

れいた

大好きだよ。

美香

れいた…。

美香

置いていかないで。

れいた

美香はステキな女性だから

れいた

きっとすぐにステキなヤツが現れるよ。

れいた

悔しいけどな。

美香

れいた……。

美香

今までありがとう。本当に…ありがとう。

そう言って美香は、俺をぎゅーっと抱きしめてくれた。

俺は意識が遠くなるのを…感じていた。

美香と希のチャット

希

不在着信

希

美香〜♡

希

やほほ。

希

飲み行こまい！

美香

むり。

美香

お金ない。

希

まじか。

希

なんで？

希

ヒモ男とは別れたじゃん。

美香

そうじゃないの！

美香

あとケンジはヒモじゃなかったから！

美香

バイトもしてたし！！

美香

実は。

美香

電子レンジと洗濯機と炊飯器と掃除機と冷蔵庫。

美香

一度に壊れた。゜゜(´□｀｡)°゜。

希

マジか。

希

壮絶（笑）

希

アンタ呪われてるんじゃないの？（笑）

希

家電に。

美香

ボーナス吹っ飛ぶよ…。

美香

優しくしてあげてたのになぁ…。

希

なんつったらいいかわかんないけど

希

頑張れ。美香。

美香

応援イラナイ

美香

金ホシイ…。

美香

この上テレビまで壊れたら…。

映男のチャット

映男

みーんな、いなくなっちゃったなぁー。

映男

あれ。

映男

なんか身体がおかしいぞ…

この作品はいかがでしたか？

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4件

Niko様♡ ありがとうございます( ˶˙ᵕ˙˶ )

♥️おしましたー！

曨梶_むつじ_様ありがとうございます( ˊᵕˋ )去年あたりに思いつきで書いたもので、コメントいただけるとは思えなかったので嬉しいです！

本を読むのが好き。

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