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てまりさんの小説初めて見たんですけど表現の一つ一つが綺麗で見入っちゃいました!続きも楽しみです🎶
目覚まし時計が鳴って 目が覚める。
あれから2週間が経ち、
私の日常は歪みつつあった。
花野想優
一つ、一日に数回 激しい頭痛がすること。
花野想優
二つ、日常生活での動作が 出来なくなったこと。
いつも煎れていたはずの コーヒーの煎れ方が分からない。
前まで行っていた店への 行き方が思い出せない。
ソレ 日常の節々で、呪いは 私の生活を妨げた。
家入硝子
花野想優
そして万が一身体にも 異変が起きた時のために、
一日二回、朝と夕方に 硝子に診てもらっていた。
家入硝子
花野想優
家入硝子
花野想優
もう、今まで何が出来て 何をしていたか。
何が出来なくなって、 何が変わったのかも。
でもそんな事を言ったら 硝子が悲しむだけだから、
私は笑って誤魔化した。
補助監督
補助監督
花野想優
花野想優
「今日も」?
補助監督さんの言葉に 違和感を感じる。
この人、 会ったことあったっけ?
補助監督
花野想優
花野想優
一向に車に乗らない私を 変に思ったのか、
補助監督さんに名前を呼ばれて 我に返る。
きっとこの人はいつも私と 任務に来てくれる人。
忘れているのは私の方。
あぁ、きっと大切な人なのに。
思い出せない。
花野想優
申し訳なさに視界が歪む。
涙を堪えて ただ車に揺られた。
ひらりひらりと 花弁が落ちるように、
こぼれ落ちてしまう記憶。
何を忘れたのか 分からなくても、
頭の痛みが それを知らせる。
花野想優
忘れたくない。
もうこれ以上、 大切なことを一つだって。
そう願っても、 無情にも花は散り続けた。