気付いていた
周りから感じる、殺気に
おそらくは、 黒夜も察しているだろう
白來
黒夜
黒夜
黒夜
黒夜
黒夜
黒夜は息を吸う
それから
「来い」と声を投げた
黒夜
黒夜
黒夜はそう言うと 短く
黒夜
そう唱えた
一体、また一体
裂いても裂いてもモノは 寄ってくる
黒夜
黒夜
目の前にいた一体を斬り裂く
ザワザワ、と
モノ達が揺れた
黒夜
黒夜
術を組み、 再度攻撃しようとした
その瞬間だった
シュリョク 呪力の塊が
輪を縮めてきていたモノ達を 吹き飛ばした
黒夜
化野明衡
化野明衡
黒夜
化野明衡
化野明衡
化野明衡
化野明衡
黒夜
黒夜
黒夜
一体、また一体と
モノ達が 散り散りになって消えていく
その圧倒的な力に、 それでも雪より劣っていたのかと
ただ驚いた
化野明衡
黒夜
黒夜
化野明衡
黒夜
化野明衡
化野明衡
化野明衡
黒夜
化野明衡
化野明衡
化野明衡
化野明衡
黒夜
言いかけて、やめた
明衡の顔に浮かんだのは
自嘲のような安堵だった
戻らなくてはならないと
いつの間にか強く思っていた
まだ俺は何も 返せてなどいないのだから
もう一度
紡がなくてはと
否、そうでなくても
俺はまだ
傍にいたいのだと
名を呼んだ
愛しいその名を
何度も
意識が浮上する感覚
周りの音が
少しずつ甦ってくる
死の1歩手前で留まれて 本当に良かったと
戻してくれた過去の俺の心は
きっとまだ そこにいるのだろう
それはきっと
俺がする最後の仕事だと
心に留めた
目を開ける
まだぼやける視界に
頬を濡らした白來がいた
己の頬に落ちるのは
きっと
重たい腕を動かして
そっと
白來の頬に触れた
白來
目元に溜まる雫を
柔らかく拭う
白來
雪
雪
白來
雪
白來
雪
白來
白來
雪
雪
雪
白來
白來
白來
雪
それは
あまりに当たり前すぎて 気付かなかった
最も単純なことへの 問いだった
雪
白來
白來に強く抱きつかれ
そのふわりとした髪が 頬をくすぐった
そのまま、雪の唇に 自分のそれを合わせる
雪
白來
白來
雪
1度離れた唇が
もう一度重なって
最初は自分からだった筈なのに
不器用に絡みに行った舌は
いつの間にか絡み取られて
流れ込んでくる雪の呪力は
冷たくて、あたたかくて
切なくて、優しかった
雪衡が目覚めたすぐ後に
明衡と共に近くの木の陰に隠れた
白來の近くにいて
その身を温めてやれるのは
その涙を止めてやれるのは
俺じゃない
「お前は雪衡んとこ、 行かなくていいのかよ」
そう言いかけて
明衡の姿が無いことに気が付いた
黒夜
第26話【何度でも】
続く
コメント
5件
やはり、白來と雪しか勝たん…。マジで和風的なの最高っ…!
お久しぶりです! やっと更新できました…遅くなってすみません🙇♀️💦 変わらず隔週更新ですが、終わりが見えてきた感じですのでお付き合いくださいm(_ _)m 閲覧ありがとうございました!