笠利
ねえねえ噂の、エポーリツ旅って知ってる?

マリア
私知ってるよ。

笠利
なんか殺人現場とか、戦争で荒れた場所に行く旅。

優奈
ああ、幽霊がいるって噂の?

笠利
うん。今日はそこに行こうと思ってる。

マリア
そこに行っても意味ないと思うよ?

優奈
なんで?

マリア
幽霊なんているわけないじゃん。

笠利
そうやってすぐ決めつけるのは、よくないと思うよ?

マリア
ねぇ〜笠利〜幽霊ってそこら辺にバンバン出てくると思う?

笠利
そうは思わないけど、

マリア
だったらいないでしょ?

優奈
.....でも、マリア、幽霊はいると思うよ?

マリア
なんで?

優奈
だって、勝手に物が動いたりしたりするよ?

笠利
ま、とりあえず行こ!

笠利
ねぇ、優奈。ここの神社って、なんでこんなに人形がたくさんあるの?

優奈
それは、もう、結婚せずに死んでしまった人達に、あの世で、結婚出来ますようにって、お祈りする所だよ。

マリア
は?あの世で結婚できるわけないじゃん。もう、死んでしまったら終わり!

優奈
......マリア、神社の中でそれは言い過ぎたよ。

笠利
そのうちバチが当たるよ?

マリア
だから、そう言うバチとか、たたりとか。嘘に決まってんじゃん。

マリア
イテッ!

優奈
ほら、バチが当たった。

マリア
いっ.....,今のはバチじゃないし!

笠利
違うよ。今のがバチだよ。

マリア
もう!もっと他のところ行こうよ!

笠利
丘のトンネルとか?

優奈
笠利。それは心霊スポット。それじゃあエポーリツ旅になんないよ。

マリア
いいじゃん!行こ!

マリア
実際に来てみると、迫力あるね.....,

笠利
私、やめとく。

優奈
え?ここまで来たのに、行かないの?

笠利
うん。心霊スポットなんか行きたくないもん。

優奈
ここってさ、

優奈
ある小学4年生の、男の子が、変なヤンキーに連れて来られて、

優奈
全身に、エンジンオイルをかけられ、

優奈
トンネルの中で、大絶叫が響いたんだって.....,

笠利
そうだよね!

マリア
じゃあ、私たち行ってくるね!

笠利
う...うん。

笠利
何故か、優奈とマリアは喧嘩しながら出てきた。

笠利
どっどうしたの?

優奈
笠利!聞いてよ!トンネルの中にジュースとか、お花とかお供えしてあったんだけど、マリアったら、それを蹴ったんだよ!

マリア
邪魔だからゴミをどかしただけじゃん?どうってことないって。

優奈
もう!私先行くから!

そう言って、優奈は、自転車に乗って、行ってしまった。
笠利
あ!優奈、待ってよ!

笠利
....ねぇ、優奈。本当に怒ってるの?

優奈
うん。笠利。マリアが、トンネルから幽霊を連れてきてる。他の人にも、不幸を与える幽霊だから、マリアから、離れたほうがいいよ。

笠利
え?うん。

マリア
あ!優奈、笠利!待って!

笠利
と、私達が線路を渡った時、

マリア
待っててば!

もうちょっとで、電車が通る時、マリアが、笠利達に追いつこうと、無理に線路をくぐっていた。
笠利
マリア!危ない!自転車はいいから、早く線路から出て!

そう笠利が叫んだが、優奈が笠利の耳元で、冷たく言い放った。
優奈
無理だよ。笠利。マリア、沢山の幽霊に足を掴まれてる。これじゃあ逃げようがないよ。

マリア
ブーーーン

笠利
マリア、キャーーーーーーーー

笠利
それから、私達は、なるべくその線路を通らないようにしてる。

笠利
だって、優奈が、まだあの線路に、マリアが地縛霊になって、まだいるって言うんだもん。

笠利
マリアに呼ばれたらやだもんね。
