涼
やっぱり…!
涼
君、僕のことが見えるんだね
サザミ
!?!?
サザミ
な、何を言ってるの?
涼
だから…って
涼
目立つから、帰りに話そうか
周りを見ると、みんなが私も見ていた
彼が私にしか見えてないとなると、見えてない人から見たら私は変人なのね…
サザミ
わ、わかった
涼
帰り以外は話しかけないから、安心してね?
サザミ
はい…
サザミ
えーっと
サザミ
改めまして…
サザミ
鈴川さんだよね?
涼
その呼び方嫌いだから涼でいいよ
涼
その通り、僕は涼だよ
サザミ
私が妄想で出てきている涼じゃなくて…?
涼
正真正銘僕
涼
なんなら、僕が居る病院まで来てもらっても良いよ
サザミ
じゃあ…本物なんだ…
涼
うん
涼
ところでさ、いつも一緒に帰ってるお友達は…?
サザミ
楓は今日委員会で長くなるから先に帰っといてって言われたの
涼
ふーん
サザミ
まさか楓にも見えないとはね…
あの後、先生の手伝いから解放された楓にも、涼が見えるか試したんだ
でもダメだった
楓は怖がりで、悪戯かなにかかと勘違いされて逆に怒られた
サザミ
なんで私だけに見えるんだろうね…
涼
霊感があるってことじゃない?
サザミ
それはない
サザミ
だって私、今までにそういうもの見たことないもん!
涼
へー
涼
でも分かんないじゃん?
涼
僕と君は何かの繋がりで出会ったって事じゃん?
サザミ
何かの繋がり…?
涼
君が覚えていないこともあるんだよ、きっと
涼
お母さんにでも聞いてみたら?
サザミ
お母さん、何か知ってるかなぁ…
サザミ
わかった、聞いてみる
サザミ
私ここ曲がったとこだから、じゃあね!
涼
ん?
サザミ
へ?
涼
僕も君のとこだよ?
サザミ
へっ?
涼
もー!察しが悪いなぁ
涼
せっかくだし、泊まらせてくれないかな
サザミ
えぇ!?
涼
いいじゃん、幽霊だからってお風呂覗いたりしないから!
サザミ
いやそんなの分かんないじゃん!
サザミ
ダメ!絶対!
涼
えー
涼
僕が君のお母さんを見たらなにか分かるかもしれないから言ってるんだよ?
サザミ
えぇ…
サザミ
……
サザミ
わかった…この際仕方ない…
涼
やったー💓
こいつ、もしかしてこうなるって分かってて着いてきた…?
涼
じゃ、お邪魔させてもらうねー!💕
サザミ
…
涼
おー!ひろーい!
サザミ
とりあえず部屋は私のとこ使っていいよ
涼
え〜いいの〜?
サザミ
な、なに…?
涼
寝込み襲っちゃうよ💓
サザミ
庭で寝るか?
涼
ごめんなさい
涼
んで、お母さんは?
サザミ
出かけてるって
涼
ふぅん…
涼
ねぇ
サザミ
ん?
涼
君のお母さんってどんな人?
サザミ
うーん…
サザミ
普通の人だよ、優しくて家族思いのお母さん
涼
…
涼
嘘つき
サザミ
え?ほんとだよ
涼
君…
死にたいって思ってるでしょ
サザミ
…なんで?
涼
僕とはさ
涼
そういうこと思ってる人しか見えないはずだよ
涼
でも君は僕が見えてる
涼
天美さん…君は
サザミ
うるさい!
サザミ
死にたいなんて…思ってる訳ないじゃん!
サザミ
私はお母さんの期待に応える為に、頑張ってるの!!
サザミ
何も知らないあんたなんかに何が分かるの!?
涼
…
涼
分かるよ…
涼はその時、一瞬だけ、悲しそうな顔をした
大切な人から忘れ去られてしまった人の顔の様だった
サザミ
り、涼は、私の何を知ってるの?
サザミ
あなたと関わってる中で不思議なこと沢山あった…!
サザミ
私のお母さんに会いたがったり…
サザミ
帰ってる時も言ってたよね…?
サザミ
君にも覚えてないことがあるって…
サザミ
涼…あなたは、誰なの…?
涼
…
涼
ごめんっ!
サザミ
え?
涼
僕が君のプライバシーにずかずか入りすぎたね
涼
僕が言ったことはさ、あんまり気にしないで
涼
というか、初めて会った人に死にたいって思ってる?って聞かれたくないよねぇw
涼
僕思ったことすぐ言っちゃうからさ
涼
…ほんとにごめん
サザミ
涼!
涼
なんか疲れたから、寝るよ!
涼
じゃ、おやすみ!
サザミ
涼、待って…!
涼は、消えた
サザミ
………
分からない
涼は何を知ってるの?
もう、今日は寝よう
その日の夜、夢を見た
私は砂浜に立ってて、目の前に男の子が居た
サザミ
ここ、どこだろ?
サザミ
夢にしてリアルだなぁ
???
…
サザミ
あの子は…?
???
〇〇ちゃん!
???
ひっこしちゃうの?なんで?
???
ずっといっしょだっていったじゃん!
???
ごめん、〇〇ちゃん
???
いかなきゃいけないの
???
お父さんがそういうから…
???
…
???
ごめんね
???
でも、またあいにくるから
???
もうこなくていい
???
え?
???
こなくていい!
〇〇ちゃんなんてだいっきらい!!
〇〇ちゃんなんてだいっきらい!!
???
〇〇ちゃ…
泣きそうなあの子をおいて、走っていった
そこで目覚める
涼
おーきーろー
サザミ
んん…
サザミ
あ、涼
涼
おはよう
涼
ぐっすり寝てたよ?
サザミ
そう…
涼
…
サザミ
…
涼
あのさ
サザミ
うん
涼
昨日のことはほんと気にしなくていいから
涼
僕が踏み込みすぎただけ!
涼
まあ、僕が目覚めるまでさ
涼
友達として、よろしくね?
サザミ
うん
サザミ
よろしく、涼
昨日のことも夢のことも何か引っ掛かる
なんだろうこの胸騒ぎ…
次回へ続く…