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みんなは知ってるかしら
ブラック・クイーンを
またの名を
ブラック・アリス
知らない人達の為に説明するわ
ブラック・クイーンは
歪みの国へと迷い込み
歪みに飲み込まれ
闇へと姿を変えた
アリスのお話
アリスは不思議の国に迷い込むんだって？？
そうね
でもそれはまた違うアリスのお話
闇へと姿を変えたアリスは
歪みの国の住人たちに崇められた
アリスは歪みの国のお姫様
だから
ブラック・クイーン
と言われているけども
実際どうかはわからない
だって
お姫様はどこかへ消えてしまったの
歪みの国の住人たちは悲しんだ
国を治めるクイーンが
国から消えてしまったから
そう
今から始まる悪夢は
ブラック・クイーンが
歪みの国を忘れ去り
もう一度
人間として
歪みの国へと迷い込むお話
きっと面白いはずだわ
有栖
葵
葵
葵
有栖
葵
有栖
葵
有栖
葵
有栖
私は迷いもなく眠りについた
何分寝たんだろう
周りは静か
起きたいけど、起きれないような？
そんな感覚に身を取られながらも
私は瞼を開いた
有栖
あれ？
葵は？？
有栖
先に帰っちゃった？？
そうだったら私を置いてったのね！！
ひどいなぁ
？？？
有栖
何処からか声が聞こえる
と同時に猫が喉を鳴らす
音も聞こえた
猫？いや猫って喋らないよね？？
確かに聞こえた
………はよ
きっと空耳だそうだそうだ
これ以上考えると1人で帰るのが怖くなるので
私は決めつけた
有栖
？？？
有栖
まただ
空耳だそうだそうだ
少し怖くなった私は
足を早めた
？？？
？？？
有栖
私の名前を呼んだ！？
この声聞き覚えないんですけどぉぉ！！？
まさかストーカ！？
警察警察……！！
呼ばなくちゃ
でも興奮させるとあれだし……
とりあえず
有栖
？？？
“忘れたの？”
いやそもそも知らないんですけどぉぉぉ！！！
有栖
私は勇気を持って振り向いた
次の光景に私は沈黙した
私の目の前には
私の背をはるかに超え、口は三日月の形で微笑んでる
顔を隠したフードを被っていた
男？女？とりあえず
人が立っていたのだ
いや背的に人間なわけない……！！
有栖
？？？
チェシャ猫
有栖
なにそれ！？
急にへんな言動でたぁぁ
有栖
チェシャ猫
チェシャ猫
チェシャ猫
チェシャ猫は微笑む
帰る！？
いやいや何処へ？？
チェシャ猫
私の手をギュッと握る
有栖
離そうと抵抗するがなんていう
力なんだ
外せないどころか
痛みまで伝わってくる
チェシャ猫
私を引っ張るチェシャ猫の手
そのまま腕が引っこ抜かれそう……
有栖
頑張って私は腕を振り払い
廊下へと逃げた
有栖
私は無我夢中で走った
