お母さん
おはよう、サザミ
サザミ
おはよ、お母さん
お母さん
もうすぐテストでしょう?
お母さん
勉強頑張ってね!
サザミ
…はい
まだ一ヶ月先じゃん
うるさいなぁ
サザミ
じゃ……いってきます
お母さん
いってらっしゃい
涼
あ、おはよう
サザミ
おはよう
涼は、昨日の喧嘩以来なにも詮索してこなくなった
涼
誰だっけ…えっと、楓ちゃんは?
サザミ
風邪ひいたから学校休むって
サザミ
楓、大丈夫かなあ
涼
帰りにお見舞いでも行ってあげたら?
サザミ
うん、そうするつもり
涼
ふーん
サザミ
…
サザミ
あ、あのさ!
涼
ん?
サザミ
昨日は、ごめんね?
涼
えー、もういいってば
涼
僕が悪かったんだから
サザミ
私も悪いとこあったよ
サザミ
声荒げてごめん
サザミ
図星な事言われたから戸惑って酷いこと言っちゃったの
サザミ
涼は、
ズキン
サザミ
…っ!?
涼
…
涼
もう大丈夫だよ
涼
長い付き合いになる、かは分からないけど、これからゆっくりお互いのこと知っていこうね
サザミ
…うん
なんの痛み?
私、涼のことなんて言おうとしたんだろう?
涼と会ってから、不思議なことが続くなぁ
涼
行こうか
サザミ
…うん
サザミ
楓が居ないと寂しいなぁ…
涼
楓ちゃんと仲良いの?
サザミ
うん、親友だよ!
サザミ
中学からの友達だから、私のことよく気遣ってくれるの
サザミ
だから私も、楓を支えてあげたい
涼
へぇ
女子達
ヒソヒソ…
サザミ
…?
サザミ
なんか、最近私注目されてるよね?
涼
ああ、僕と喋ってるからだよ
涼
コソコソ話してても、周りの人からはバレてるよ
サザミ
そっか
サザミ
じゃあ、なるべく話さないようにするね
涼
うん
キーンコーン…
サザミ
はぁ〜っ!
サザミ
疲れたぁ〜
涼
お疲れ
サザミ
ありがとう
サザミ
…幽霊って疲れるの?
涼
わかんないけど、無限に元気
サザミ
そ、そうなんだ
涼
うん
サザミ
…
サザミ
ねぇ、涼
涼
ん?
サザミ
私のこと、話そうか?
涼
…
サザミ
ゆっくりお互いのこと知っていこうって言ったじゃん
サザミ
だから、私が死にたいって思ってる理由、話す
涼
…そっか
涼
分かった
サザミ
他だと周りの人に怪しまれるし、家で話そっか!
涼
…うん
サザミ
ただいまー
サザミ
あれ、お母さん居ないみたい
サザミ
じゃ、私の部屋行こう
涼
うん
サザミ
…さてと
涼
大体分かってるんだけどなぁ
サザミ
え?
涼
君が死にたい理由
サザミ
まあ、うちのお母さんを見てわかっただろうね
涼
うん、普通に察した
涼
あれは誰でもしんどくなるよ
サザミ
…うん
涼
しかもさ、黙って聞いてりゃ自分の夢押し付けすぎだよね!?
涼
サザミは今もすごく努力してるのに
涼
てか、反抗もさせてくれないよね!
涼
あれはやばいわ
サザミ
…だよね!
涼
!?
涼
泣いてるじゃん!?
サザミ
あははっ
涼
おかしいこと言ったかな?
君のお母さんの方がおかしいと思うけど
君のお母さんの方がおかしいと思うけど
サザミ
いや、あのね…
サザミ
涼が、あまりにも本当に思ってること全部言っちゃうからさ…
涼
いや、正論じゃん?
サザミ
本音を全部涼が言ってくれたみたいで、なんか楽になった
サザミ
そしたら、涙が…
涼
…
サザミ
おかしいね
涼
そんなこと、ないよ
涼
サザミは、十分頑張ってるよ
涼の手が、頭に触れた気がした
涼
無理しなくていいよ、サザミ
サザミ
…っ
サザミ
うわあぁぁん
涼はその日、私が泣き止むまで、というか、朝までずっと一緒に居てくれた
私は、本当に人の優しさに甘えてばかりだ
私も、涼が目覚める方法探さなきゃな
この時の私は知らなかった
楓も、私のことで悩んでたなんて
次回へ続く…